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パーマンPART2 秘密結社マドー団をたおせ! 【ぱーまんぱーとつー ひみつけっしゃまどーだんをたおせ】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 アイレム 開発元 日本システムハウス 発売日 1991年12月20日 定価 5,500円 プレイ人数 1人 判定 なし ポイント パーマンがちゃんと飛べるようになった低難易度+ミニゲームを織り交ぜた構成は変わらず4人から選べるが違いはグラのみで個性はない 藤子不二雄関連作品シリーズ 概要 内容 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 藤子・F・不二雄氏による同名の原作漫画とのタイアップゲーム作品。 前年同時期に発売された『パーマン』の続編作品で、前作と同じファミリーコンピュータのロムカセットソフトとして発売。 ミニゲームを交えたアクションゲームという点も前作と同じだが、アクションの質そのものはまったく別物同然になっている。 本作は元より前作の時点でアニメ、原作とも完結していた(詳細は前作を参照)ので、かなり遅いゲーム化である。 またファミコンソフトとしても発売が1991年12月と既にスーパーファミコンが発売して1年が経過しているため、いろいろな意味で遅い発売である。 内容 ストーリー 地球征服を狙う秘密結社「マドー団」により宇宙物理学者「敷島博士」が誘拐され「結晶体」が奪われてしまった。 「結晶体」は使い方次第で強大な兵器になるため「マドー団」に使われては大変なことになる。 それを知っているバードマンはパーマンに助けを求めてきた。 ゲーム内容 トップビューとサイドビューの2種類の構成で、建物内などトップビューステージは前作通り飛ばないパーマンだがサイドビューステージでは飛ぶことができる。 飛び方は空中で一度Aを押すことでホバリング状態になり、この状態で十字ボタンを押すことで自在に飛べる。 ボバリング中にもう一度Aを押すと状態を解いて降下する。 落下時やジャンプ時は前作同様、踏みによる攻撃ができる。 回数限定で強力なキックをセレクトボタンで発動できる。 前作はアイテムを自在に選択できなかったが、スタートでポーズすることでアイテムを選択できる。 ステージ開始前に「パーマン」「ブービー」「パー子」「パーヤン」(*1)の4人から誰を使うか選択する。 前作のボス戦で行われていたすごろくバトル(ラスボス除く)はなくなり、ボスとの戦いもアクションバトルとなった。 また前作では人間系の敵が多かったが、本作では敵は全体を通してほぼすべて機械や動物系で人間自身と戦うことはほぼない。 アイテム パンチ(ゲンコツ) 敵を弾き飛ばすパンチでデフォルトの攻撃。 フーセン(○) 敵を風船のように膨らませて倒す銃。 レイトウ(網の目のような模様) 敵を凍らせて倒す銃。 ヘンシン(?) 敵を変身させて倒す銃。原作や前作にも登場した「細胞変換銃」と同一のものかはさだかではない。 「パンチ」「フーセン」「レイトウ」「ヘンシン」は、それぞれレベルがあり取ると1上がる。最大は2だが4つとも2になると「パワーボール」という最強の攻撃ができるようになる。 キック(K) キックを使える数か1回分増える。 1UP(ハートに「1P」) 残り人数が1人増える。 ライフ(ハートに「L-1」「L-2」「L-4」「L-8」) ライフゲージが回復。「L-○」の数字が回復する目盛り分になっている。 イベント 前作で言う「豆ゲーム」に相当するミニゲームで「P」マークのある扉に入ると始まる。本作では3通り存在する。 ブロック壊し パーマン自身がパンチや3方向に出るビームで大量のブロック(木箱のようなもの)を破壊してアイテムを探す。 中から敵が出ることもありライフが尽きた場合も終了となる。ライフが入室時の状態が持ち越されるのでなるべく回復してから入るが得策。 神経衰弱 最初はすべて表向きで見えており、一定時間経過すると裏返る。あとは記憶力を頼りに数字のペアを揃えていく。 3度失敗すると終了だがオールマイティハズレの「×」を開けてしまうと一発で終了。 クリアーするとアイテムがもらえる。 パネルゲーム 一度乗ると壊れる緑のパネルをすべてジャンプで壊し、スタート地点に戻ればクリアー。 「 」のパネルはその矢印が射している方向へ2マス分飛べる。 クリアーするとアイテムがもらえるが、このゲーム自身で出てくる文字がパスワードになっておりステージ内でこのゲームをすべてクリアーするとパスワードが完成。それを入れると次のステージから始まる。当然、ラストステージではもう次はないため文字は出てこない。 ステージ構成 ステージ1・新宿新都庁舎 ボス「変身サイボーグ」 ステージ2・北極の氷山要塞 ボス「サイボーグ将軍」 ステージ3・チベット高原の秘密研究所 ボス「目ん玉コンピュータ」 ステージ4・モスクの地下迷宮 ボス「海蛇ロボット」 ステージ5・砂漠のピラミッド要塞 ボス「ロボット戦車」 ステージ6・マドーの宇宙要塞 ボス「マドー」 評価点 キャラゲー観点では前作の違和感を払拭し、パーマンらしさが増している。 飛ぶようになったパーマン。 後述の通り少々操作にはクセがあるのであまり万々歳とはいえないが、やっぱりパーマンは飛ぶスタイルがデフォルトなのでパーマンのゲームらしくなった。 敵キャラもメカやサイボーグになっており「人間と1対1で負ける弱いパーマン」という違和感もなくなった。 ミニゲームは3種類に増えた。 前作同様いずれも簡単で飲み込みやすいものばかり。とはいえ「ブロック壊し」以外はかなり頭をひねる内容であるので、ちょっと手応えありすぎかも。 また前作は、ステージ3以降はクリアに実質必須なものだったが本作ではなくてもなんとかなるので自由度が高まった。 ライフは前作以上に多い。 本作ではボスともアクションでバトルすることを考えると無難な調整。 賛否両論点 やはり難易度が低く、手慣れた者からすれば手応えが感じられない一面もある。 前作ではイマイチ実感がわかないスゴロク方式だったボス戦もアクションバトルになったとはいえ、これもかなり思考が単調でさほど苦労しない相手ばかり。 これも前作同様、ファミコンの新しい立ち位置「初心者のエントリーマシン」としての在り方を考えれば無難と言えるかもしれない。 元々パーマン自身が特に低年齢層向けのコンテンツであることも、このような低難易度として適切と言えるかもしれない。また原作再現目線ではパーマンらしい強さを上手く見せることにもなっている。 パーマン4人から選べるのに中身はまったく同じ。 前作はほとんど出番のなかったパー子とパーやんを操作できるのはファンなら嬉しいかもしれないが色だけの違いしかなく、ほとんどファンサービスだけのグラ違いでしかない。 前作ではブービーにジャンプ力のアドバンテージがあったり、すごろくバトルではそれぞれに個性があったりしたが(ゲームシステムとして問題はあったものの)本作ではそういった個性や特徴は一切ない。 問題点 飛べるようになったのはいいが、操作性は今一つ。 斜め方向への反応が悪い。 斜め方向を押しても直接反応はせず、どちらかといえばタテ→ヨコ、ヨコ→タテという感じの二段階にカクカクッと曲がる感じになる。 そのため、どちらかといえば少々ぎこちない動きになる。いっそ飛ぶときは4方向しかないものと割り切った方がいいほど。 十字ボタンのコントロールで壁などにぶつかると、跳ね返るようにターンするのも少々勝手が悪い。 飛ぶようになった弊害でジャンプによる「踏み」が少々使いにくくなった。 BGMのバリエーションが少ない。 前作はステージ毎に用意されていたが本作はラスト以外均一なので、気分のダレやすさにもつながってる。 それを抜きにしてもBGMの質自体も、前作のようなノリの良さがない。一番マシなのがアニメ主題歌のアレンジ。 ボスに攻撃をあててもSEがない。 喰らったアクションこそするもののSEがないのでは爽快感がない。 もちろん攻撃命中のSEは当時は勿論のこと、ファミコン草創期作品でも標準搭載だったので肝心なものが抜けている。 パーマンの攻撃に違和感あり。 前述の通り飛ぶようになり、敵キャラが人間以外が中心になりパーマンらしい強さが感じられるようになったが、パーマンの攻撃パターンが違和感がある。 前作から続投の変身銃は元々バードマンがパーマンを罰するために使うものであって、パーマンが武器として使うものではないし、本作で登場した風船銃、冷凍銃は原作にも登場しない。 前作を思えば味気ないエンディング。 前作ラストは台詞もあってストーリー性が感じられたが、本作では博士を救い出した後はパーマンたち4人が飛んできて「おしまい」だけとちょっと味気ない。 総評 前作と同様に難易度はかなり低く熟練者にとっては手ぬるさが顕著な反面、初心者には程良いバランスは前作からそのままで、いかにもSFC発売後のFCが目指すべき「入門層のエントリー向けマシン」の位置付けに合わせたようなバランス。 原作との整合性という見方では「パーマンなのに飛ばない」「パーマンなのに生身の人間相手に負ける」といった違和感は解消されキャラゲーとしては大幅に改善されたものになっており、いかにもパーマンらしい強さを感じることができる。 だがゲームとしてはトップビューステージでは斜め方向へのジャンプがしにくいなど操作性の面では少々不便さは多少感じられる。更にサウンド面ではBGMが少ない、ボスとの戦いで命中時のSEがなく攻撃の手応えを感じにくいなど新たな難点も多々見られる。 また原作再現でもバッチリというには程遠く、ありもしない風船銃・冷凍銃といったゲーム要素に対しても大した意味を持たない改変や、折角4人から選べても性能差がないなど疑問視される部分や残念な部分もある。 余談 前作のラストはパーマン1号がバードマンに連れられてバード星へ留学したはずなのだが、本作でのタイトルデモ(実質的なプロローグ)では何故かバードマンに呼ばれている形になっている。 恐らく留学を終えて帰って来たのだろう。だとすると留学していた期間は1年にも満たないことになる。或いはなかったことになっているのか… ステージ1の都庁舎は現在もある高層ビルで前年12月に竣工したばかりだった。 そのため時代背景は連載やアニメ放送から未来補正されていると思われる。 続編などで「PART2(パートツー)」とは一般的な呼称だが、大多数は「2」「II」のみで直接タイトルに「PART」まで付けている非常に珍しい例である。 ファミコンでは『ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女』(1989年5月・6月ディスクカード)と本作の2つだけである。
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ガンダム バトルオペレーション NEXT 【がんだむ ばとるおぺれーしょん ねくすと】 ジャンル ハイスピードチームバトルアクション 対応機種 プレイステーション3プレイステーション4(PlayStation Store) 発売元 バンダイナムコエンターテインメント 開発元 B.B.スタジオ 発売日 2015年8月27日 定価 基本無料(アイテム課金あり) 判定 なし ポイント タイトルと裏腹に『バトルオペレーション』とはほとんど別物近年のVS.シリーズにかなり近い機体チョイスとゲーム性回線によるラグ・ゲームバランスの問題2~3週間のスパンで切り替わるキャンペーンと追加機体2019年3月28日をもってサービスを終了 ガンダムゲームリンク ガンダム バトルオペレーション NEXT 概要 特徴 操作 ルール カスタマイズ 料金形態 評価点 賛否両論点 対戦バランス 料金形態 第三勢力 オペレーターについて 問題点 通信関連 戦友出撃 掃討戦 機体カテゴリ マスタリーシート 運営の対応 総評 余談 概要 PS3で配信されていた『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』の続編に当たるゲーム。通称バトオペNEXT。 前作同様にPS Storeからのダウンロード専用ゲームで、基本無料だが一部に課金要素がある。PS3とPS4のマルチタイトルとしてサービス開始され、マッチングも共有していた。 出撃エネルギー制である点やオンラインチーム対戦専用のサード・パーソン・シューティングである点など、前作との共通点も多いがゲーム性に関してはほぼ別物であり、どちらかといえばガンダムVS.シリーズが近い。 前作と異なり登場するMSは一年戦争どころか宇宙世紀に留まらず全シリーズからのオールスターとなっており、1stから鉄血のオルフェンズ、果てはビルドファイターズまで幅広い作品から機体が参戦している。 本作は「ハイスピードチームバトル」を謳っている通り歩兵状態などの要素はオミットされ純粋なMS同士のバトルアクションとなっており、それに伴いゲームスピードが大幅に上昇した。 βテスト時やサービス開始当初はまだ前作を思わせるジリジリとした攻防が多い調整だったが、アップデートによってゲームスピードは更に上昇して現在に至っている。 これにはβテスト時から「バトオペらしさが感じられない」という意見が寄せられていたが、開発は当初から「タイトルは共通しているがバトオペとは進化する方向性が違う」と明言している。 特徴 操作 操作は前作バトオペからほぼ完全に一新されており、ガンダムVS.シリーズを若干アレンジしたものと言った方がいい。 ジャンプボタン2度押しでブーストダッシュ、格闘はレバーN前後横で4種(左右分ければ5種)に性能変化など、連ザ以降のVSシリーズを髣髴とさせる操作方法が取り入れられている。 しゃがみなど前作を思わせるアクションも一部にはあるが内容は大幅に変わっており、無印バトオペの面影はない。 サービス開始当初は総じてMSの挙動が重く攻撃後の硬直も長かったのだが、アップデートでステップやブーストダッシュによる硬直のキャンセルが可能になってからは大幅にVSシリーズに近づいた。 ルール このゲームは5vs5の10人で行われるチームバトルであり、ルールは大きく分けて2つある。 スタンダード 戦場にある中継地点を占拠したり敵機や敵拠点(戦艦)を撃破することで敵の戦力ゲージを減らし、相手の戦力ゲージ10000を0にすることを目指す基本のルール。 サービス開始当初から存在しており、このルールが本作のメインコンテンツである。 ステージは「ヘリオポリス」「グレートキャニオン」「ニューホンコン」「射爆場」「オーブ」「タクラマカン砂漠」「北極基地」の7種が存在し、それぞれ広さやオブジェクトの配置などが大きく異なる。すべてのステージに共通して、それぞれのチームの拠点と5ヶ所の中継地点が存在する 拠点は高いHPを誇る戦艦である。ヘリオポリスではホスト側がアークエンジェルでゲスト側がヴェサリウス、グレートキャニオンではホスト側がビッグトレーでゲスト側がダブデといったように、ステージによって種類が異なる。拠点は敵機が近づかない限り基本的には何もしないが、一度敵が近づくと機銃やミサイルで迎撃を始める。火力もかなり高く、アークエンジェルのゴッドフリートのように状況次第で即死級のダメージを叩き出すものまで存在するので不用意に接近すると危険。 自軍拠点は被撃墜時のリスポーン地点として選択することができる。敵拠点を撃破することで敵戦力ゲージを約3分の1の3333減らすことができる。なお、自軍拠点が撃破されてもリスポーン地点としての選択は可能。 5ヶ所の中継地点にはA~Eの記号が振られている。中継地点の配置は様々だが、どのマップでも必ず中央に開けた場所がありそこにC地点が配置されている。中継地点は一定時間踏み続けることで占拠することができる。味方チームが占拠している中継地点の数と敵チームが占拠している中継地点の数の差によって、占拠数が少ない方のチームの戦力ゲージが継続的に減少していく。 また、味方チームが占拠している中継地点は拠点と同様に被撃破時のリスポーン地点として選択することができる。このため、スタンダードルールでは中継地点を多く占拠することが戦闘を有利に運ぶための前提条件となっている。 C地点周辺の開けた場所には戦闘中に一定確率で第三勢力の大型モビルアーマーが乱入してくることがある。第三勢力は敵味方無差別に強烈な攻撃を仕掛けてくるが、撃破したチームにはバフがかかるなどのメリットがある。また、第三勢力を撃破した試合は両軍ともに報酬枠が追加されるなどボーナスが発生する。 第三勢力は定期的に追加されており、現在「サイコガンダム」「アプサラスII」「シャンブロ」「ビグ・ザム」「クィン・マンサ」の5種。どれが出現するかはランダムである。2017/10/12のアップデートでさらにLv1~Lv4の4段階でランダムに強さが変動するようになった(*1)。 掃討戦 スタンダードよりも狭い中継地点・拠点が存在しないステージで、純粋に敵機の撃破のみで敵チームの戦力ゲージ7500を0にし、更にそこから敵機を文字通り掃討することを目指す戦闘に特化したルール。 サービス開始当初から存在がほのめかされていたがなかなか実装されず、2016/06/30のアップデートでようやく追加された。 ステージは現在「ヘリオポリス」「サンクキングダム」「オーブ」の3種。スタンダードよりも大幅にステージが狭くなっている代わりに遮蔽物が増加しているのが特徴。 いずれも中継地点・拠点が存在しないため、再出撃地点はマップの四隅からランダムで決定される。また再出撃の際には自動的にサブフライトシステム(以下SFS)に搭乗する。 掃討戦の特徴的なルールとして、戦力ゲージが0になったチームはすぐに敗北するわけではなく「FORCE DEPLETED」(戦力が枯渇した)と表示されて戦闘が続行される点が挙げられる。 この状態では撃破されてから再出撃まで一定の待機時間が必要となり、再出撃時の機体HPが減少した状態になってしまう。その代わりに与ダメージが倍化するバフも付加されるため、追い込んでいる側のチームも油断は出来ない。 この状態で全員が再出撃待ちの状態になったチームは敗北となる。 なお、スタンダード・掃討戦いずれのルールでも制限時間の8分経過で試合終了となる。タイムアップの場合は残り戦力ゲージが多いほうが勝利、同値の場合は引き分けとなる。 カスタマイズ プロフィール プレイヤーはゲーム開始時にパイロットアバターを作成する。 アバターはバストアップ画像のみのシンプルなもの。大別して少年・オッサン・少女・お姉さんの4パターンの輪郭と印象の違う4種類の顔を組み合わせた16種のフェイスタイプがあり、更に輪郭毎に異なる5種の髪型が選べる。肌の色は4段階・髪の色は8色から選択可能。服装も顔の輪郭毎にデフォルトで4種ある。上記のように選べるパーツがさほどないので個性的なアバターは作れないが、逆に言うとどういじってもほぼ違和感のない容姿になる。 ゲーム開始後もプロフィール画面の「パイロットドレスアップ」から自由に容姿を変更可能。普段オッサンのアバターで遊んでいる人もも気分で少女のアバターに変更できる。 開発ポイントを消費することで取得可能な服装も少数ながら存在する。ゴーグルや眼鏡などの装飾オプションも種類は少ないが開発ポイント消費で取得可能。また、特定のキャンペーンやランクマッチでは原作キャラクターのパイロットスーツや装飾オプションを入手できることもある。 また、特定の条件を満たすことで「称号」や「エンブレム」が入手出来ることがある。これらもアバターと同様に自由に選んでセッティングすることが可能。 これらパイロットアバターや称号・エンブレムはブリーフィングやキルカメラで表示されるだけで、戦闘や報酬に何かしらの影響を及ぼすものではない。 対人戦を行うと経験値が手に入り、一定まで経験値が蓄積するとパイロットレベルが上昇する。 パイロットレベルが上昇することで開発可能な機体やドロップするパーツの種類が増えていく。 サービス開始当初はパイロットレベル上限が20だったが2015/12/17のアップデートで25に上限が引き上げられ、その後も半年に一度程度のペースでレベル上限が引き上げられていた。最終的なレベル上限は30で頭打ちとなった。 機体 このゲームの機体はその特性によって汎用・格闘・急襲・支援の4つのタイプに分類されている。機体ごとに固有のコストが定められており、機体が撃墜された場合はそのコストと同じ値が戦力ゲージからマイナスされる。現在機体コストは最低で200、最高で700のものが存在する。 ゲーム開始時に使用できるMSはジム・ザクII・ストライクダガー・ジンの4機。すべて200コストの汎用タイプである。これ以外の機体は戦闘でドロップするパーツと開発ポイントを消費することで使用可能になる。開発可能な機体はパイロットレベルが上昇することで徐々に増えていく。 パイロットレベルが一定以上になると設計図がドロップするようになり、これを集めることで更に新しい機体が開発可能になる。 またキャンペーン期間中限定でドロップする機体の設計図も多数あり、これらはパイロットレベルにかかわらず期間中はすべてのプレイヤーが入手できる。 ランクマッチ期間中は、試合毎に入手できるランクポイントの累積量に応じてランクマッチ限定の機体の設計図を入手することができる。 これらのイベント機体は入手が期間限定ということもあり、強力な性能を有しているものが多い。人気の機体も多く、過去のイベントの復刻キャンペーンも度々行われている。現在の環境ではほとんどのプレイヤーがこれらのイベント入手限定の機体を主に使用している。 機体にはレベルがあり、レベル1の段階では「ノーマル」のOSしか選択することができない。 機体レベルは開発と同じように指定パーツと開発ポイントを消費することで上げることができる。機体レベルが2になると「装甲強化I」OSが使用可能、機体レベルが3になると「機動強化I」OSが使用可能……といった形でレベルが上がるほど強力なOSが選択できるようになる。 「装甲強化I」「機動強化I」では機体コストが50、「装甲強化II」「機動強化II」では機体コストが100、「装甲強化III」「機動強化III」では機体コストが150、「装甲強化IV」ではコストが200上乗せされ、それだけ被撃墜時のリスクが上がる。例えば「ノーマル」OSで200コストのジムは「装甲強化III」OSでは350コスト、「ノーマル」OSで700コストのサザビーは「装甲強化IV」OSでは900コストになる。しかしそれでも十分お釣りが来るほどに機体性能が上がるので基本的に高いレベルのOSを使うのが望ましいとされている。 なお機体レベルを5にすると機体のペイント機能が追加され、さらにその機体の固有エンブレムが獲得できる。これらは見た目を楽しむための物でほとんどただのコレクション要素。基本的に「機動強化II」OSのオマケ扱いされていたが、後に2016/05/30のアップデートで特定のエンブレムを集めることでボーナスが得られる「エンブレム効果」が実装された。 モジュールボード 開発ポイントを消費することで、機体ステータスを強化するモジュールを作成することができる。モジュールは三色に分かれており、「ビーム補正上昇」「実弾貫徹力上昇」など攻撃に関わるものは赤、「耐ビーム装甲上昇」「耐実弾装甲上昇」など防御に関わるものは青、「ブースト上昇」「索敵範囲拡大」など機動力や索敵能力に関わるものは緑となっている(*2)。 作成したモジュールはモジュールボードのスロットにセットすることで効果を発揮する。ゲーム開始時は各色3つの合計9しかスロットがないが、パイロットレベルが上がるとボードのスロットも増え、最終的に各色7つ計21のスロットが使用可能になる。 モジュールにはレベルが設けられており、レベル1のモジュールはゲーム開始時から作成可能。より効果の高いレベル2のモジュールはパイロットレベル12から作成可能になる。 レベル2のモジュールまでは開発ポイントを消費するだけで作成できるが、2017/01/12のアップデートで追加されたレベル3のモジュールは開発ポイントに加えてパイロットレベル16以上でドロップする専用の設計図が無ければ作成できない。 マスタリーシート マスタリーシート上の項目に予めポイントを割り振っておくことによって戦闘中に様々な補助効果を得られるシステム。 マスタリーシートもモジュールボートと同様に赤青緑の三色のブロックに分かれており、攻撃・防御・補助のどれを重視するかでプレイスタイルに応じて自由に補助効果を選択できる。 振り分けられるポイントはパイロットレベルが上がるにつれて増加する。パイロットレベル1では10ポイントしかないが、レベル20までは偶数レベル毎に1ポイントずつ増加、レベル21以降は1レベル毎に1ポイントずつ増加する。つまりパイロットレベル30で30ポイントを割り振ることが出来るようになる。 モジュールボードは機体のステータスを若干強化する程度のものだがマスタリーシートの効果はより強力で尖ったものが多く、自分の使う機体の特性と合った振り分け方をすることが求められる。 強力な項目にポイントを割り振るためには同色の下位の項目を一定数埋めなければならない積み上げ式のシステムなので、三色満遍なくポイントを振るより一色か二色に絞って特化型の振り分けをするのが主流である(*3)。 パイロットスキル 戦闘中に「中継地点の占拠」や「敵の攻撃をガード」「敵機の撃破・撃破アシスト」「自機・味方機の被撃墜」などが発生するとスキルゲージというクロック型の専用ゲージが蓄積する。スキルゲージが最大になると事前に選択したパイロットスキルが発動可能になる。 いわゆるVS.シリーズにおける覚醒システムであり、プレイヤー間でも覚醒と呼ばれることが多い。よろけやダウン状態からも強制的に起き上がって復帰できる、武装の弾数が回復するなど覚醒システムとの共通点が多いが、こちらは発動時に一定時間キャンセル不可の硬直があるので使うタイミングを誤ると危険である。 現在は全部で6種類が存在し、最初から使えるのは2種類でパイロットレベルを上げることで選択可能なスキルが増えていく。 高レベルで習得可能なスキルほど強力かというと別にそうでもなく、初期スキルの一つである「バーストシュート」が現状強力かつ人気のスキルである。パイロットレベルを上げないとスキルによる格差で勝負にならない、ということはこれまでの環境では基本的に起きていない。 また「バーストシュート」一択かというとそうでもなく、戦法や機体によっては「バーストインファイト」や「スーパーアーマー」「リペアフィールド」といったスキルも十分実戦に耐えうる効果を有している。 残りの2つ「ロックオンキャンセラー」と「インビンシブル」は癖が強く、活かすのが難しいためあまり選択すべきでないと言われることも多いが、これらも使い方によっては強力である。スキル間のバランスは概ね良好と言っていいだろう。 料金形態 無印バトオペと同様の出撃エネルギー制であり、対人戦を行うにはこれを消費する必要がある。 出撃エネルギーには支給用と備蓄用の二種がある。支給用は2時間に1つ回復し3つまでストック可能。そして備蓄用はイベントやミッション達成時の配布などか課金購入で手に入る。 その他に入手できる経験値・開発ポイント・パーツを増加させるブースターアイテムも存在し、こちらもイベント時やミッション達成時の配布などか課金購入で手に入る。 加えて機体やモジュールの開発にも課金が可能で、開発ポイントを消費するか課金で代用するかを選択することになる。 2016/06/30から「初心者スターターパック」と「初心者ブースターパック」が販売開始した。いずれも既存のコスト500機体をコスト400にダウングレードした「訓練仕様機体」が使用可能になるというもの。 スターターパックでは「ガンダム[訓練仕様]」と「エールストライクガンダム[訓練仕様]」の汎用機2種、ブースターパックでは「ソードストライクガンダム[訓練仕様]」「イージスガンダム[訓練仕様]」「バスターガンダム[訓練仕様]」の格闘・急襲・支援の3機セットが入手可能。 いずれも元がコスト500だけあってコスト400にしてはかなり強力。最初から初期機体などよりも大幅に強い機体を使うことができるが、代わりに訓練仕様機体は強化ができないという制約がある。これらはあくまでスタートダッシュ用のものということだろう。 ちなみに初心者パックと銘打っているものの、オマケの備蓄エネルギーだけ見ても単体購入よりも安いのでこのゲームに少しでも課金しているプレイヤーならほぼ全員が購入するセットだったりする。 2016/08/09から「パーツ保管庫拡張チケット」が販売開始した。初期状態では1ページ(=100スタック)のパーツ保管庫を最大4ページまで拡張できる。 2016/09/23から「マスタリーシート追加チケット」と「モジュールボード追加チケット」が販売開始した。初期状態では4パターンしか保存できないマスタリーシートとモジュールボードを最大8パターンまで拡張できる。 評価点 前作に比べ、非常にとっつきやすくなったゲームシステム 前作バトオペのシステムは良くも悪くも独特で、初心者に対する敷居が非常に高かった。歩兵システムやそれに付随した複雑な操作に加え、機体の整備・カスタマイズが煩雑だったこともあり、新規プレイヤーに易しくない側面が多々あった。 本作は基本システムが大幅にシンプルになり、操作性の分かりやすさと機体の開発・強化の平易さで、よりカジュアルにチーム対戦アクションが楽しめるゲーム性になっている。 無駄の少ない武装・システムの構成 ガンダムのアクションゲームで死に要素になりやすい頭部バルカンやSFS、変形などの要素がどれも戦術的に非常に有効で、絶妙に使いやすい。 バルカンはよろけ取りやミリ殺しの補助に有効で、多くの機体のサブ攻撃に設定されているので使い勝手が良い。SFSは一定時間しゃがみながら格闘ボタンを押せばどこでも呼び出すことができ、長距離の移動に欠かせない。変形は可変機体の機動性を支える重要なコマンドで、機体によっては変形時の武装をメインに戦うものも多い。 キャラゲーとしての完成度が高く、対戦ゲームとしての戦術に過不足なくガンダムらしい要素を取り入れている。 また、本作の特徴的なシステムとして「タックル」がある(*4)。これはガード不可能の掴み技で、格闘ゲームでいう「投げ」に該当する。一度成立すると専用の演出が終わるまで両者無敵状態になり、演出終了と共に相手に衝撃属性(*5)のダメージを与える。 掴みが成立してしまえばパイロットスキルの発動すらできず、敵味方ともに一切妨害できないため確実にダメージを与えることができる。敵のガードを崩すために使用するのは勿論、敵のよろけに追撃する形でいわゆるコンボの締めに使うのも有効。 サービス開始当初は非強制ダウン中の敵を掴むこともできたが、アップデートで不可能になった。その後しばらくは成立後の隙が大きく、そこを狙われてしまうためほぼタイマン専用アクションという扱いだったが、こちらもアップデートでタックル後に数秒の無敵時間が追加されて解決した。アップデートによってシステムとしてはよりブラッシュアップされていっている。 タックル成立時の演出は機体ごとに様々だが、初期の頃の機体は「殴り飛ばすだけ」「蹴り飛ばすだけ」「膝蹴りからダブルスレッジハンマーで叩き付け」「ボディブローからのアッパー」「ボディブローからのヤクザキック」の5種が使いまわされていた(*6)。しかし1周年以後、ガンダムバルバトス(第四形態)以降の解禁機体はタックルに個性的な演出を備えているものが増えており、キャラゲーとしての完成度を高めている。 具体的には「敵をアームで捕縛し、サーベルで横なぎに斬り裂くクシャトリヤ(スタークジェガン戦の再現)」や「ガンダムハンマーを叩き付け、ロケットモーターの回転で攻撃するターンエーガンダム(ウォドム戦の再現)」など。アストレイレッドフレームに至っては「抜刀術で敵を斬り付け振り向きざまに納刀すると背後の敵が吹き飛び、桜の花びらのエフェクトが舞い散る」という時代劇の殺陣のようなやたらと凝った演出があったりする。 他にも変り種としてアストレイゴールドフレーム天のようにタックル成功時にHPを回復する特殊効果を持っているものも居る。演出だけでなく原作の特徴的な効果を再現するのにも一役買っている。 また「ゴッドガンダムとマスターガンダムでタックルが成立するとドモンと東方不敗の演舞が発生する」「ストライクフリーダムからデスティニーのタックルが成立するとオーブ戦のライフル投げ→アロンダイト白刃取り→クスィフィアス接射→ライフルキャッチを再現する」など、個別の組み合わせによる特殊演出もいくつかあり非常に力が入っている。 ただ、新規追加の機体にばかり専用のタックル演出が与えられて既存の機体はタックルが地味なままなのがアンバランスだと言うプレイヤーも居る。特に既存の機体を愛用しているプレイヤーの中には主役機のはずなのにタックルの演出が地味なことを不満に思う声も。 ちなみにこれについては2017/11/30のアップデートで、参戦から一年以上経過したニューガンダムとサザビーの組み合わせで特殊演出が追加された(告知のなしのいわゆるサイレント修正)ため、改善が全くなかったわけではない。 タイムリーな参戦機体 『鉄血のオルフェンズ』2期放送直前にガンダムバルバトス(第4形態)が登場し、同作でも評価の高いハシュマル戦放送の1ヶ月後にはガンダムバルバトスルプスを解禁する。サンダーボルトの劇場版BANDIT FLOWERの公開2日前からフルアーマーガンダムとサイコザクのキャンペーンを行い、更に2週間後にはアトラスガンダムを解禁する(*7)。……など旬の機体を迅速に参戦させている。 とくにルプスに関してはVS.シリーズよりも半年近く先んじてアニメ放送中に登場させている(こちらは声優の収録が必要ないという事情もあるが)。 参戦する機体のチョイスもW、SEED、00、UCなど若年層に人気の作品が中心となっているので、それらの作品が好きなプレイヤーからは好意的に見られている。逆にその他のプレイヤーからは参戦作品の偏りを指摘されることも多いが、他のアナザーガンダムからも一通り主人公機は参戦している。 なお最終的にサービス当時までのTVシリーズで参戦できなかったのはV、AGE、Gレコの3作品のみ。なんとサービス末期にも、アニメ放送中だったビルドダイバーズからダブルオーダイバーエースとAGE-IIマグナムが参戦していた。原型機であるガンダムAGE-IIを差し置いてAGE-IIマグナムが参戦したことは賛否両論だが、最後まで最新作からも積極的に参戦機体を選出し続けたことは評価されている。(*8) 賛否両論点 対戦バランス 対戦ゲームについて回る話ではあるが機体間のバランス調整が極端で、環境で暴れまわる「強機体」が常に存在している。 ただし、この手のゲームとしては比較的頻繁に修正が行われていることに加え、機体間の相性も激しいシステムなので「○○一強」と呼べるほど特定の機体が突出する事態はあまり起きていない。5vs5が基本となる都合上、強機体も複数機ならば倒せるケースが多いのである程度なら戦術でカバーできるという側面もある。 また、多少はキャラクターバランスがバラついていないと特定のキャラへの対策・攻略のための研究が行われないので、この手の対戦ゲームでは意図的に特定のキャラや戦術を強力に調整することはままある。対戦バランスに起伏がないゲームは衰退しやすいのは事実なので、これもある意味で常套手段であると好意的に捉えるプレイヤーも多い。 ただし、これもお約束と言うべきか、そういう次元にない機体も一部に居る(後述)。 環境を支配した機体たち + サービス開始~1周年頃 ガンダム〈汎用・コスト600(*9)〉 言わずと知れた初代ガンダム。多くのガンダムゲームではスタンダードな基本機体として扱われているが、サービス開始当初のこの機体は文字通りの「白い悪魔」だった。 当時としてはあまりに高すぎる各種装甲値にビームライフル・バルカン・バズーカとスタンダードに強力な武装構成で初期の環境を蹂躙した元祖最強機体。とにかくステータスが高く、戦法はオーソドックスなので弱点と呼べる弱点がない。当時は多くのプレイヤーが初期機体やM1アストレイといった低コストの機体を使っていたということもあり、この機体の獲得までこぎつけたプレイヤーの優位性は圧倒的なものがあった。 マスタリーシートを防御系で固めた「青振り初代」の堅牢さは常軌を逸しており、ビームライフルの威力が基本威力の半分も出ないのがザラという有様だった。 ドロップの開始レベルが15からと遅く、ドロップ率も低かったのでパイロットレベル20でも初代の開発ができないというケースもあった。しかし通常ドロップ機体なので時間をかければ誰でも使えるようになるという点で、やはり他の機体と比べ入手難度は低かったと言える。そのため、サービス開始1~2ヶ月ほどで環境に初代が溢れかえることになる(*10)。 その後三ヶ月弱の間猛威を振るったが、2015/11/09のアップデートで青マスタリーとともに弱体化調整を受けた。それでもまだしばらくは環境に残り続けたのだから如何に初期の性能が狂っていたのかが分かろうというものである。 その後初代が環境から姿を消してしばらく経った翌年6月に今度はコストが600から500に引き下げられる調整が入り、それに合わせて更に性能も下方修正された。入手の容易さもあり、最終的には初心者向けのオーソドックスな汎用機体という立場に収まった。 ウイングガンダム〈急襲・コスト600〉 『新機動戦記ガンダムW』の前期主人公機。記念すべき本作最初のキャンペーン機体である。この手のオールスターゲームでは後期主人公機のウイングガンダムゼロが登場することが多くあまり日の目を見ないMSだが、本作では初期の環境を初代とともに蹂躙した凶悪な機体である。 初代ほどではないが非常に恵まれたステータスと、バスターライフルの圧倒的火力、そして当時は珍しかった飛行形態への変形機能が強みの急襲機。サービス開始当初はイージスガンダムと本機以外の可変機が存在せず、変形したこの機体に追いつくのは至難の業だった。 当時は起き上がりの無敵時間中に変形しても無敵時間が解除されない仕様で、しかもブーストが尽きても変形を維持できるバグまで存在したので、危なくなっても逃げることでどうにかなってしまう。しかも当時は中継地点でのHP回復速度がコストにかかわらず一定だったのでコストが高い本機も逃げて少し回復すればHP全快で戦線復帰ができた。 初代は中継地点にどっしりと腰を据えて戦うことで無類の強さを発揮するタイプだが、こちらは変形の機動力とバスターライフルの火力を活かした一撃離脱が得意なタイプ。攻めのウイング、守りの初代という形で棲み分けがされていた。 2015/11/09のアップデートで初代と同時に弱体化調整を受けたものの、HPと耐格闘装甲が少し減らされただけで肝心の火力と機動力は据え置きだった。青マスタリーが同時に調整されて大幅に弱体化した初代と違い、こちらの強みは健在だったのでしばらくウイングが本作の頂点に立っていた。 その後環境のインフレに伴って徐々に影が薄くなっていったが、翌年8月になぜか今更な下方修正を受けて完全に環境から姿を消した。初代と違ってキャンペーンが復刻されなければ新規入手ができないこともあってかなり長い間環境から姿を消していたが、2年近く経った2018/04/26のエピオンとウイングゼロの参戦と同時に性能が見直され、再びかなり強力な機体に舞い戻った。 キュベレイ〈汎用・コスト600〉 『機動戦士Ζガンダム』から登場するハマーン・カーンの愛機。同時に解禁された百式もそうだが、頻繁に行われる調整によって強さが乱高下した。アップデートに振り回された機体と言えるが、一時期のこの機体は間違いなく本作最強最悪のMSだった。 解禁当初は「ファンネルがいちいち障害物に引っかかる」「敵機に取り付いてから発射までのラグが長過ぎてかすりもしない」「機体サイズが大きいせいで避けたはずの敵の攻撃が当たる」と、とにかく散々な性能であった。 しかし2015/12/17のアップデートでファンネルの挙動が変更されると状況が一変する。ファンネルが障害物をすり抜けるようになっただけでなく、取り付いてから脅威的な銃口補正で敵機を追尾するように変更されてしまった。この当時のファンネルはほぼ正しい意味で必中であり、冗談抜きで勝つためならキュベレイ以外のMSを使用する意味がないと言い切れるほどの性能を有していた。初期の強機体はその未発達な環境ゆえに活躍できていたというケースも多いが、このキュベレイは「インフレが進みきった今の環境に持ってきても対処できない」と言われるほどの極悪っぷりである。 あまりにトチ狂った性能だったため、2015/12/28のアップデートですぐに修正されてようやく落ち着いた。だが修正後も慣れていないプレイヤーを狩る性能はやたらと高く、半年近く格下殺しとして一定の地位を得ていた。 その後ニューガンダムやサザビー、クシャトリヤといった多彩なファンネル持ち機体が登場したことや、度重なるサイレント修正で性能が安定しなかったこともあって使用者は減っていった。ファンネル機体のスタンダードとして長く使われた機体だが、運営の調整能力に恵まれなかった不遇の機体でもある。 ランチャーストライクガンダム〈支援・コスト500〉 バスターガンダム〈支援・コスト500〉 『機動戦士ガンダムSEED』から登場した砲撃機。どちらもサービス開始当初から居る機体で、設計図さえドロップすれば容易に開発・強化が可能。2機の武装構成は若干異なるが、暴れた時期と役割はほぼ同じなので纏めて説明する。 元々このゲームの狙撃系の支援機は「そもそも攻撃が当たりにくい」「攻撃の隙が大きすぎる」「鈍足なので寄られると詰む」という非常に扱いにくく苦しい立ち位置だった。2016年4月に解禁されたガンダムデュナメスはそういった問題点を払拭した良機体であり、既存の機体にもそういった調整を望む声が多くあった。そのお陰か5月にはランチャー、6月にはバスターに上方修正が入った。が、これがやりすぎていた。 900mというメイン攻撃の射程の長さはそのままに予測射撃完了時間と硬直とブースト消費を大幅に軽減してしまったため、汎用機の射撃がまったく届かない遠距離から高火力の砲撃を雨あられと降らせることが可能になってしまった。ミサイルやガンランチャーなどの近接自衛武装も軒並み取り回しが良くなったため近づいても迎撃されてしまうことも多く、複数機のスナイパーが居る戦場はあっという間に超遠距離の撃ち合いが勝負を決める泥仕合と化す。 特にランチャーストライクのメインは反動で仰け反らないので移動慣性がよく乗り、汎用機の間合いで撃ち合いをしていても汎用機側が一方的に負けるケースが多く非常に嫌われた。 本作は様々な環境の変遷を辿って来たが、その中でもこのランバス環境が一番辛かったというプレイヤーは多い。何しろ攻撃が届かない場所から一方的に狙撃されて蹂躙されていくので機体によっては文字通りの詰みに陥るのである。狙撃に対抗するために狙撃機が選ばれるようになるという負の連鎖が起こり、足回りの悪い狙撃機なのに3~4機採用がザラ、場合によっては全員狙撃機を選択することも少なくないという恐ろしく不毛な時期であった。 そして悲しいことにランチャーとバスターが強化されすぎたせいで狙撃系支援機の嚆矢的存在だったデュナメスは逆に立場が無くなり、この時期完全に姿を消していた。 このランバス全盛時期の2016年8月2日に丁度「バンナムゲームまつり」の生放送で本作が扱われ、開発スタッフチームと野良プレイヤーチームとの対戦が行われたのだが、開発スタッフはランチャーとバスターで固められた野良プレイヤー部隊に為すすべなく完敗した。この時スタッフが漏らした「ランチャーストライクって強いんですねぇ」というまるで他人事のような発言は、いかに開発スタッフのゲームバランスの認識が甘いかを象徴するものとしてよく引き合いに出される。 当のランチャーストライクはこの「バンナムゲームまつり」のわずか1週間後の8月9日に下方修正されている。 バスターガンダムはメインの取り回しの面でランチャーに劣っていたためか明確に弱体化されることは無かったが、その後環境がインフレするにしたがって数を減らしていった。立ち回りの柔軟性とトランザム時の瞬間火力で勝るデュナメスが上方修正によって再評価されたため、これ以降長い間環境から姿を消すことになった。 なお、2018/3/08のアップデートで2機とも環境のインフレに合わせた強烈な上方修正を受け、環境に舞い戻った。明らかに全盛期を超える性能を手に入れているのだが、周囲の凶悪化もまた著しいためあくまでも準強機体といったところ。とはいえ開発難度を考えれば破格の性能である。 ドム〈汎用・コスト400〉 『機動戦士ガンダム』から登場したホバー機動とジャイアントバズが特徴のジオン系MS。サービス開始当初から居る古株であり、設計図なしで開発できる一般機体である。当初は余程機体愛がある人しか使わないような完全な趣味機体だったが、2016/05/30のアップデートでバトオペNEXTの常識をぶち壊す上方修正を受けて一気に環境に溢れかえった。 強化を受けた箇所は多々あるが、最も大きな変更点はメイン攻撃のジャイアントバズがダウン属性からよろけ属性に変更されたことである。これによって本機は足が止まらない単発よろけ武装を手に入れ、一気に環境を支配した。 ……VSシリーズのプレイヤーは、え普通じゃん? と思ったかもしれないが、それまでこのゲームでは「ビームライフルなどの足が止まらない単発射撃武器は3回当てることでよろけが奪える」というものがほとんどであり、単発でよろけを奪えるのは支援などの多くが持つ足が止まる狙撃武器がほとんどだった。つまり周りの機体が必死にBRを刺し合っているところに、足を止めずにバズをばら撒いて掠っただけで追撃が確定する機体が現れたのである。何が起きたのかは言うまでもあるまい。 メイン以外の強化も極端で、サブ攻撃のシュツルムファウストの威力が80から一気に220に上昇するというぶっ飛んだ強化がされており、しかもなぜかリロードも大幅短縮されたのでメインを撃ち込んだ後の追撃択もバッチリ。しかもこの武装は衝撃属性で高コスト機体相手でもダメージが安定しているので格上MSだろうと普通に狩れるようになってしまった。 そして射撃戦が不利ならば接近だとメインの弾幕を潜り抜けて格闘戦を挑もうとすると、恐ろしい発生速度で前方180度以上の広範囲を焼き払う胸部メガ粒子砲が待っている。勿論これを受けるとバズとシュツルムによる追撃が確定する。今までのガンダムゲーでは大概飾りだった胸ぺカーがまさかの強武装である。 一応、ホバー機動が独特で慣れを要し空中戦に弱い点と、射程に難を抱えているので中距離以遠の射撃戦に弱い点は明確な弱点と言える。特に同時期に暴れていたランチャーストライクは天敵と言えた。しかしこのゲームの肝である中継地点における戦闘ならこれらの弱点は無視でき高コスト機体すらも蹂躙できたため、やはり完全にコスト詐欺としか言えない状況だった。 これほど強力にもかかわらず開発・強化に必要なのはすべて汎用素材なのでゲームを始めたばかりの新兵でも簡単に作ることができ、多くのプレイヤーに使われた。 しかし上述の弱点に加えてサザビーやニューガンダムといったホバー機動を狩れるファンネル機の解禁が向かい風となったのか、明らかにゲームバランスを崩しているにもかかわらず修正が大きく遅れた。結果的に半年もの間環境に居座り続けたが、2016/11/10にリックドムが解禁されるとともにそちらに合わせて大幅に下方修正されコスト相応の性能に落ち着いた。とはいえ同コスト帯では最後まで最強格だった。 + 1周年頃~2周年頃 ガンダムバルバトス(第4形態)〈汎用・コスト500〉 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の主人公機。解禁が丁度アニメ2期開始直前の2016年9月だったためか、恐ろしく優遇された性能で登場した。単純な性能・コスパで言うならばバトオペNEXT史上で一二を争うレベルのMS。 まずメイン攻撃の滑腔砲の射程が汎用機でメイン射程が最長だったシナンジュ(コスト700)の600mより長い650m。しかも前述のドムと同様の足を止めずに撃つ事ができる単発よろけ武装である。ドムのメインは一応射程という弱点を抱えていたわけだが、こいつに関しては他の機体よりも射程が長いのでまるで欠点がない。 そしてサブ攻撃のメイス投擲はチャージすることで力を溜めて威力が上がるという変わった武装。最大まで溜めた際の破壊力も勿論脅威ではあるが、この武装最大の強みはその異常な弾速と銃口補正にある。チャージしないで使っても単発よろけなので単純に優秀であり、チャージすれば更に強烈な誘導がかかるようになるためとにかく当たる。しかもこの武装も射程550mと普通の汎用機のメインよりも遠くまで届く。最大までチャージしてからいきなり別の敵をロックオンして投擲するという戦法も単純かつ強力で、アラートが鳴ったと思ったら超威力のメイスが着弾して即死というケースが頻発した。 特殊攻撃1のカウンターダッシュは前方に射撃ガードと格闘カウンター判定を出しつつ突進するというもの。ぶっ飛んだメインサブと比べると比較的地味だが敵機との距離を詰めるだけでなく安易な格闘暴れを狩ることもできるという強力な牽制択である。オーバーヒート時でも使用でき、格闘にキャンセルもできるのでかなりしぶとく戦える。 特殊攻撃2の回避行動は普通の性能だがむしろここまで武装が充実している上に弾数2の特殊回避まであるという点が問題で、カウンターダッシュも併せてブースト切れでも足掻きの選択肢があまりに豊富過ぎる。要するに攻撃性能だけでなく生存性の高さまでも一級品ということである。 総合して攻めも守りもコスト500不相応どころかコスト700機体よりも遥かに上という狂気の機体である。解禁当初はこいつ以外の機体には使用する意味がまったくないとまで言われた。理不尽さで言うと前述のキュベレイの方が上かもしれないが、単にファンネルが強かっただけのあちらに対してこちらは満遍なく壊れた万能機であるので総合的にはどっこいである。 完全に環境を荒らしつくしていたが修正が入ったのは2016/10/31と、実に1ヶ月半も放置されていた。しかもメインの射程が550mに、サブの射程が500mになりサブのリロード時間が1秒延長という非常にマイルドな調整だった。このアップデートからロックオンを切り替えるとチャージ段階がリセットされるようになったが、そもそもサブは1.6秒ほどで最大チャージになるので決定的な弱体化にはならず、修正後も立ち位置はほぼ変わらず環境のトップに居座り続けた。 なお、この間ニューガンダムやデスティニーガンダムといった従来基準で言えば十分環境トップになるであろう高コスト機体が次々と解禁されたが、それでもバルバトス一強を打破するには至らなかった。後継機のはずのガンダムバルバトスルプスも解禁されたが、そちらが第4形態の劣化扱いされる始末である(*11)。 結局2017/03/30にメインが2hitよろけに変更されサブの誘導が弱体化するまで、実に半年もの間このゲームを支配し続けた。この機体が暴れまわった半年間は丁度アニメ2期の放送期間だったため放送中補正とも言われているが、それにしても明らかにやりすぎである。なにより2期の主役だったルプスよりも暴れてしまったので、前述のランチャーストライク問題と同様に単なる開発スタッフの認識不足であるとの見方が強い。 なお、弱体化したとはいえ未だにコスト500帯では頭一つ抜けた強さを誇っており、高コスト機体とも十分渡り合えるためサービス末期まで多くのプレイヤーが使用していた。むしろコストバランスを考えるならば3度目の弱体化が必要とすら言われるレベルであった。 ユニコーンガンダム〈汎用・コスト700〉 『機動戦士ガンダムUC』の主人公機。本ゲーム初の700コスト機体であり、解禁は2015年12月とかなり古株である。 解禁後一年もの間、NT-D発動中のサイコフィールド(*12)の一発屋という扱いだったが、2016/12/16のアップデートで大幅に強化された。 ビームマグナムの当たり判定やNT-Dのリロードなど様々な点が改善され扱いやすくなったのだが、何よりとんでもない強化を受けたのが特殊攻撃1のビームガトリングである。この武装は、威力と銃口補正は良いが一度撃ち始めると18発撃ち切るまで一切身動きが取れなくなるという非常にピーキーで扱いにくいものだった。しかしアップデートにより弾数が2倍以上の40発になり、射程が600mに延長され、しかも任意で発射を中断可能になるという調整を受けるととんでもない極悪武装に変貌した。 バルバトスの項でも書いたが、射程600mは一番射程の長い汎用機の射撃がギリギリで届くかどうかの距離である。その距離から高火力のビームが強力な銃口補正はそのままに間断なく連射されるのだからたまったものではない。しかもユニコーン側はいつでも発射を中断できるので敵が近づいてきたらステップを踏むだけでいい。まさしくローリスクハイリターンのお手軽強武装である。 もともとユニコーンはNT-D時にはサイコフィールドで敵を圧倒できるが通常時は決定力に欠けるため今一つ高コストらしいプレッシャーに欠けるのが難点だった。しかし通常時でも使えるビームガトリングがその穴をバッチリ埋めてしまった形になる。 ただし、ユニコーンを見ていればどうにかなるというレベルなのでバルバトスなどの同時期に暴れていた強機体と比べるとまだ良心的な部類である。翌年3月にガトリングの射程が400mに短縮されてようやく落ち着いた。とはいえガトリング以外もかなりアッパー調整だったので、バンシィノルン登場辺りまでは一線級レベルの機体だった。 百式〈汎用・コスト500〉 キュベレイと同時に解禁された『機動戦士Ζガンダム』の機体。こちらもアップデートによる性能調整を頻繁に受けたが、キュベレイと違って強機体~厨機体の間を行ったり来たりしていたようなもので、安定して強力な機体だった。 高い耐ビーム装甲値と高回転率の特殊回避で敵の攻撃を凌ぎ、特殊な軌道の散弾「クレイバズーカ」で強引にダメージを取るのが強みの機体。このゲームの散弾武装は当て方にコツが要るので解禁当初は中堅機体程度の扱いだったが、徐々にその胡散臭い引っ掛かり方が知られてくると生存力の高さもあって「面倒な機体」の代表として扱われるようになる。が、この頃は火力の低さと扱いにくさからそれほど問題視されていなかった。 2017/02/22のアップデートで強烈なアッパー調整を受ける。ステータスの強化に加え、クレイバズーカの粒が増えて大幅によろけとダメージが取りやすくなった。特にダメージの伸びは強烈で、接射すると対実弾装甲の厚いCE系列のガンダムであろうとHPを半分以上もぎ取るのがザラという有様。弾数も2発から3発に増え、1発目はカス当たりで2発目でよろけたところに3発目でトドメ……というシーンが多々見られるようになった。 火力が上がったことにより、以前から据え置きの生存力の高さが無視できなくなってきたのも問題。先述の特殊回避は他の同種武装の半分の5秒でリロードされるという脅威の回転率を誇っており、とにかくヒラリヒラリと攻撃を避けまくる。そして無視しようにも高火力の散弾をばら撒きまくってくるというわけである。 散弾の火力が上昇したせいで拠点破壊もかなり早い部類になった。拠点の周りを回避でクルクルと回りつつ攻撃されると妨害するのすら一苦労。最悪の場合、拠点破壊を止めに行ったのに妨害できず拠点破壊を許す羽目になる。総じて単なる「面倒な機体」が「超面倒な上に鬼のように強い機体」になってしまった。 同時期にバルバトスが暴れていたこともあって環境のトップと言える程にはなっていないが、正面切って相対したときの厄介さでは全機体屈指だったと言える。バルバトス共々耐実弾装甲値が低いという弱点があったため、「百式やバルバトスに対抗するために百式やバルバトスを使う」というケースが多く、採用率は常に高かった。 2ヶ月ほどプレイヤーのヘイトを稼いだ後、2017/04/20に散弾の性能と回避のリロード速度にメスが入った。かなり大幅な弱体化が入ったものの上方修正された箇所もあり、500コストではバルバトスに次ぐトップクラスの機体である。 ガンタンク〈支援・コスト400〉 『機動戦士ガンダム』から参戦した支援砲撃MS。異様に硬い装甲、非常に長い射程、異色のキャタピラによるタンク挙動、と数多くのMSが参戦する本作の中でも特に異彩を放つ機体。サービス開始から実装されていたが残念な性能から趣味機体扱いだったという点はドムと同様。こちらは開発に設計図が必要だが、ドロップレベルが低くドロップ率も非常に高いので開発はとても容易。 元々は鈍足かつ攻撃性能もイマイチで、キャタピラのついた棺桶と呼ばれるほどの機体であった。ところが2017/04/07のアップデートで超大幅な強化を受け、低コストとは思えない程の性能を手にすることになる。……ドムの時から何も学んでいないのだろうか。 強化された項目はあまりに多過ぎるのだが、特にサブ攻撃の120mmキャノン砲の強化が極端である。射程が1100mに大幅延長・弾数が8発と倍以上に増加・ダメージ増・予測速度短縮・リロード短縮と、ありとあらゆる部分に強化を受けた。どれくらい強化されたかというと、この直前の3月にガンダムデュナメス(コスト600)にも強化が入っているのだが、そのデュナメスの強化されたGNスナイパーライフルよりも射程・威力・弾数・リロード速度・よろけ時間すべてが上回っている。オマケにこちらは曲射弾道で撃つ事もでき、障害物越しの攻撃が可能である。……開発スタッフは誰も疑問に思わなかったのだろうか? なお当のデュナメスが弱いわけではなく、そちらも修正後はかなりの強機体として扱われている。 このサブ攻撃で1000m以上先からシャレにならない火力の砲撃が可能になったことに加え、機動性が強化されたことで近距離戦もかなり高い次元でこなせるようになってしまった。元々装甲値がコスト不相応に高いこともあって中継地点に居座って固定砲台になるだけでも相当の脅威である。タンク挙動(*13)のおかげで中継地点の維持能力も恐ろしく高く、慣れたタンク乗りが死守しようものなら冗談抜きで中継地点が要塞と化す。 逆に高台に居座って広範囲を砲撃する戦法も決して無視できない。高い装甲値のせいで倒すのに時間がかかる上、倒してもコストが低いのでまるでうまみがないのが嫌らしい。 2017/06/13のアップデートでサブ攻撃の弾速・弾数・ダウン値が調整されて一応落ち着きはしたが、未だに面倒な低コスト砲撃機体という扱いを受け続けている。ただし格闘機に張り付かれることを極端に苦手としており、機動力は上がったとはいえど最低クラスなのでガード不能攻撃が有効と、弱点もはっきりしている機体である。 ダブルオーライザー(GNソードIII)〈汎用・コスト700〉 『機動戦士ガンダム00』の後期主人公機。登場当初からその強力無比な機体特性から瞬く間に環境を支配した機体。一時期は本機と後述のフルアーマーΖΖガンダムとシナンジュを合わせて3強と呼ぶことが多かった。 撃ち分け可能なメイン、集弾性の優秀なサブ、高火力な照射ビームの特殊攻撃1、回避行動つきのミサイルの特殊攻撃2と各種武装が非常に優秀。通常時も十分に強いが、本機はパイロットスキルとともに発動するトランザムによって真価を発揮する。 トランザム中は特殊攻撃1に広範囲を照射ビームで薙ぎ払う「ライザーソード」が追加される。恐ろしく高火力で、高コスト機体であっても即死しうる文字通りの必殺技。横に薙ぎ払えばステップを狩ることが可能で、縦に薙ぎ払えばガード不能効果つきと非常に強力。 また、トランザム中は攻撃モーションを取っていなければ敵の攻撃を受けても無効化して完全ステルス状態になる「量子化」も備えており、攻撃性能だけでなく生存性もピカイチ。まさしく万能と呼ぶに相応しい柔軟性を誇る機体である。 2017/08/03のアップデートで特殊攻撃2のGNミサイルがパイロットスキル「バーストシュート」のリロード短縮効果を受けなくなったが、そもそも短縮されていたのがおかしいだけでほとんど何も変わっていない。 2017/10/26のアップデートでGNミサイルのリロード延長、着地硬直の延長など多少の弱体化が行われた。微調整レベルの弱体化であり未だに十分第一線で戦える性能なのだが、この頃から強烈な性能の新規機体によって環境のインフレが加速するため、結果的に最強機体の座は退くことになる。 ゴッドガンダム〈格闘・コスト700〉 マスターガンダム〈格闘・コスト700〉 『機動武闘伝Gガンダム』の後期主人公機とライバル機。この頃より前の本作は全体的に格闘機が不遇気味のだったがこの2機は格闘属性の射撃武器「石破天驚拳」を持ち、ハイパーモードによる性能強化も持っているなど従来の格闘機と比べてかなり扱いやすい性能で登場した。が、解禁当初のこの2機が注目されたのは、それとは別にある一点でとんでもない性能を誇っていたということに尽きる。 問題となったのはゴッドガンダムのハイパーモード中前格闘、及びマスターガンダムの前格闘である「超級覇王電影弾」である。この技は発生こそ遅いものの全方向に射撃ガードを持った多段hitの突進技であり、MSに対して使用すると3hitで強制ダウンする。この多段hitという点が曲者だったのである。 本作の第三勢力や敵拠点といった巨大な攻撃目標はMSと異なり、攻撃のダウン値に関係なくいくら攻撃してもダウンすることがない。そのためこれらに対して電影弾を使用すると、本来3hitで強制ダウンするところをひたすらガリガリと多段hitし続けることになってしまった。ただでさえかなり高火力の格闘なのにもかかわらず一度の攻撃で10hit以上……つまり3倍以上の時間対ダメージ効率でHPを削るのだからたまらない。 格闘の威力が上がるパイロットスキル「バーストインファイト」を使って拠点を攻撃すれば10秒もかからずに拠点が破壊できてしまう。拠点にゴッドやマスターが接近したのに気づいてから妨害に向かうのではもう遅いのである。しかも電影弾には前述の通り全方向に射撃ガードがついており、妨害そのものがかなり困難。攻撃判定も最強クラスなので格闘で止めようとすると逆に轢かれる可能性が高い。 これまでもガンダムヘビーアームズやプロヴィデンスガンダム、Ζガンダムなど拠点を高速で破壊できる機体は何機か居たが、ゴッドとマスターに関してはもう次元が違う速さと言っていい。しかも妨害の困難さもトップクラスであり、従来の強機体たちとは全く違うベクトルのクソゲーを量産した。 解禁から約1ヶ月後の2017/07/16に電影弾の1hit辺りの威力が3倍になる代わりに多段hit判定が削除されるアップデートが入り、この問題は解決した。それでも機体としては上位クラスの強さを保っている。 フルアーマーΖΖガンダム〈汎用・コスト700〉 『機動戦士ガンダムΖΖ』の主人公機であるΖΖガンダムの追加装備換装形態。ΖΖガンダムとは違い飛行形態への変形は使用できず、フルアーマーΖΖ形態から増加装甲をパージした強化型ΖΖ形態へと一方通行の換装を行う機体である(*14)。 本機最大の特徴は増加装甲「フルアーマー」である。これには一定ダメージのビーム攻撃を無条件で防ぐ効果があり、ビーム兵器を主武装とする機体に対して強力なアドバンテージとなる。同様のビーム無効効果はクロスボーンガンダムX1フルクロスも持っているが、こちらはフルアーマー時と強化型時で武装構成自体が変化するパージ換装機体なのでまた毛色が異なる。また、ビームダメージの蓄積が一定以上になった場合、フルクロスは装甲が破壊されるのみだがフルアーマーは装甲をパージしつつ強制ダウンするという違いもある。 フルアーマー時はとにかく足を止めずにマルチロックのミサイルを撃てるのが強みで、強烈な誘導のミサイルをビーム無効装甲を纏った機体が延々と垂れ流すというだけでも大概の機体が不利を背負うことになる。マルチロックなので乱戦にも滅法強く、フルアーマーΖΖにロックオンされていなくても飛来したミサイルでよろけを取られて見合っていた他の機体にボコボコにされるというのもよくある話。 メイン攻撃のダブルビームライフルも高火力かつ照射タイプとの撃ち分けが可能なタイプで優秀。特殊攻撃1の腹部ハイメガキャノンは1発限りの撃ちきり武装だが、尋常でない火力と銃口補正によって高コスト機体でも油断すると消し炭になる。特殊攻撃2の増加装甲パージは任意で強化型へ移行するコマンドで、至近距離の敵をよろけさせる効果があるためビームが効かないからと格闘戦を挑んできた敵機すら見てから対処できる。……このようにフルアーマー時のこの機体はいわゆる押し付け性能に特化しており、乱戦もタイマンも拠点破壊もオールマイティにこなせる恐怖の機体である。 強化型時にはミサイルが特殊攻撃2に移動し、移動撃ちとマルチロックが不可能になる。ビーム無効もなくなるので幾分弱体化するが、ロックオンした敵機を集中攻撃したい場合はミサイルが散らずマルチロックする手間も省けるのでこちらの方が強力だったりする。 強化型の頭部ハイメガキャノンは威力こそ多少下がるもののリロードされるようになるため柔軟性という意味ではフルアーマー時よりも優秀。サブ攻撃が単発よろけのダブルキャノンとなることもあって、ハイメガは強化型の方がより能動的に狙っていけるようになる。総じてフルアーマー時よりも小回りが利く性質を得ており、ビームが効くからといって御しやすくなるかというとそうでもない。 2017/11/13のアップデートでフルアーマー時の装甲値の低下とミサイルの命中精度の低下、ハイメガの銃口補正の低下と強みだった箇所が軒並み下方修正された。十分戦える機体ではあるものの、最前線は退いた。 シナンジュ〈汎用・コスト700〉 『機動戦士ガンダムUC』のライバル機。登場したのは第2回ランクマッチとかなりの古株で、ユニコーンに次ぐ2機目の700コスト機体であった。解禁された頃は当時としては恵まれた性能であり、ビームライフル・頭部バルカン・バズーカ・特殊回避(パージ)と非常にスタンダードかつ強力な武装構成でトップクラスの扱いやすさと汎用性を誇っていた。しかし環境がインフレするに従って汎用性の高さよりも押し付け武装の有無が明確な強みとして認識されるようになり、尖った部分があまりない本機は段々と埋もれていった。 が、2周年を目前とした2017/07/18のアップデートで大幅な強化を受け、あっという間に環境トップクラスの機体へと返り咲いた。もともと扱いやすさには定評がある機体だった上に何度も復刻が行われているので開発しているユーザーも多く、現環境での使用率は非常に高い。 アップデートで脅威となったこの機体の強みはただ一つ、バズーカである。8発に増えた射程600ビームライフルや3回に増えた特殊回避など強化された部分は多々あれど、本機の怖い部分はどこかと聞かれれば一番はバズーカなのである。当たり判定の拡大と誘導の強化によって恐ろしく当たるようになったバズーカでダメージとダウンを奪っていく、という単純な戦法が鬼のように強いのだ。 アップデートで実弾補正が強化され、バズーカの威力も280と高かったのが更に上昇して300となっているので単発ダメージそのものがシャレにならない高さを誇る。乱戦でも単発でダウンを奪って枚数を減らせる本機は無視できないが、プロペラントタンクをパージする特殊攻撃2なども持っているので、うかつに殴りに行くとタンクの爆風で焼かれてバズーカで追撃されることになる。 ビームライフルとバルカンで戦って敵の硬直にバズーカという初代ガンダムの頃とあまり変わらない戦法で戦う機体だが、インフレしまくった現環境でそれが通用するということは如何に本機のスペックがぶっ壊れているのか分かる。 強力な実弾バズーカを持つおかげでフルアーマーΖΖにも強く、戦法そのものはシンプルかつスタンダードなので相性が悪い相手があまりいないのも強み。汎用性に長けた万能機体と言える。 2017/12/19のアップデートでバズーカの発生と回避のリロードが調整され、やや弱体化したが癖のない仕様ゆえに最後まで充分通用する機体だった。 + 2周年頃~ ダブルオークアンタ〈汎用・コスト700〉 『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』の主人公機。ランクマッチseason17の先行入手(*15)で開発可能だった機体である。先行入手限定機体は使用可能なプレイヤーが少ないため基本的に通常キャンペーンまで評価が安定しないことが多いが、この機体は戦場で遭遇しただけでほぼすべてのプレイヤーが壊れ機体であることを確信する常軌を逸したスペックを見せ付けた。 一定時間経過で使用可能になる「クアンタムバースト」で装甲をパージして一方通行の換装を行えるのが特徴の機体。通常時・パージ後どちらのどこを取っても恐ろしく高性能であるが、特にパージ後のスペックと理不尽さが印象深い。 通常時は回避つきのミサイルがなくなったダブルオーライザーといった感じの性能。特殊回避が無い代わりに「バリアを展開」「ビットを展開して攻撃」「照射ビーム」の三種の使い分けが可能なGNソードビットがその穴を埋めてお釣りが来る。この武装、これだけ汎用性が高い上に弾数3あり、リロードも11秒と悪くない。 このため、通常時だけでも他の700コストと同等以上に戦えてしまう。特にバリアのリロード時間に対する性能が脅威で、他の同種武装持ちに比べて生存性が恐ろしく高い。例えば当時のニューガンダムのフィンファンネルバリアで同等の防御性能を得ようとするとファンネルの弾数を8発以上消費する必要があり、実に2倍以上のリロード時間を要する。 パージ後は各種装甲値が下がる代わりに攻撃補正値が大幅に上がり、機動性が全機体トップレベルになる。装甲を捨てた形態であり、バリアも使用不可能なので生存性が落ちる……などということは無く、通常時以上の生存力を誇る本作最強最悪の機体が誕生することになる。 この形態の主な攻撃手段はサブ攻撃のGNソードビットである。性質はいわゆるファンネル武装に近いがビットが直接突撃するためか属性が実弾・格闘となっており、フルアーマーや射撃バリア系武装などを貫通して攻撃が可能。 この武装の恐ろしい点はその圧倒的な命中精度である。取り付くまでの速度、攻撃するまでのラグの少なさ、銃口補正、どれを取っても同種武装の中で最強と断言できる性能であり、とにかく当たりやすい。それでいて18発という潤沢な弾数と1発辺り2秒という超高回転のリロード速度で絶えず発射可能。これだけ高性能なのに射出時は足が止まらないので動き回りながら好きなだけ垂れ流すことができる。 参考までに当時のニューガンダムのフィンファンネルは弾数12で1発辺り3秒リロード。しかも射出時はしっかり足が止まる。その上命中精度はGNソードビットより遥かに低く、当然フルアーマーもバリアも突破できない。しかしこれでも従来の環境ではビット系武装で最強と言われていたのである。 そしてパージ後の最大の脅威は特殊攻撃2の量子ジャンプである。いわゆる特殊回避系の武装なのだが「入力直後から完全無敵かつ完全ステルスで高速移動し、その後も数秒間完全無敵&ステルス状態が持続する」という正気を疑う性能。簡単に言うと量子ジャンプを入力した瞬間にクアンタは敵の目の前から消失しつつ高速移動し、一定時間全く視認・接触できない状態で好きに移動できる。しかも空中に浮かないタイプの回避行動なので、接地した状態で使用すると不可視の高速移動をしつつブーストが回復する。控えめに言って意味が分からない。 ビットをばら撒いてから量子ジャンプで敵の視界から消えるだけでもノーリスクハイリターンの攻めが展開可能な鬼畜武装。これだけ高性能にもかかわらず弾数2で15秒リロードである。このため正面切ったまともな読み合いがクアンタに対してはほぼ成立しない。 総じて、パージによって発生する防御力の低下というデメリットが火力と機動力と武装性能の大幅な向上によってまるで機能していない。まさに「当たらなければどうということはない」を地で行く機体である。 パージできるようになる前に仕留めれば……という考えもパージ前の高性能ビットによる抜群の生存性で打ち砕かれる。弱点になるはずの要素が強烈過ぎる強みによって弱点になっていないのだ。 上記のあらゆる読み合いを拒否して一方的に他の機体を蹂躙する性能は先行入手機体と言えども問題があったらしく、解禁からたった1ヶ月後の2017/11/13に下方修正を受けた。先行入手期間終了から僅か12日という異例のスピードである。先行入手機体が通常解禁前に下方修正されたのは初であり、いかにこの機体の性能がおかしかったのかが分かる。 パージ後のソードビットの命中精度が大幅に落ち、量子ジャンプは撃ち切りリロードへ変更・移動時間と量子化時間が短縮され、若干だが理不尽さが緩和された。……しかし元があまりに強力すぎたので、修正後でも現環境トップクラスの性能であることに変わりはない。 そして2018年3月のキャンペーンにてついに通常解禁された。通常解禁に合わせてブーストダッシュの燃費が悪化する下方修正が入ったかと思いきや、同時にトランザムの持続時間が伸びる上方修正も入ってしまった。明らかに余計である。 現環境では全ユーザーに解放されたことで遭遇率が大幅に上がり、大幅に下方修正されたのが嘘のような暴れっぷりを見せた。その後周囲のインフレもあって一強機体とは呼ばれなくなったが、最後まで環境には居座り続けた。 ΖΖガンダム〈急襲・コスト600〉 『機動戦士ガンダムΖΖ』の主人公機。ここで取り上げている多くの他の機体と異なり、上方修正後すぐに環境で暴れたわけではなく注目されるのに時間がかかった機体。 本機が上方修正されたのは2017年の7月なのだが、この頃は直前のシナンジュ強化によりシナンジュ・フルアーマーΖΖ・ダブルオーライザーの3強時代が始まった直後である。ビーム無効という分かりやすい強みがあり、変形を除けば武装構成も似通っているフルアーマーΖΖの陰に本機が隠れてしまったのは致し方ない。2017年11月にフルアーマーΖΖが弱体化し、代役を求められた頃になってようやくこの機体が脚光を浴びることとなる。 基本的に武装はパージが変形に置き換わったくらいでフルアーマーΖΖと大きな違いはなく、この機体の強みは基本的にそちらに準拠したものである。というか「メインの撃ち分けが不可能」「サブ攻撃のミサイルで足が止まってしまう」「当然ビーム無効はない」と、変形を考えず中近距離戦をする場合はほとんど弱体化前のあちらの劣化と言って差し支えない。こちら独自の強みも多いが、はやりこの機体が注目されたのはあくまでもフルアーマーΖΖの弱体化ありきである。 火力の高いメイン、山なりの軌道で中継戦に滅法強いサブ、威力と銃口補正の優秀なハイメガと、戦闘においてはやはり優秀。そして変形による急襲・離脱・中継地点巡りをこなせるため対応力と汎用性が非常に高いのがポイント。 特にサブは上方の敵への命中精度が非常に高くマルチロックのために乱戦に強いため現環境でも非常に強力である(これを足を止めずに使えたフルアーマーΖΖがどれだけおぞましい性能だったのかという話でもあるが)。また変形時に使えるダブルキャノンは単発よろけで奇襲性が高く、そのままハイメガまで狙えるため火力の期待値が高い。 総じて高火力で中継戦や乱戦に非常に強い上に立ち回りの柔軟性が非常に高いため、最後までトップクラスの評価を受けていた。 ストライクフリーダムガンダム〈汎用・コスト700〉 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のキラの後期搭乗機。ランクマッチseason16の先行入手で登場し、ウィークリーミッションとMPストア実装と共にMPストアでの期間限定交換によって解放されるという変わった形で通常解禁された。 火力と機動力に特化した汎用機体。両手持ちで連結撃ちもできるビームライフルにダメージ効率の良いフルバースト、回転の速い緊急回避と扱いやすい武装が揃ってなお機動力がトップクラスに高い、という高コスト汎用機の理想系のような機体。これだけなら基礎スペックが高いというだけなのだが、この機体が凶悪なのはサブ攻撃のスーパードラグーンなのである。 自機の周囲に停滞させたドラグーンからマシンガンの如くビームを連射するNサブ攻撃が本機の真骨頂。このゲームのビット系武装は自機の射角と関係なく敵機を補足するという性質を持っているのだが、この攻撃はその恩恵を最大限に受けており、敵の真上や真下を取ることで相手の射角外から一方的に高密度の弾幕を張ることができる。端的に言うとユニコーンのビームガトリングが反撃を極端に受けにくくなったような武装である。足は止まるものの慣性は非常に良く乗り火力・リロードも申し分なく、この攻撃でよろけたところに両手持ちライフルによる高速マニュアル射撃を撃ち込めばダメージの上乗せも容易と隙がない。 加えてスキル発動時にはなんと足が止まらなくなり、動き回りながらドラグーンのビームを垂れ流すことが出来るようになる。バーストシュート発動時の攻撃の理不尽さは推して知るべし。機体によってはクアンタは何とかなってもストフリに対してはほぼ詰むというケースも多々ある。 非常に強力な機体ではあるものの、耐ビーム装甲値・耐格闘装甲値・機体HPが低め(とはいっても極端に低いわけではない)。高い機動力と回転の速い緊急回避があるのであまり問題にはならないが、火力のインフレした現在では即死する状況が多いのが弱点といえば弱点。とはいっても恐ろしく汎用性に富んだ強機体であるのは間違いない。 ガーベラ・テトラ〈急襲・コスト600〉 『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場したシーマの専用機。イベント期間中のウィークリーミッションで入手したMPに応じて設計図と強化プランが配布される特殊なキャンペーンで入手可能な機体。 ビームと実弾の二種のマシンガンを持つ高機動な急襲機体。出撃時に装備しているシュツルムブースターは特殊攻撃2の特殊移動を使い切った後でパージが可能になり、それによって形態が変化する一方通行の換装を備えている。 この機体の最大の脅威は特殊攻撃1のビームマシンガン(チャージ)である。ビームマシンガンから高威力の単発ビームを放つ武装で、バルバトスのメイス投擲やゴッドの石破天驚拳と同じく足を止めてチャージすることで威力が上がるタイプの射撃。そしてこの武装はこの手のチャージ攻撃としては型破りなチャージ速度と火力、何より圧倒的な命中精度によって瞬く間に環境を蹂躙した。 この武装、最大の3段階目までチャージすれば威力は380まで上昇する。しかもその最大チャージにかかる時間はわずか1秒弱。前述のメイス投擲は1.6秒、天驚拳は2秒以上を最大チャージに要することを踏まえると異様とさえ言える速さである。このチャージ速度に加え、チャージ武装特有のチャージ中のアーマーとダメージ軽減効果もしっかりついている。しかも銃口補正と誘導が全盛期のバルバトスを髣髴とさせるレベルで良いため、一瞬よそ見をしただけでとんでもないダメージをもぎ取られることに。 そもそもチャージしなくても威力260。この時点で同じコスト600急襲機であるΖガンダムのハイパーメガランチャーと同じ威力である。しかも最大チャージ以外はダウンでなくよろけなので追撃することでむしろ最大チャージより火力が伸びてしまう。おまけにチャージ途中の1段階目(チャージ時間約0.2秒~0.5秒の間)で撃つとダウン値が下がるという効果がある。この武装、この性能でなぜか弾数が2発あるので、チャージ1段目を2連射すれば威力500オーバーでダウン値を余らせるなんてことも可能。生半可な耐ビーム装甲値なら高コスト機体であろうとHP満タンからワンコンボで落ちる。 メイン攻撃のビームマシンガンは高威力かつ連射速度に優れ、中距離でバラ撒くだけでも強力。その連射速度によってチャージを恐れてガードする相手を容赦なく固めてガードブレイクに追い込むことも可能。サブ攻撃の腕部機関砲はよろけ値ダウン値が高く、近距離で有効。実弾なのでIフィールドやGNフィールド持ちの機体に対しても効果的。脇を固める二種のマシンガン武装のおかげでチャージ攻撃が弾切れでも十分戦える。そもそもチャージ攻撃自体が8秒で1発リロードされるので撃てない心配をすることも少ないのだが。 このゲームでは往々にして強力な機体は設計図や強化プランのドロップ率が低く、強化・開発の難度が高いことが多い。しかしこの機体は期間中にウィークリーミッションをこなせば必ずLv5まで強化プランが手に入るので、誰でも機動強化IIのOSまで開発が可能だった。このため入手のハードルが非常に低く、遭遇率もかなり高い。 一方で高火力高機動の急襲機体ということで当然ながら装甲値がかなり低めであり、ここが最大の弱点と言える。当たらなければどうということはない、と機動力を活かせるプレイヤーであれば機体の強力さを十全に発揮できるが、逆に回避がお粗末なプレイヤーが使用すると簡単に撃墜されてしまう。これはストフリなども同様だが、こちらは入手難度が低いがゆえに強機体でありながら地雷の可能性もかなり高い、というあまり歓迎されない状況になってしまっている。 解禁後1ヶ月も経たずに2018/04/26のアップデートで特殊攻撃1の威力と弾速、予測・誘導性能が弱体化した。さほど極端な修正ではなく、中距離以近ならば未だに高い命中率を誇るが、弾速が落ちたために距離があるとやや当たりにくくなった。奇襲性がやや下がったがその他の強みは健在なので充分強力な機体である。 ガンダムエピオン〈格闘・コスト700〉 『新機動戦記ガンダムW』のライバル機。当然だがいわゆる謎バルカンやスパークウインドなどなく、ビームソードとヒートロッドしか装備していないほぼ一切の射撃武装が存在しない完全な格闘機体となっている(*16)。 中距離以遠での攻撃手段が皆無と、この手のゲームにエピオンが参戦した場合の常ではあるが非常にピーキー。だがブースト速度が優秀で、アーマー状態で高速移動できる特殊攻撃2を持ち、格闘の伸びも良いなど、足回りに関してはすこぶる良好。 そしてこの機体の最大の強みはヒートロッドを上から叩き付けるレバー後入れメイン攻撃である。発生と踏み込みが恐ろしく速く、単発強制ダウンで威力250とダメージ効率も驚くほど良い。見た目通りリーチが非常に長いので普通の格闘と違ってバックステップで避けようとした相手には容赦なく刺さる。というか攻撃判定の太さも尋常でないので横ステップで避けようとしたのに刺さることもしばしば。その上この攻撃は格闘攻撃でありながらガードさせてもエピオン側が仰け反らないという性質があるので、ジャストガードでなければガードした瞬間エピオンのタックル(威力280)が確定する。この性質のため格闘でありながら格闘カウンターを取られてもエピオン側が仰け反らず、ブーストがあればカウンター攻撃を回避して安全に反撃することさえ可能。 総じて近距離における強烈な押し付け択であり、この機体が猛威を振るっている最大の要因である。リロードも4秒と恐ろしく速いため、エピオンと相対するときは常にこの武装を意識する必要がある。高回転かつ当てやすい単発ダウン攻撃なので枚数の有利を作りやすく、アーマー持ちでも容易に狩れるなど強みを挙げればキリがない。 後メインの理不尽さが印象深いが、それ以外にも通常格闘のモーションが3段格闘の割りに短く纏まっているので拠点破壊が非常に速いのも強み。また、特殊攻撃2の移動速度が急襲機の変形よりも速いので中継地点回りも十分こなせる。……など、ピーキーな武装構成と裏腹に、実のところごく汎用性に長けた強力な機体に仕上がっている。 バンシィ・ノルン〈汎用・コスト700〉 アニメ版『機動戦士ガンダムUC』に登場するユニコーンガンダム2号機の換装形態。リボルビングランチャーによって多種多様な武装を使い分けられるのが特徴の本機だがその性質を忠実に再現した結果なのか、はたまたバンシィ・ノルンという機体が背負った業なのか、とにかくとんでもない怪物が誕生してしまっていた。 まずこの機体の武装・スキルを軽く列挙してみよう。 メイン攻撃はユニコーンガンダムと同様、高火力かつ撃ち切りリロードのビームマグナム。後メイン攻撃でガンダム試作1号機フルバーニアンのようにビームジュッテ(格闘カウンター)に使い分けることも可能。 サブ攻撃は瞬光式徹甲榴弾、本作でいうとナイチンゲールのサブ攻撃が近いが、そちらと違って足は止まらない仕様。後サブ攻撃でギャンのものに似たマイクロハイドボンブに切り替えることが可能。 特殊攻撃1はΖガンダムのハイパーメガランチャーに似た単発高火力ビームのメガキャノン。後特殊攻撃1でHi-νガンダムやナイチンゲールのような曲げ撃ち可能の高火力照射ビームとしても使用可能。 N特殊攻撃2はダブルオーライザー(GNソードIII)の回避ミサイルのように回避行動を取りつつボップミサイルを放つ。レバー入れ特殊攻撃2でキマリストルーパーや前述のエピオンのようなスーパーアーマーと誘導切り付きの高速移動に使い分けることも可能。 後格闘はガトー専用ゲルググやガンダム試作2号機のようなシールドアタック。その2機のシールドアタックは1発限りで長めのリロード時間を要するが、ノルンのものは無制限に使用可能。 パイロットスキル発動時はジ・Oと同様のサイコフィールドが発生し、周囲の機体をスタンさせる。当然ユニコーンと同様のビームマグナムを所持しているのでここからの追撃マニュアル射撃の火力は本作最強クラス。 ここまで読めば大体察して頂けると思うが、この機体は他の機体にワンポイント存在する尖った強みや必殺武装などを全部乗せしたような機体である。というか武装の取りまわしや性能・弾数などがなぜか元の機体よりも向上しているものも多く、ほとんどの既存機体の上位互換と化してしまっている。 たとえばジ・Oはパイロットスキル発動でサイコフィールドを発動できる。(*17)ただし、ジ・Oはビームライフルの威力が低めなのでそこから追撃で落としきれるか微妙なケースも多く、ジ・O自体が生存力は高いが押し付け武装に欠ける機体のためそれほど問題視はされていなかった。だが、ビームマグナムによる最高クラスの瞬間火力と他にも多数の押し付け武装がてんこ盛りのノルンが同様の性能のサイコフィールドを手にしてしまっては、もはやバランスもへったくれもない。 そして何より酷いのが上述の後格闘である。元々2号機などが持っているシールドアタックは「突進中ガード効果あり」「攻撃中スーパーアーマーあり」「ガード不能効果付き」という三拍子揃った超高性能と引き換えに、弾数制なので一度回避されるとインターバルが必要となる欠点があった。ところが何を思ったかノルンにはそんな制限など全くない。それどころか2号機やガトーゲルググのものより遥かに威力が高く、ついでにビームマグナムとメガキャノンの存在から追撃火力まで圧倒的。ついでに他の格闘もタックルもその2機より遥かに高性能かつ高火力なので、弾切れだろうが関係なくダメージが出せる。 総じて強力な武装同士の相乗効果で完全に手がつけられなくなってしまっている機体であり、とんでもない汎用性と押し付け性能を誇っている。 3周年記念イベントと共に行われたランクマッチseason24で解禁されて多くのプレイヤーが獲得している上、人気機体ということもあって現状での遭遇率はかなり高い。 最終環境ではバンシィノルン・フルアーマーユニコーンガンダム・ガンダムバルバトスルプスレクスなどの強力な押し付け性能を誇る強機体がトップクラスの評価を受けていた。それらに対して、ストライクフリーダムガンダム・ガンダムエピオン・ダブルオークアンタを筆頭にジャスティスガンダム・ΖΖガンダム・Ζガンダムと言った移動・強襲能力の高い機体が脇を固める形である。また、トライバーニングガンダムなどの中継戦で胡散臭い強さを発揮する機体にも一定の支持があった。 全体的な性能の底上げもあって環境最上位機体には他の機体では手も足も出ないというほどではないが、上述した機体とそれに準じる一部の高性能機体を除くとかなり厳しい戦力差があったのは否めない。特にガンダムバルバトスルプスレクスなどは武装の性質上、数の有利がなければその他諸々の機体で勝つのは非常に難しかったため、いくらなんでもやりすぎという意見が多かった。 料金形態 『バトオペ』から据え置きの出撃エネルギー方式については「もっと自由に出撃したい」という意見が多い。 しかし出撃エネルギー方式によって対人戦の人口が特定時間に集中することを避けているという面もあり、マッチングの平易さを考えると一概に悪い点だけとは言い難い。 また、先述の「パーツ保管庫拡張チケット」「マスタリーシート追加チケット」「モジュールボード追加チケット」については批判が多い。 「パーツ保管庫拡張チケット」は1行(=10スタック)200円、1ページ(=100スタック)2000円とやや高額。運営期間が長くなるに従ってパーツの種類も増え、新規古参問わず必要性が増しているだけに無料で拡張して欲しかったという意見は多い。 これについては基本無料なのだから利便性のための課金はある程度仕方がないという意見もあり、難しい部分ではあるがある程度擁護はされている。 それに、あると嬉しい機能ではあるが、パーツ保管庫に関しては不要なものを売却すれば現状1ページでも十分やりくりできるので必須ではない。 一方、「マスタリーシート追加チケット」と「モジュールボード追加チケット」は保存できるパターンが増えるだけにもかかわらず1枚300円と恐ろしく割高。こちらに関しては批判意見が大多数である。 そもそもパーツ保管庫と異なりマスタリーシートもモジュールボードも何枠拡張しようが使えるのは結局1つだけであり、拡張してもいちいち組み替える手間が多少緩和されるだけ。しかも最大まで拡張したところで、それぞれ1200円かけて8パターンにしかならない。使う機体の種類によってはこれでも十分とは言い難く、結局は機体変更に合わせて組み替える羽目になる。 利便性のための課金としても費用対効果があまりに劣悪で、しかも十分な効果が得られるか微妙という残念極まりない事態になってしまっている。なまじこの金額と仕様で販売してしまっただけに値下げや仕様変更が絶望的になったという意味でも批判が強く、結局最後までこれらの問題が改善することはなかった。 第三勢力 スタンダードルールで一定確率で乱入してくる巨大モビルアーマーたちだが、これらを撃破した際にトドメを刺した側のチームが受けるボーナスがあまりにも強力すぎると言われることがある。 具体的にはスキルゲージが全回復し、更に30秒の間与えるダメージが2倍になるというもの。敵に第三ボーナスを取られてしまうと一気に試合をひっくり返される危険がある。 ボーナスを受けられるのが「トドメを刺した」プレイヤーの居るチームなので、頑張って第三勢力を削ったのにトドメだけ敵に掻っ攫われることもしばしば。これも理不尽だという意見に拍車をかけている。 ただしこれも含めて駆け引きであるという意見もあり、事実C地点付近では第三勢力の乱入も込みで戦略を立てるべきである。 また、乱入してくる機体によって撃破の難易度が違い過ぎるというのを問題視する声もある。 具体的には機体HPが低くIフィールドなどの防御手段もないサイコガンダムとアプサラスIIの撃破が簡単すぎ、逆に機体HPが高くIフィールドを持つシャンブロとビグ・ザムの撃破が難しすぎると言われる。 特に試合開始直後にサイコガンダムやアプサラスIIが乱入してきた場合、いかに素早くC地点にたどり着きそれを撃破するかで勝負が決まってしまうことも。 2017/10/12のアップデートで第三勢力にLv制が導入され、機体HPは統一されたのでこの問題は多少改善した。ただし、開幕で低Lvの第三勢力が乱入してきた場合の問題は解決しなかった。 オペレーターについて 本作ではオリジナルキャラクターのリサ・アリサワ(CV 上田麗奈)がオペレーターを務めており、メニュー画面からブリーフィング画面、戦闘中からリザルトまで常にボイスでアナウンスをしてくれる。 初期は重要なアナウンス程度しか喋らなかったが、アップデートでどんどんパターンが増えている。ゲーム起動時には季節に関連した特殊メッセージがあったりと現在でも新しいボイスは追加されており、初期とは比べ物にならないほど色々な状況で喋るようになった。 なおリサのデザインや声優の演技に関しては可愛いと評価が高く、これに関する不満はあまり聞かれない。 ただしリサのキャラクターは、クリスマスやバレンタインデーには自身のモテなさを自虐ネタにしたり、待機時間が長くなると居眠りするボイスがあったりと非常にポンコツに描かれている。このあざとさを受け入れられるかで評価が分かれるかもしれない。 また、あまりに頻繁に喋るため、パターンが増えたとはいえマンネリ化しつつあるとの評もある。 別のオペレーターに切り替える機能が欲しいという意見もよく聞かれる。だがボイスパターンが恐ろしく増えているリサと比べて見劣りしないレベルの台詞を収録する手間を考えると、現実的に考えて厳しいと言わざるを得ない。 アバターの衣装パターンは頻繁に追加されているのだから、せめてリサにも衣装変更機能が欲しいという意見もあった。しかしこれも、リサのビジュアルはガイドを呼び出すかデイリーミッションの表示くらいでしか出てこないので微妙である。 問題点 通信関連 先述の通り10人が同時に対戦するというゲームシステムだがP2Pで接続かつ非同期処理でゲームを進行させている。しかも当初はPS3とPS4の混合マッチングということもあって通信状態が不安定になりやすかった。 特に無線で接続するようなプレイヤーが居ると顕著で、機体の挙動が明らかに不審になる。酷いときは機体の位置がワープしたり第三勢力が地面や建物の中に埋没したりする。 また、自分と通信同期ができなかったプレイヤーが画面に表示されないでそのまま試合が始まってしまうことがある。味方が見えないと連携が取れなくて問題なのだが敵が見えないのは更に問題で、見えない敵に中継地点を奪われたり拠点を攻撃されたりすることになる。この現象はかなりの頻度で発生する上に未だに有効な対策がない。 上記の問題から完全同期式の通信にして欲しいという要望もあったようだが、実現していないことから10人同時接続でそれは現実的ではなかったのだろう(*18)。 このためいわゆるラグアーマーが強いゲームになってしまっており、わざと回線を絞ってプレイしたり無線で接続する悪質プレイヤーの存在が問題になっている。 現状回線強度の弱いプレイヤーを弾くオプションなどが無く、悪質なプレイヤーとマッチングしないよう祈るしかない。 これらの悪質プレイヤーは自分が不利になると回線を切断して試合を無効にしてくる類のプレイヤーであることも多く、始末に負えない。 戦友出撃 このゲームでは戦友と共にチームを組んで出撃することができる。 これだけなら特に問題はないのだが、戦友出撃をしても敵チームは野良プレイヤーの集まりなので戦友で組んでいる側が圧倒的に有利というとんでもない仕様が存在した。 本作ではマッチング時にルームホストが自動で決定され、そのルームに他の9人のプレイヤーが集まることでマッチングが成立している。戦友と出撃すると戦友チームで一つのルームができてしまうため、戦友対戦友が絶対に成立しなかった。 4人以下のチームでも出撃が可能なように野良プレイヤーをマッチングに混ぜるのは致し方ない部分もあるが、戦友チーム同士でのマッチングが成立しないのは対戦バランスとして問題である。 この仕様は2周年が迫った2017/07/31になってようやく修正され、戦友チーム同士がマッチングするようになった。 ただし、あくまで戦友対戦友が成立しうるようになっただけである。マッチング中の戦友チームが居なければ野良プレイヤーで空きを埋めてマッチングを成立させるので、以後も戦友出撃が有利であることになんら変わりはなかった。 掃討戦 前述の通り掃討戦は自軍コストが0になっても試合が終了せず、再出撃まで待機時間がかかるようになる。 この状況で敵を全機再出撃待ちの状態にすれば勝利なのだが、機体性能がインフレするに従って再出撃待ちの時間を容易に稼げる機体がどんどん増えてしまい泥仕合が増加する事態に陥っている。 特に回避ミサイルとトランザム時の量子化のせいで時間稼ぎを容易にこなせてしまうダブルオーライザー、パージ後の量子化によってそもそも見えないし追いつけないダブルオークアンタの存在が大きすぎる。 また、特殊回避3回と高い機動力に加えて近づこうとも反撃困難な位置から一方的なオールレンジが可能なストライクフリーダムガンダムや特殊移動と回避を併せ持つガンダムエピオンやガンダムバルバトスルプスレクスなどもやはり時間稼ぎが強く、これらに準ずるレベルの機体が居る場合の掃討戦は著しく不毛な戦いになる。 加えて先述の同期失敗出撃が掃討戦で発生すると、同期できていないプレイヤーが試合終了後も取り残され無効試合になるという致命的なバグが存在する(*19)。味方チームが勝利して「ありがとう!」「お疲れ様!」といった通信が飛び交う中一人勝利画面に移行できずに取り残され、そのまま無効試合になる寂寥感は筆舌に尽くしがたい。 これらの事情もあり、掃討戦はスタンダードルールに比べて非常に人気がなく集まりが悪かった。せめて同期失敗バグさえなければ気分転換にと選択されることも多くなりそうなのだが。 機体カテゴリ このゲームでは機体の特性によって汎用・格闘・急襲・支援の4種に機体を分類しているが、これも時たま批判の的となる。 そもそもロール戦などが存在するわけでもなく、あくまでこれらのカテゴリは機体の特徴をそれらしく分類しただけのもの。カテゴリ分けが重要になるのは現状「汎用で○回勝利する」といった類のミッションをクリアする場合のみである。これらのミッションのために機体を使い分けようにもカテゴリ毎に機体が偏り過ぎていて機体選択の幅が狭過ぎるという問題がある。 特に支援カテゴリの機体の少なさは致命的で、最終的に13機(バスターガンダムの訓練仕様を含めれば14機)しか存在しなかった。支援機は環境の上位に来るような強烈な機体がほぼ居ないこともあり、デイリーミッションで支援が指定されたときのガッカリ感は非常に強い。そもそもサービス末期にライトニングガンダムフルバーニアン・スターウイニングガンダム・ケルディムガンダムGNHW/Rが参戦するまで、イベント機体がガンダムヘビーアームズとガンダムデュナメス、そしてガンダムサンドロックの3機しかいない状態が1年以上続いていたのが根本的な問題である(*20)。 逆に汎用カテゴリは非常に多く、約半数を占めている。そもそもモビルスーツ自体汎用性のために人型になっている兵器なので汎用タイプが多いのは仕方ないが、せめてトールギスなどは急襲カテゴリに回せなかったのかと思わずにはいられない。 急襲は支援ほどではないものの絶対数はやや少な目。ただし機体性能的には粒ぞろいで不遇と言われることはない。 格闘はサービス初期こそ性能的に不遇だったものの改善し、サービス中期以降は定期的に強力な機体が登場していた。機体数もほぼ全体の4分の1と最もバランスが取れているカテゴリと言えるだろう。 また根本的な話だが、分類の基準自体もかなりあやふやで性能面が反映されていると言い難い。バンシィやトールギスIIといったコンパチ元とカテゴリを分けるために格闘機扱いにしたであろうものや、ガンダムサンドロックのようにカテゴリ機体の絶対数が少ないために支援に分類されたであろうものも居る(*21)。 ゲーム的にカテゴリ分けの必然性がないため、総じて蛇足的になってしまっている側面は否めない。 マスタリーシート マスタリーシートには戦闘自体に大きな影響を及ぼすものが多いということは先述の通りだが、一部の項目へポイントを振ることが半ば必須化しているのはよく問題視される。 特によく挙げられるのが緑の3段目にある「中継地点の占拠速度が上昇する」という項目。これはスタンダードルールで出撃するのであれば「ここに3ポイント振らないのはそれ自体が敗退行為」とすら言われる必須マスタリーである。 このゲームのスタンダードルールは基本的に中継地点の取り合いである。例えば味方プレイヤーと敵プレイヤーが1対1で同じ中立状態の中継地点を踏んだ場合、占拠力が釣り合っているためどちらの占拠状態も進行しない。だが仮に占拠のマスタリーにポイントを振っている味方チームのプレイヤーと振っていない敵チームのプレイヤーが同じ中継地点を踏んだ場合、1対1でもマスタリーによってより占拠力が高くなっている味方側の占拠が一方的に進行する。このため、同じ人数でも中継地点をより奪いやすくなるこのマスタリーに振るのは必須化しているのである。 味方チームが占拠した中継地点は被撃破時のリスポーン地点としても機能する。そのため、戦っている中継地点を味方が占拠しているかは味方機の復帰速度に関わり、前線の枚数に直結する。このマスタリーがあるかどうかが前線で押し勝てるかどうかを分けることになるので、よほどのことがない限りこの項目に最大の3ポイントまで振らないというのはありえない。 しかし、マスタリーシートは積み上げ式なので占拠に3ポイント振るというのは緑のマスタリーに最低でも11ポイント振るということを意味する。今のところ最大で31ポイントしかないポイントの振り分け方が事実上制限されているというのは問題と言えるだろう。 なお、中継地点が存在しない掃討戦ならばこのマスタリーに振る必要が全くないのでこの問題は解決する。ただし肝心の掃討戦が上記の有様なのであまり擁護できる状態ではない。 運営の対応 何度か挙がっているが、対戦の勝敗に関わる重篤な不具合を長期間放置しているケースが目立つ。段々と改善していってはいるが、対応が遅いという批判は多い。 この運営の姿勢が顕著に出たと言われるのが2015/11/12のアップデートである。この日からガンダムデスサイズとリーオーが開発可能になるガンダムWのキャンペーンが開始となったのだが、設定ミスでガンダムデスサイズの設計図のドロップ率が異常に高く、一試合で3枚以上ドロップするのがザラという状況だった。 これまではキャンペーン機体の設計図はドロップ率が非常に低く開発が難しかったので、このドロップ状況自体はプレイヤーたちには喜ばれていた。 が、この不具合への対応はこれまでの運営の腰の重さからするとあり得ないほどに早く、2chの本スレで異常ドロップの報告があってから1時間足らず、キャンペーン開始からでも僅か1時間半という驚異的な迅速さで修正された。 これだけなら迅速な対応というだけの話なのだが、このアップデートでは同時に「戦闘中のオペレーターのボイスが一定回数再生されると以後一切再生されなくなる」という不具合が発生していた。オペレーターは逐一細かい戦況報告をしてくれるので再生されないのは戦術的にかなり問題があり、何よりボイスなしだと戦闘中SEとBGMのみになり非常に寂しい。しかも一度この不具合が発生するとゲームを再起動しないとオペレーターのボイスは復活しないと、非常に面倒なバグだった。 このバグは公式インフォメーションで翌日に「現在このような不具合を確認しています」というアナウンスが入りお詫びとして備蓄エネルギー3個が配布された。が、それ以後パッタリと運営からの報告が途切れしばらく放置されていた。 結局ボイスバグが修正されたのはそれから1ヶ月以上経過した2015/12/17のアップデートである。デスサイズとリーオーのキャンペーンどころかその次の百式とキュベレイのキャンペーンすら終わり、更にその次のユニコーンのキャンペーン開始と共に修正という鈍足対応である。 同じアップデートで発生した不具合にもかかわらずこの対応の差は「不具合に寛容な運営だがプレイヤーが有利になる不具合は許さない」とよく笑いの種にされる。今ある多くの不具合も実は単に放置しているだけではないか、と運営の姿勢に疑問を抱く声がよく挙がるのはこの件によるところが大きい。とはいえ単に数字をいじるだけのドロップ率修正と発生原因と対策を考えねばならないボイスバグでは対応に必要な時間が違って当然であり、この件についてはまだ擁護の余地がある。 総評 バトルオペレーションのテイストを軸にガンダムVS.シリーズのシステムを使ってカジュアルなプレイングを可能にしたチームバトルアクション。 通信やマッチング関連に問題を抱えてはいるものの、3年以上もの運営で徐々に改善していった。 加速度的に環境のインフレが進んでいったが、一定のペースで強力なキャンペーン機体を解禁しており、新規プレイヤーでも比較的参入しやすいシステムであった。とくに課金要素には手を出さなくても十分遊ぶことができたことは評価できるポイントだろう。 癖の強いバトオペおよびバトオペ2と見事に差別化し、アナザーガンダムや外伝作品を交えたカジュアルなチームバトルというVSシリーズに近い路線で独自性を出していたことは特筆に値する。 なお、無印バトオペは正統続編であるバトオペ2がサービスを開始したが、本作の次回作は未定である。 余談 前述の通りタイトルこそ「バトルオペレーション」を冠しているものの、無印バトオペとは全くの別物である。そのため本作のサービス開始から2年近くの間、バトオペと同時並行で運営されていた。なお無印バトオペは2017年7月いっぱいでサービス終了している。 現在無印の正統後継作であるバトルオペレーション2が発表されていることからも分かるように、本作は正確には続編ではなく派生作品である。 PS3版は2018年6月28日にサービスを終了した。理由として、PS4の普及によってPS4版のプレイヤーが大半を占める状態が長らく続いていたことと、新たな機能追加や表現の向上のためにハードの性能を考慮した結果であると公式ブログで語られている。 なお、本作のセーブデータは完全にサーバー管理なので同一のSENアカウントでログインするだけでPS3版のデータをそのままPS4版に引き継ぐことが可能だった。 PS4版も2019年3月28日をもってサービスを終了。上述の通り次回作は未定である。
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超回転 寿司ストライカー The Way of Sushido 【ちょうかいてん すしすとらいかー ざ うぇい おぶ すしどー】 ジャンル アクションパズル 対応機種 Nintendo Switchニンテンドー3DS 発売元 任天堂 開発元 インディーズゼロ 発売日 2018年6月8日 定価 5,378円 プレイ人数 1~2人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 バカゲー ポイント 寿司を食べて戦う異色の対戦パズル変化球ながらも筋の通った世界観とゲームシステム対人戦のハードルは高め高難易度のストーリーモード 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 回転寿司をテーマにした対戦型アクションパズル。 「スシ」が至高の食べ物、ひいては貴重な資源として扱われている独特な世界観で、スシを食べまくり、食べ終わった皿をぶつけて戦う「スシバトル」が繰り広げられる。 ストーリー そこは、魚がいない世界。 地上で最も高い価値をもつ資源であったスシを巡り「第一次スシ大戦」が勃発。 勝利した帝国軍によってスシは独占され、戦争に敗れた共和国ではスシを口にすることはできなくなっていた。 両親と生き別れ、孤児院で暮らしていた共和国の少年「ムサシ」は、自分にスシの素晴らしさを伝えてくれた旅人「ユキチ」が帝国軍に連れ去られたことを受け、「スシライカー」となって戦いに身を投じることになる。 特徴 スシバトルの基本 スシバトルは、スシが流れる各3本のレーン+共通レーンを挟んで互いに向かい合った状態で行われる。 隣り合う同じ色の皿に乗ったスシをタッチorボタン操作で繋ぎ、離すと自動的にスシを食べ、皿がテーブルの上に積み上がっていく。 この皿を相手に投げつけて(シュート)攻撃していき、先に相手の体力を0にした方が勝利。 一度に皿を繋ぐことができる制限時間は7秒。これを過ぎる前にタッチ(またはボタン)を離さないと、スシは食べられずに消失してしまう。 たくさんの皿を繋げるほど一撃のダメージが大きくなる。 さらに、全て同じネタで繋げると「同ネタボーナス」で威力1.3倍となる。 また、同じ色の皿を連続してシュートすると「コンボ」となって威力がだんだん上がっていく。 皿のグレード 実際の回転寿司のように皿にはグレードがあり、「かっぱ巻き」や「たまご」はグレードの低い水色、「かに」や「うなぎ」はグレードの高い銀色などと分かれている。 グレードが高いほど攻撃力が高いが、レーンに流れる数が少ない。 普段は高級皿を取るより安い皿を大量に繋いだ方が強力になる一方、「スシまつり」(いわゆるフィーバー)中は高級皿が多く流れるため、一気にダメージを稼ぐチャンスとなる。 レーンに流れるスシネタは後述の「スシガミ」によって異なり、レベルを上げると高級皿の割合が上がるといった育成要素にもなっている。 スシガミとスキル 魚のいない本作の世界において、スシは「スシガミ」と呼ばれる生き物が生み出す存在である。 スシガミは50種類以上存在し、それぞれ出やすいネタの傾向が異なるほか、固有のスキルを持っている。 スシバトルの際は、契約したスシガミの中から3体のチームを編成する。 スシを食べるごとに(一度に食べた皿数は関係ない)スキルゲージが溜まり、満タンになるとスキルが使えるようになる。 スキルは、レーン上の皿の色を統一する「百連皿」、取るとしばらく動けなくなるワサビを相手レーンに紛れ込ませる「ワサビ大サービス」、相手レーンを急加速させて皿をつなぎにくくする「暴走特急レーン」など、それぞれ個性的。 スキルは組み合わせることによって相乗効果を発揮することもあり、威力を上げる「電撃シュート」と与えたダメージの分だけ回復する「ライフハンター」を同時に使って一気に体力を回復するといった芸当も可能。 スシガミの中にはレベルを上げると覚醒し、姿が変わるものもいる。 その他のカスタマイズ レーンドライブギア 短時間でより多くの皿をつなぐために、自分のレーンを加速させる道具。皿を繋がずにタッチしっ放しにすると自動的に発動し、タッチを離すと解除される。 速くなればなるほど多くの皿を繋ぐチャンスが生まれるが、制御も効かなくなりやすい。 レーンドライブギアには種類があり、あまり速くならない初心者向けの「リトルギア」、かなり速くなる「ハイパーギア」といったものから、加速は緩やかだが、一旦速くなればなかなか減速しない「ストリームギア」といったテクニカルなものもある。 こうぶつ それぞれのスシを通算で一定量食べると、該当するスシネタの「スシパワー」を獲得できる。 スシパワーを獲得したネタは「こうぶつ」として宣言できるようになり、ネタに応じた能力アップ効果を得られる。 カプセル ステージによってはカプセルがレーンに出現し、バトルの行方を左右する。 例えば「ボム」は、取ると相手に飛んでいってダメージを与えるが、取らないまま流れ去った場合は自分がダメージを受ける。 皿の脇に数字が書かれており、その数字よりも多く皿を繋いだ状態でないと取ることはできない。 モタモタしていると流れ去ってしまうため、先を読んで皿を繋げるコースを考える必要がある。 ゲームモード ストーリー ステージを順番にクリアしていき、帝国の打倒を目指す。 帝国軍は4人で1小隊となっていることが多いため、おおむね4ステージごとにイベントが入ってストーリーが進んでいく。 要所で特殊ルールで勝負を仕掛けてくる謎の男や、ライバル「コジロー」のステージもあり、ほぼ一本道ながら変化を感じられる構造になっている。 闘技場 オンライン対戦が可能。主人公とスシガミのレベルは30に統一され、出てくるネタもレベル30に準じたものになる。 カプセルありで勝ち数のみ記録される「バラエティバトル」と、カプセルが出ず勝敗でレートが上下する「ガチレーティングバトル」の2種類。 パズル道場 止まっているスシを全て取ることができた回数を競うモード。時間がなくなったり、取る順番を間違えてスシが余ってしまうと即ゲームオーバー。 一回のミスすら許されないが、出てくるスシの配列パターンは少ないので、繰り返し挑戦して覚えることが重要。 評価点 ぶっ飛んでいるが説得力のある世界観 「魚のいない世界」「スシにはなんの罪もねえんだ」と、序盤からパワーワードの連続。しかしながら声優陣の熱演も相まって、不思議なリアリティがある。 物語のジャンルはコメディだが、スシが原因の戦争で実際に犠牲者が出ていたりと、根底の世界観は結構重い。そんな中で純粋にスシを愛する主人公が、スシバトルを通じてさまざまな人と心を通わせていく姿は必見。 テーマは「食の大切さ」「みんなで食べることの楽しさ」で一貫しており、「寿司屋でネタだけ食べてシャリを捨てる」といった、実在する問題への風刺も含まれている。 ラスボスに至っては、回転寿司に行ったことがある人なら誰もが経験しているであろう「あるある」が人格形成に大きく関わっているという設定。戦闘で使用する技も色んな意味で"掟破り"であり、満を持しての登場に相応しい存在感を放つ。 高い戦略性 ダメージを増やす方法だけとっても「一度に大量の皿を取る」「コンボを繋げる」「高級皿で攻める」「単純に手数を増やす(*1)」と複数あり、それぞれの作戦を補助するスキルやスシガミ編成、レーンドライブギアが存在する。 工夫すれば上記の作戦を組み合わせたり、状況に応じて切り替えることも可能。 防御・妨害系のスキルは攻撃系よりも発動に必要なスシが多かったり、使いどころが難しいものが多い。しかし、ダメージ1.5倍、かつ高級皿が流れやすくなるフィーバータイム「スシまつり」を狙うことで妨害の効果が高くなり、相手の戦略を崩しやすいようになっている。 それを見越してあえて攻撃を前倒しする、さらにそれを予想して対策する…などといった駆け引きがスシバトルの大きな魅力。 流れる皿のランダム性が強いため、ただパズルを頑張っているだけではどうしても運ゲーになってしまう。相手の状況を観察し、効果的にスキルを使っていくことで初めて安定した勝利を得られるというゲームバランスになっており、奥が深い。 『ゼノブレイド』のように、スキル発動時や戦況が変わった時などにはキャラがよく喋る。このセリフに耳を傾けることで、パズルに集中しつつ状況を把握するテクニックもある。 ストーリーを通してスキルの使い方に気づく構成 ストーリー中の相手が新しいスキルを使用する際は、大抵バトル前のイベントで簡単に説明してくれるため対策を立てやすい。 自分がそのスキルを使えるようになるのは少し後であることが多いが、敵に使われた経験を活かして有効な発動タイミングが自然とわかる。 ストーリーが進み、苦戦しがちになる頃には手持ちのスシガミ(スキル)が増えているため、試行錯誤することで大抵の相手はレベル上げせずとも太刀打ちできる。 終盤になると複数のスキルの相乗効果を狙った相手も出てくるため、対人戦向きの編成を考える上でとても役立つ。 豊富なやりこみ要素 各ステージに3つあるお題をクリアして「スター」を集めると隠しステージに挑戦することができる。さらに隠しステージで手に入るアイテムを集めるとさらなる新マップがオープンし、その先で強敵と戦ったり、新たなレーンドライブギアを入手することが可能。ステージは全部で200以上。 各ステージで、スコアに応じてランクがつく。最高ランクのSを普通に取るのは困難を極めるが、自分の体力が半分になる代わりにスコアが1.5倍になる「しゅぎょうのおび」を装備すると難易度が下がる。1周目ではまず勝てない体力差になってしまうため、実質的な2周目要素と言える。 4人で1小隊の帝国軍は、1人ずつルールが異なっている。同じような戦いを連続ですることがないため、作業感を感じにくい。 1ゲームが短い 先述したように防御系のスキルの方が発動条件が厳しいので、長期戦に持ち込むより短期決戦が有効な状況が多い。 レベル30統一ルールなら長くても3分程度で決着がつき、サクサク次の対戦へ行ける。これはパズルゲームとしては珍しい特長。 ストーリーモードも、一度見たイベントを飛ばしてバトルに進めたりとテンポが良い。 賛否両論点 1人用モードの難易度がやや高い 主人公のレベルアップに対して相手ステータスの上昇が急激で、終盤になるとこちらの倍近い初期HPの相手とのバトルが普通になる。 スキルレベルについてはもっとインフレが激しく、さらに一部は開幕でスキル発動というこちらにできないことをやってくるため、理不尽さを感じることも。 相手の使用スキルは先に見えているので、「相手の戦略を見極め、その弱点を突く編成で戦う」ことを前提とした難易度設計であると思われる。うまく編成がはまり、相手を封殺することができればかなりの爽快感。 反面、好きなスシガミでずっと戦っていくといった遊び方は難しい。 どうしても勝てない場合は、じゅんびアイテム「ふっかつのまめ」という救済措置がある。が、これは確実に入手できる機会が限られているため、考えなしに使っていると本当に難しいステージで使えないということになりうるので注意が必要。 謎の残るストーリー + 終盤のネタバレ 「世界から魚がいなくなった理由」は説明されるものの、ムサシの母やラスボスが飛び込んで行方不明になった「スシゲート」や本当に謎のまま終わってしまった謎の人物「チャラオ」の正体など、依然として決着がついていない部分がいくつかある。続編での補完に期待したい。 ただし、後者に関しては謎で終わること自体が一種のネタになっているので、一概に悪いとは言えない。 問題点 対人戦と同じルールで遊べる一人用モードがない ポケモンシリーズの「バトル施設」のように、公平な条件で対戦が楽しめる一人用モードが用意されていない。そのため、対人戦を想定した検証や練習が非常に困難。 スシガミは各種1体しか入手できず、一度上げたレベルや使用した強化アイテムをリセットする方法もないため、対戦時に流れるスシのメニューや正確なステータスを知ることが難しい。 2022年現在はオンラインの過疎化が進んでおり、ランダム対戦で誰かとマッチングすることはほぼ絶望的。せっかくの対戦の奥深さを十分に楽しむ機会が限られているのは極めて口惜しい。 特殊レーンの説明不足 通常、スシバトルの3つのレーンの進行方向は互い違いになっているが、一部のステージでは3つのレーンが全て同じ方向に流れる特殊なレーンになる。 このレーンでは一度に多くの皿を繋ぐのが非常に難しい。 そのため、別の色の皿を挟んで繋げるようになる「マイウェイ食い」や、つみ皿を増やせる「いつの間に追加皿」、少ない皿数で威力を叩き出すための「高級ライカー」など対策スキルを用意しないと不利になるのだが… その辺りの説明が全くないので、対策に気づかないまま「皿をなかなか繋げられない、単にイライラするステージ」になってしまいやすい。 スシガミ強化に手間がかかる スシガミの育成要素の中で特に重要なスキルレベルは通常のレベルアップでは上がらず、ドロップアイテムの「スキルのおふだ」を使うか入手スシガミが被ったときにしか上がらない。 スキルにもよるが、中には最大まで育てるために大量の「スキルのおふだ」を要するものもあり、対人戦のハードルを上げている。 経験値は同時に5体まで(セットしたスシガミ3体+育成枠2体)与えられるのに対し、スキルレベルは1体ずつ地道に上げるしかない。なんらかの緩和策が欲しかったところ。 総評 「回転寿司」というテーマを取り入れることによって、今までに無い戦略性と爽快感を生み出す対戦パズルの新ジャンルを切り拓いた。 とにかくスシへの愛に溢れている ことを除けば王道を行くストーリーも魅力で、最初から最後まで楽しめる。 実際のところ、プレイヤー人口が少ないためゲームバランスや対戦周りの仕様の良し悪しは未知数。しかし、豊富なカスタマイズ要素をはじめとした対戦を盛り上げる要素を数多く備えているこのゲームは、さらなる発展に期待する価値がある一作といえる。 余談 当初は3DS版のみの発売が予定されていたが、Nintendo Direct 2018.3.9でSwitch版も発売されることが発表された。 Switch版は、任天堂タイトルのダウンロード版2本を9,980円で買える「2本でお得 ニンテンドーカタログチケット」の対象作品である。 ただ、7,000円台のソフトもある中、本作は『1-2-Switch』と同じく最も安いので割引率は低くあまりお得感はない。 有名寿司チェーン店「スシロー」とのコラボレーションが2018年6月8日より行われた。風変わりなプロモーションにより一部では注目を集めたが、Switch版は初週5,235本、3DS版は初週2,392本(*2)と振るわない形で幕を降りた。 Switch版はタッチ操作だけでなく、ボタン操作に対応している。 ボタン操作の場合、テレビ画面で遊べる、スティックを適当に回すだけで皿が繋がりやすいといった利点があるが、皿を繋ぐ起点を選んだり、シュートする皿を選ぶ操作は難しい。どちらが有利というほどでもないので、お好みで。 本作より後に発売されたSwitch用タッチペンを使用するとタッチの操作性の向上が見込める。この場合タッチがやや有利になるため、一考の余地はあるかもしれない。少なくとも「パズルバトル」モードは、ボタン操作での攻略は不可能に近く、タッチペンが必要と考えた方がいい。
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マジカルバケーション 【まじかるばけーしょん】 ジャンル コミュニケーションRPG 対応機種 ゲームボーイアドバンス メディア 64MbitROMカートリッジ 発売元 任天堂 開発元 ブラウニーブラウン 発売日 2001年12月7日 定価 4,800円(税別) プレイ人数 1~2人 レーティング CERO 全年齢(全年齢対象) 廉価版 バリューセレクション2006年2月2日/2,667円(税別) 配信 バーチャルコンソール【WiiU】2015年8月19日/702円(税8%込) 判定 良作 マジカルバケーションマジカルバケーション / 5つの星がならぶとき 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 概要 『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』のスタッフが旧スクウェアから独立し立ち上げた、ブラウニーブラウン(*1)の処女作。 非常に美麗なパステル調の2Dグラフィックスや、世界観、魅力的なキャラクターの多さなどから話題になり、1作目は日本国内のみで発売ながら20万本以上を売り上げた。 特徴 基本的に魔法を使って戦う戦闘 主人公含む自分のパーティは全員が魔法使いである。 パーティは主人公の通う学校のクラスメイトで構成されるのだが、クラスメイト15人中14人を戦闘で使用できる(1回の戦闘で出撃可能なキャラは6人) 残り1名はストーリー序盤のわずかな時期のみ加入のゲストキャラ的存在。 魔法の属性の数も多く、火、水等のメジャーなものから美、刃、獣など一風変わったものも多く全部で16種類の属性がある。さらに属性それぞれに相性がある。 ここは逆に言えば「多すぎてややこしい」という難点と表裏一体だが、戦闘中にいつでも相性を確認できる為ある程度緩和される。 得意な属性の相手に撃てばダメージが増加し、反対に苦手な属性の相手だとダメージが減る。但しそれ以上に気をつけなければならないのは、相手の属性と自分の魔法が同じ属性という場合。何と魔法でのダメージが1になってしまうのである。 + 属性とクラスメイトに関する、簡単な説明。長いので折り畳み 火属性 特に目立った特長は無いが、威力が高く使い勝手のいい攻撃魔法が揃う。 酸素として燃やしてしまうからか風属性に強いが、そもそも熱さを感じない古属性は苦手。 使えるクラスメイトは「キルシュ・ピンテール」決めるときは決めてくれる熱血バカな兄貴分。アランシアと幼馴染だが、現在はキャンディにお熱の様子。「カエルグミを消費してMPを全快する回復ポイント」を利用した際、ミミズグミを見つける事がある。 風属性 速さを上昇させる魔法が恐ろしく便利。但し、高位魔法を覚えるまでは威力不足に苦労する。 得意な毒属性は吹き飛ばしてしまえるが、苦手な火属性が相手だとよく燃える燃料にされてしまう。 使えるクラスメイトは「キャンディ・ミントブルー」おしゃべり大好きなクラスのムードメーカー。 …と思いきや、実はまさかのヤンデレ枠だったり。 本来はカエルグミを消費して消滅させなければならない障害物を、アイテム消費無しで消す事が可能。 毒属性 攻撃魔法の威力自体は今一つだが、毒の状態異常によるスリップダメージ蓄積は決して侮れない。 お姫様を毒林檎で眠らせるというおとぎ話のお約束からか美属性に強いが、風属性には吹き飛ばされる。 使えるクラスメイトは「カベルネ・チープトリック」パペット族と呼ばれる、心を持った人形の少年。1年前に故人となった兄を思い出すのか、最近塞ぎこみがち。パーティにいる間はフィールド上のカエルグミを捕獲できなくなる。一見不利益な特徴に思えるが…? 美属性 単体攻撃魔法しか覚えないが、あらゆる状態異常を回復する「ホワイトローズ」は美属性の特権。 刃で美しさは切れないからなのか刃属性には強いが、汚される毒属性は大の苦手。 使えるクラスメイトは「シードル・レインボウ」魔法のみならず詩文や絵画の製作にも才能を見せる芸術家だが、意外と現実主義的な言動が多い。とあるイベントを経て、テコでも動かないとされる障害物・桜文鳥を動かす術を習得する。 刃属性 何と魔法にも拘らず前列の敵単体しか攻撃できないという漢仕様。その代わり威力は絶大。 どういうわけか音属性に対して強い。音すら切り裂くという事だろうか? 一方その刃で切れない美属性を苦手とする。 使えるクラスメイトは「カシス・ランバーヤード」年齢不詳の例外数名を除くとクラス内最年長で、妙に世間慣れしている。面倒見のいいクラスのまとめ役。此方の持つカエルグミを捨てさせようとする刃の精霊と契約する際は、是非とも彼を連れて行きたい。 音属性 確率で当たった相手を眠らせ行動不能にできる。全体攻撃魔法を覚えれば雑魚散らしに便利。 衝撃波か或いは共振か、得意な石属性を粉砕可能。また、どういうわけか刃属性に弱い。 使えるクラスメイトは「アランシア・スコアノート」のんびりやだが時折鋭い指摘をする事も。キルシュと幼馴染で、彼がキャンディにお熱なのが面白くないようだ。罠宝箱の中から時々コインを見つける他、特定のアイテムを持っていれば音の精霊と契約しやすくなる。 石属性 味方の守りを上げられる…のだが、このゲームでは物理攻撃が不遇な為若干影が薄い。 質量で押し潰してしまうからか虫属性に強く、砕かれるからか音属性には弱い。 使えるクラスメイトは「ショコラ・クラックス」マッドマンと呼ばれる、石のような体を持った種族の少年(?)。 たー けー てー すー石を蹴って動かした際にミミズグミを発見できる他、後述する家捜しで貴重な能力成長アイテムを入手可能。 虫属性 相手の力を下げられる…のだが、このゲームでは物理攻撃が以下同文。単体攻撃しかできないのも痛い。 得意な木属性ならば食い荒らしてボロボロにできるが、石属性には押し潰される。 使えるクラスメイトは「セサミ・アッシュポット」キルシュを慕っている少年。クラス最年少の為か、珍しい虫を見ると全てを忘れて追いかけ回す悪癖あり。モンスターが潜む罠宝箱を識別でき、うっかり罠宝箱を開けてしまう前に警告してくれる。 木属性 攻撃魔法の威力は若干低いが、相手の精神(魔法防御)を下げる事がある為使いやすい。 植物が無ければ生物は生きていけないという理由から獣属性は得意だが、食い荒らされてしまう為虫属性は苦手。 使えるクラスメイトは「ピスタチオ・メイプルウッド」犬のような種族、ヴォークスの少年。怖がり・お調子者・落第寸前の成績と三拍子揃った劣等生(*2)。「無料でHPを全快する回復ポイント」を利用した際、カエルグミを見つける事がある。 獣属性 パーティ全員の全MPを集めてぶっ放す最強魔法「みんなのちから」を使用可能。しかし他の魔法はというと…。 得意な水属性なら飲み干してしまえる。木属性が苦手なのは上述の通り。 使えるクラスメイトは「オリーブ・ティアクラウン」否応無しに相手の心を読んでしまうという特異能力が原因で、人付き合いを苦手とする少女。うっかりミミズグミの隠れた穴を調べてしまった際に飛び出してくるモンスターとの戦闘を回避できる。 水属性 相手の守りを下げられるが、その真価は低消費、且つ早期に全体攻撃魔法を使用可能な点にある。 電気を分散させてしまうからか、それとも純水ならばほぼ電気を通さないからか、雷属性を得意とする。獣属性は飲み干されてしまう為苦手。 使えるクラスメイトは「ブルーベリー・レイクサイド」優秀な魔法使いの家系に生まれ自身も文句無しの優等生だが、病弱ですぐダウンしてしまうのを気にしている。特異な言語を使用する種族・ウォーターピープルの会話を理解し、人間の言葉に翻訳する事ができる。 雷属性 確率で相手をしびれさせる事が可能。全体攻撃魔法こそ無いが、攻撃範囲は広めのものが多い。 他作品では水属性に撃つと有効な事が多いが、このゲームに限っては「こうかはいまひとつ」なので控えるように。その代わり、古属性の古代兵器はショートさせられる為得意。 使えるクラスメイトは「レモン・エアサプライ」猫のような種族、ニャムネルトの少女。友達思いの姉御肌だが、若干…というか結構乱暴な言動が玉に瑕。その真骨頂は当たり屋の如く此方の通行を妨害してくるピラニアに絡まれた時。サクッと殺して撃退してくれる。 古属性 「いにしえぞくせい」と読む。古代の戦闘兵器を呼び出す魔法(?)で、相手の速さを下げる効果あり。 古代兵器は熱を感じない為、火属性の相手は得意。雷属性はショートしてしまう為苦手。 使えるクラスメイトは「カフェオレ・ラスティネイル」魔法学校の校長が骨董市で買ってきたという古代機械。他人に影響されやすいらしく、口調がコロコロ変わる。「特技」と言えるかは微妙だが、彼を外すと通れなくなる場所がある、あるイベントの発生までプレーン間の移動は彼のジェネレーターに頼る破目になる、属性の説明とは逆に砂漠を長時間歩くと真っ先に倒れる等、シナリオへの絡みも多い。 闇属性 シナリオ中では忌み嫌われる属性だが、相手からMPを吸収する効果がある為性能は極めて実用的。 光・愛以外の全属性に対して優位に立てるが、苦手な光属性にだけはその闇を切り裂かれてしまう。 使えるクラスメイトは「ガナッシュ・ナイトホーク」本来はえびふりゃーが好きな心優しい少年なのだが、自身の属性ゆえに人付き合いを避けたがる傾向がある。先述したストーリー序盤のわずかな時期のみ加入するゲストキャラ。その為か、他のクラスメイトのような特技は無い。 光属性 極悪な威力と効果範囲を兼ね備えた攻撃魔法を使えるが、その分燃費の悪さも極悪。 自身の光を持って切り裂く事が可能な闇属性を得意としている。苦手な属性が存在しない、事実上最強の属性。 使用できるクラスメイトは(主人公と隠しキャラを除くと)居ないが、担任であるマドレーヌ先生がそれらしき魔法を使用するシーンは存在する。 愛属性 全属性で唯一のHP回復魔法を使用可能。但しHP回復魔法は使う度にMPを全消費してしまうのでご利用は計画的に。 回復・補助魔法に特化している為か、それとも愛は全てを包み込むからか、属性の強弱には一切関係していない。 使えるクラスメイトは「ペシュ・ファーマー」愛の大使と呼ばれる種族の少女。真面目で世話好きなのだが、その健気な努力はしょっちゅう空回りしている。ミミズグミの隠れた穴を調べてしまった際、稀に精霊との契約に使うコインを発見する事がある。 毎ターンキャラのパラメータに応じてMPが回復するので、ある程度なら気兼ねなく魔法が使える。 精霊コンボというシステムにより、場に出ている精霊の数に応じて魔法の威力が上昇する。苦手な属性の精霊が場にいると精霊コンボが相殺されてしまう、相手の召喚した精霊を横取りできるといった要素によって、本作独自の駆け引きが味わえる。 あえて相手と同族性のクラスメイトをぶつけ、魔法による被害を最小限に抑えつつ相手の精霊コンボを徹底的に妨害する…といった戦法もある。 通信対戦 お互いに育てたパーティを使って、対戦を行う事も可能。勝率が高ければ、能力値を補正してくれる特殊な称号が手に入る。 ルールは本編中での戦闘ほぼそのままだが、幾つか対戦時限定の要素が存在する。 お互いに全員MP0の状態からスタートする。手数に関わってくる為、ターン開始時のMP回復に関わるパラメータはできるだけ上げておきたい。 ターン開始時に3体精霊が召喚される。召喚される精霊はランダムに選ばれる為、戦術に組み込むのは難しい。 ターン終了時に、召喚されていた精霊が全て消滅してしまう。1ターンの間で、いかにして精霊コンボを成立させるかがカギとなる。 最高の称号は全ての能力値を10上昇させてくれる。これは終盤の店売り装備品1~2個分とほぼ同等の補正。 但し、この称号を得る為には通信対戦を500回以上戦った上で無敗をキープするというとんでもない条件の達成が必要。八百長以外で手に入れたユーザーは居るのだろうか? アミーゴシステムという、別の同カセットと通信する機能による特典 いずれも必須ではないが、攻略や通信対戦が格段に有利になる。 「レッツアミーゴ」では相手のセーブデータの主人公をアミーゴとして登録する。 アミーゴが戦闘で使用する最大8種類の魔法を「極意」として装備し、自分の主人公やクラスメイトも使えるようにできる。 アミーゴの極意によって使えるようになった魔法は、極一部の裏技的な例外を除いてどれだけ使っても魔法レベルを上げる事ができない点には注意が必要。 「極意」を装備すると、そのアミーゴの属性が持つ耐性(と、弱点)を得る事もできる。同じ属性の極意を装備しても効果は重複しない。 主人公の初期属性と異なる属性の相手を始めてアミーゴ登録した場合、主人公が相手の属性のLv1魔法を覚える。 最初は精霊を1体呼ぶ程度しかできないが、使い続けていけばクラスメイトと同様の多彩且つ強力な魔法だって覚えられる。 「レッツおんせん」では相手セーブデータの温泉に入る事で、無条件でパラメータを上昇させられる。 このモードのみ、本編を進めて温泉を見つけないと解禁されない…のだが、温泉の位置は序盤も序盤なのであっさり解禁できる。 自分の温泉に一定の数だけ他のプレイヤーが入ると、お金を払ってより多くのパラメータが上昇する可能性のある温泉に改築する事も可能。改築しても喜ぶのは通信相手の方だが、より高い効果を持った温泉なら相手も快く通信に応じてくれる…だろう。多分。 よくゲームを扱った漫画で題材となる「楽しいが子供達をひきこもらせない、メーカーにもプレイヤーにもその家族にも嬉しいゲームを作れないものか」→「ゲームの中(作品の出来)と外(プレイヤー同士の交流)で何倍も楽しめる作りで大ヒット」という展開を体現しようとしたものと言えよう。 しかしこうした交流を促す仕組みの黎明期であるが故に、その試みは決して弊害の少ないものではなかった。詳細は後述する。 評価点 GBAの発売から一年も経っていないにもかかわらず美麗なグラフィック 概要でも触れたが、とにかく圧巻の一言。序盤のエリアである「ヴァレンシア海岸」で感動したプレイヤーも多い。 他にも「ミモレットの森」「レーミッツ宮殿」などはGBA後期と言われても違和感が無い。 但しシナリオを進めていくと、この美麗さ故に不気味さが強まってしまう一面や、進める場所を判別し辛いという思わぬ弊害もあるのだが。 『聖剣LoM』のスタッフが手掛けているだけあり、キャラクターデザインや雰囲気はかなりそちらと似通っている(*3)。キャラの顔グラフィックなど、PSの『聖剣LoM』にも劣らないほどに亀岡氏のタッチを表現しており、この点でもGBAの性能を発揮していると言える。 独特なシナリオ 主人公のクラスが臨海学校に来ていると、エニグマと呼ばれる生き物が突如現れクラスメイトと先生をさらっていく。それを助けに行くというストーリー。 最初に主人公の性別と、初期属性として15種類の魔法の属性のうち闇・光・愛を除いた中から1つを選んでスタートする。説明書には属性ごとに「初心者向け」「上級者向け」などの説明もある。 慣れないうちは「初心者向け」とされる火・毒・木・雷を選んでおけば、ほぼ間違いは無い。 ある程度システムが分かってきたら、仲間になるクラスメイトや戦うボス敵の順番に応じて属性を選ぶというのもアリ。 初めこそ順調に仲間が見つかっていくがエニグマの妨害や仲間の失踪などにより、出発点である光のプレーンから闇のプレーン、死のプレーンと徐々に闇の世界に足を踏み入れていくなど暗い世界観がある。 15人のクラスメイトそれぞれに魅力があり、彼らの会話は見ていて面白い。 亀岡氏の独特な絵柄とデザインも相俟って、どのキャラも『聖剣LoM』のキャラと言われても違和感が無いほど。主人公2人を見て『聖剣LoM』の主人公を連想した人もいる事だろう。 こんにゃくやパペットなど様々な種族の集落が各地にあり、それぞれに掟や習慣などがあり色々な所に行ってみたくなる。 本編中の難易度設定も実に絶妙。 きちんと戦闘をこなしてさえいれば難しすぎる事はないし、かといってレベル上げを怠ると要所要所で闇属性の強敵が登場するのもあって詰みかねない。 やりこみ要素が豊富 クリア後の隠しダンジョンが3種類存在している。メインである1つは50階までフロアがあり、さらに3段階から難易度を選べる。 また隠しキャラも非常に多い。隠し仲間が9人、隠しマジックドール(*4)が3体の合計12人。 レベルは999まで上がり、魔法それぞれに用意されている魔法レベルも99まで上がる。 フィールドの各地にワープポイントがセットしてあり、ワープポイントとしての登録さえしておけば戻る時非常に楽。 賛否両論点 シナリオの傾向・賛否両論点編 本作シナリオにおいて一貫しているメッセージは「失敗も成功もそれだけが全てではない、躓きだって巡り巡って自分の糧となる」というもの。 最初の臨海学校におけるマドレーヌ先生の台詞等、こうしたメッセージ性があからさまに透けて見えるシーンが結構多い。このスタッフからのメッセージを理解できるかどうか、理解できたとしても共感できるか否かでシナリオに対する印象が大きく変わる恐れがある。 よくあるRPGのような勧善懲悪・因果応報的な展開も決して無い訳ではないが、本作においてそのような展開によるカタルシスはまず期待できないと言ってしまっていいだろう。 + ネタバレ注意 クラスメイトの何人かがエニグマと融合してしまい戦う事になるのだが、そのうち一人のイベントが「ある時を境に好き放題場を引っ掻き回す上、他クラスメイトの心を抉る様な言動まで見せるが、最後に可哀想な境遇と必死に努力していた事を明かされる」という内容になっており、結果としてそのクラスメイトに対する賛否を強烈に分けてしまっている。 一応「エニグマと融合してしまうと負の感情が増幅してしまう」という理由付けはなされているが、クラスメイト同士の衝突もその後の和解も、全てが彼らの人生における糧となる…といった具合の俯瞰的な見方ができない場合、スタッフの依怙贔屓に見えてしまうのも致し方ない部分がある。 『聖剣LoM』を遊んだ事がある方には「エスカデ編の雰囲気」と説明すれば分かりやすいだろうか。 それもそのはず。本作のシナリオはエスカデ編と同じ人物が手掛けているのである。雰囲気が似通うのも自明の理と言えよう。 問題点 アミーゴシステムに存在する、割と致命的な問題 現在のWi-Fi通信のようなネットワーク環境がないGBAではリアルお友達と通信してアミーゴを集めるしかないわけだが、隠し要素は10人アミーゴを集める毎に開放される。前述の漫画で描かれるような「ソフトを発売して間もない頃の小学生達の間」とかはともかく、数年経って(*5)買った大人ゲーマーは今でも同じソフトを持っている相手が近所にいるか探す時点で既に困難である。それを10人も集める難度に関しては最早言うまでもない。 本作の主人公は条件を満たせば愛・闇・光の属性魔法を習得でき、更に闇・光の魔法を習得した場合は主人公の属性が習得した魔法と同属性に変わり、見た目も変化する。しかし闇の魔法を習得する条件は「別々の100人」と通信する事、愛の魔法は「別々の、自分と同じ属性を選んだ5人」と通信する事、そして光の魔法は(闇・愛を含む)それ以外の魔法を全て習得する事。要するに1人プレイのみではどうあがいても不可能なのである。 さらに3種類の隠しダンジョンのうち2種類は闇、光それぞれの魔法を会得していなければ侵入できない為、例によって1人プレイでは以下同文。 手間はかかるが、ゲーム機本体と本作ソフトを2個ずつ用意し、一人でアミーゴ登録→片方のデータ初期化を繰り返せば、もう片方のROMのアミーゴは100人にできる。 GBAが旧世代機と化して久しい現在、オリジナル版においてこの手段以外で全ての隠し要素を解禁するのは限りなく不可能に近い。 バーチャルコンソール版ではこの問題点が解消されている。詳細は余談の項目にて。 キャラクター性能に関する問題 魔法と比べると、キックやビンタなどの物理攻撃があまり役に立たない。精々、魔法が効き辛い一部ザコ敵の体力を削る程度しか出番は無い。 上述した理由故に、力のパラメータが事実上の死にパラメータになってしまっている。本作のコンセプトが魔法で戦うRPGなので、仕方ないといえば仕方ないのだが…。 勿論、物理攻撃が完全に役に立たないのかと言われればそうでもない。例えば序盤に登場する闇・光・愛属性の敵はまさに上述した「魔法がきき辛い敵」に該当している。極稀にしかエンカウントしない光・愛はともかく、闇属性の敵はボスの取り巻きとして出現する事が多く、1人位は力の高いキャラを入れておくとストーリー攻略が安定しやすい。 但し、あくまでもストーリー攻略において安定しやすいだけである。本腰を入れての隠しダンジョン攻略や通信対戦でのガチンコ対決を視野に入れるのであれば、必然的にMPや速さの高いキャラクターばかり入れた、似たり寄ったりのパーティ編成で戦う破目になるだろう。 前述した通り、本作ではゲーム開始時に主人公の属性と性別を決めるのだが、性別で男性を選ぶと力、守り、HPが高くなる。力は事実上の死にパラメータであり、魔法攻撃を仕掛けてくる相手が多い本作では守りも相対的な重要度は低い(*6)。 対して女性の場合は速さ、精神、MPが高くなる。このゲームは速さの高い順に行動するので基本的に速さは高い方が有利であり、精神は魔法攻撃に対する防御力で、魔法が主軸となるこのゲームでは非常に重要な能力である。MPについては言わずもがな。 このゲームの基準だと男主人公は弱キャラ、女主人公は強キャラに分類されてしまう。さらに主人公はパーティから外せない為、男主人公を選んだ場合は常に弱キャラをパーティに入れなければならないという破目に陥ってしまう。 フォローしておくと、男主人公は力や守りが高くなるタイプのキャラ中において魔法関連の能力値が比較的高く、自分で属性や魔法を決められるという点もあって魔法での戦闘がしやすい方ではある。…あくまでも弱キャラの括りの中では、だが。 精霊に関する問題 このゲームには精霊が各地に存在しており、それぞれの精霊に応じた条件を果たす事で契約できる。大抵の精霊は要求するアイテムを渡せば契約成立となるのだが、例外も存在している。その例外の中でも特に酷いのが愛の精霊「ウィッシュ」と契約する際の条件で、それまでに獲ったカエルグミの数、およびカエルグミを一度でも購入したか否かによって契約できるかが決まってしまうのである。 カエルグミは道端やダンジョン内など様々な場所に分布しており、さらに捕獲すれば回復アイテムとして使用できる為序盤では何も考えずに獲ってしまう場合が多い。そうでなくとも各地の店で普通に売られている回復アイテムの為、知らずに買ってしまったユーザーも多い筈。 1匹でもカエルグミを獲ってしまうと、或いは一度でも購入してしまうとそのセーブデータでは愛の精霊をコンプリートできなくなってしまう。攻略情報無しの初見プレイでは精霊コンプリート不可能と言っても過言ではない。一応序盤でそのような伏線が有るが、情報を得る場所が分かりにくい上、さらに意味も分かりにくい。 さらに、序盤イベントでどうしても1回はカエルグミを捕獲しなければならない。 これはカエルグミ捕獲がストーリー進行に必須なイベントとなっている為。捕獲直後に現れる傷ついたクラスメイトにカエルグミを渡せば、捕獲数をゼロに戻す事ができる。 当然クラスメイトにカエルグミを渡さずイベントを進めてしまうと、そのセーブデータでは以下同文。 トドメとばかりに終盤には「カエルグミが大量に存在し、さらに触れただけでカエルグミを捕獲できてしまう」という特徴を持ったダンジョンまで存在する。本作スタッフはそんなに精霊コンプリートをさせたくないのか。 さらに上記の愛の精霊の問題をクリアしても、光の精霊「ルクス」と闇の精霊「ニルヴァ」の問題が存在する。 光の精霊は、それまでに契約した闇の精霊の数によって契約できるか否かが決まる。闇の精霊と2体以上契約していると契約できなくなってしまうものも多い。 闇の精霊と契約するには、精霊が呼び出したモンスターとの戦闘に勝利する必要がある。これだけならまだいいが、問題は精霊が出現する条件。カエルグミを一定数以上捕獲しないと出現しないのである。最後の一体に至っては何と1000匹捕まえる必要がある。ここまでくるとプレイヤーに対する嫌がらせとしか思えない。 さらに最後の光の精霊及び闇の精霊は前述の光、闇それぞれの魔法の習得が義務付けられている隠しダンジョン内に存在している。通信環境がなければそもそも精霊コンプリートは不可能である。 以上の点から、精霊コンプリートを狙うのであれば まず通信プレイの為の環境を整える → 序盤から終盤にかけてカエルグミ無捕獲無購入縛りプレイし、全ての愛の精霊・隠しダンジョン以外の光の精霊6体と契約する → 別々の100人との通信を達成して闇属性魔法を習得し、主人公の属性を「闇」にする。同時にカエルグミを1000匹捕獲 → 闇属性魔法の習得が必須の隠しダンジョンに入り、そこにいる闇の精霊と契約する → 全ての魔法を覚えて光属性魔法を習得し、主人公の属性を「光」にする → 光属性魔法の習得が必須の隠しダンジョンに入り、そこにいる最後の光の精霊と契約する → その後残り全ての闇の精霊と契約する …という何ともややこしいプレイングを求められるのである。 精霊に関する問題はまだまだある。具体的には刃の精霊「スラッシュ」と美の精霊「パウダー」の2体。こいつらは契約する際に、手持ちの回復アイテムを捨てるよう要求してくるのである。 刃の精霊の方は、特定のクラスメイトをパーティに入れておけば捨てたカエルグミをこっそり回収してくれる。後々の回復アイテム所持についていちゃもんを付けられる事もない。 美の精霊は輪をかけて性質が悪い。MP回復アイテムであるミミズグミを一定数以上所持していると契約できない上に、後々ミミズグミを一定数所持すると「今すぐミミズグミを全て捨てるか、自身との契約を解消するか」の二択を迫ってくるのである。当然、契約解消した場合再契約する手段は無い。 厄介な事に、他の精霊の中には「ミミズグミを一定数以上捕獲すると出現する精霊」「契約の際ミミズグミを要求してくる精霊」が存在している。精霊コンプリートを狙う場合はこれら他の精霊と先に契約を済ませておき、美の精霊との契約は後回しにするのが楽。 なお、隠しダンジョン攻略や通信要素を全て度外視してもよいのであれば、本編中で使い手が登場しない光属性(ルクス)、および使い手が序盤にゲスト参戦するだけの闇属性(ニルヴァ)の精霊との契約は一切行わずとも全く問題ない。 ウィッシュやスラッシュ、パウダーなど他属性の精霊についても、ストーリー本編であれば最大16倍の威力上昇を見込める4体程度で十分。精霊コンプリートは他作品における「全メンバー最強装備」「全ての技を習得」といったやり込み要素に近い位置づけとなっており、本編攻略には然程影響を与えない。初めて本作をプレイする際は、契約した精霊の数をあまり気にせず楽しむ方がいいのかもしれない。 実際、作中のとある場所において「精霊が7体集まらなくても気にするな」「愛の精霊との契約にこだわらないほうがいい」というアドバイスを聞く事ができる。本作スタッフも精霊コンプリートの難度の高さを認識し、それに対して不満意見が出る事を予想していたらしいが、それならばもう少し手心を加えて欲しかった。 シナリオの傾向・問題点編 本作は徐々にシナリオが暗くなっていく流れがある。 鬱イベントが多いものの基本的にはどれも救いが残されており、そこまで酷くはない。しかし中盤になって訪れるマサラティ村のイベントは中々にきついものがある。 + シナリオのネタバレあり、閲覧注意! イベント自体は「とある病気にまつわる迷信と、それによる差別・偏見」が引き起こす問題に主人公たちが巻き込まれる、という内容となっている。 迷信の詳細は「とある少年の父親が病気にかかって命を落とした。その病気は悪魔にかかる不治の病であり、その病気にかかった男の子供もまた悪魔である」というもの。 これだけでも病気で父親を亡くした少年の傷口に塩を塗るような腹立たしい内容だが、その真相は「病気の特効薬が危険な場所にあり誰も取りに行く勇気が無く、しかし薬を取りに行けなかったという事実を認めたくないがためにかつて存在した迷信を引っ張り出して親子に責任転嫁した」というもの。当然ながら親子には微塵の非も無い。 主人公達が上記の真相を聞かされた後、差別を受けていた少年が「村長の娘が悪魔の病気にかかった」と嘘を吹き込まれ、病気の特効薬である薬草を取りに行く事になる。主人公達の助太刀もあって無事薬草を手に入れられたのだが、結局少年は「村長の娘に薬草を渡す」のと引き換えに村を出て行ってしまうのである。 その後、病気になどかかっていない村長の娘が事情を知り、少年の後を追って旅に出る事になる。 このイベントの何が酷いかというと、他の村でのイベントとは異なり「迷信に基づく差別と迫害」という根本的問題がこれっぽっちも解決に向けて動かない(*7)上、少年に嘘を吹き込んだ張本人に対しては一切お咎め無しという点。確かに現実でもこの手の迷信や差別は解決の難しい問題ではあるのだが、何もここまで徹底的にやらんでも…。 その人物に話しかけると、少年から「村長の娘に必ず渡して欲しい」と託された筈の薬草を何の感慨も無く渡される。この時点で彼に対して明確にどす黒い感情が芽生えたプレイヤーも決して少なくはないだろう。 一応、救いも存在してはいる。主人公の選択次第では、村を出た少年と村長の娘をとある場所で無事再会させる事ができる。 この為、よりにもよって最序盤のイベントでありながら例外的に救いの見当たらない内容となっているトルーナ村の方がきついと漏らすプレイヤーも、少数ではあるが存在している。 戦闘システムの問題 戦闘で精霊コンボを使う事により魔法威力が上昇するのだが、その上昇幅がとんでもないインフレを引き起こしてしまっている。 精霊コンボとは場に出ている同種族の精霊の数に応じて威力を上げるシステムなのだが、精霊が1体増える毎に魔法の威力が倍になる。 このゲームには精霊を2体同時に出すダブルコールの魔法が存在する。速さを調整してやれば「主人公、及び主人公と同族性の仲間の内より速い方がダブルコール、然る後攻撃魔法」という手順を踏めば、最低でも4倍の威力を叩き出せる。マジックドールを活用すればより高い倍率も狙える。 更に前述のアミーゴシステムを使えば、本来1種類の魔法しか使えないクラスメイトでも別属性の魔法が使えるようになる。これを活用すれば「速さを高めた他5人でコール魔法を連発し、最後に行動する1人が攻撃魔法」という手順で通常の128倍という世紀末レベルの威力を持つ攻撃魔法を、相手に一切妨害の隙を与える事無くぶっ放す事だって可能なのである。勿論そこまでにかかる手間も尋常ではない為、ロマン砲の域ではあるが。 主人公達が臨海学校で乗ってきたバスを家探しする事ができるが、これによって手に入る温泉セットは全て揃えると全てのパラメータに大幅な補正がかかる為、バランスブレイカーとなる可能性がある。 しかもバスと合流しさえすればコマンド一つで家捜し可能となる為、その気になれば序盤にセットを全て揃える事も可能。但し正攻法で温泉セットを入手できる確率は結構低いので、何度も家捜しを繰り返す根気か、奥の手である乱数調整に手を出す覚悟のどちらかが必要となるが。 取り返しのつかない要素の存在 光・闇・愛の精霊の他にも、プレイング次第で取り返しがつかなくなってしまう要素は比較的多め。 光属性魔法を習得し「光」の魔法使いになってしまった場合、闇属性魔法の習得が必須の隠しダンジョンには二度と入れなくなる。 闇属性限定ダンジョンにいる敵の図鑑登録や隠し仲間加入、さらには闇の精霊との契約を行わずに光属性になってしまった場合、そのセーブデータでは諦めざるを得なくなってしまう。主人公の属性を変える際は注意しておくように。 隠しキャラの何人かは、一度手順をミスしてしまうとそのデータでは二度と仲間にならない。 上述した闇属性限定ダンジョンにいる隠し仲間の他、難易度を選べる隠しダンジョンのボスを倒すと仲間になるキャラも厄介。最初に最低難易度でボスを倒した場合、二度と仲間にできなくなるのである。 当然だが、隠しキャラはパーティが5人以下でないと仲間にできない。うっかり6人パーティで条件を満たしてしまい、一度しか仲間にするチャンスの無い隠し仲間を逃してしまうと泣くに泣けない。 メニュー画面から、成績表という形でプレイングの評価を見る事ができる。のだが… この評価においては「対モンスターの勝率」「仲良くなった(=契約した)精霊の数」「HPが尽き気絶した回数」など、一度ケチがついてしまうと取り返しがつかなくなる要素の比重がかなり高め。一度でもモンスターとの戦闘から逃走したら最高評価はまずありえないと考えてよいだろう。 幸いにして、評価が影響するのは自分の温泉の改築パターンのみ。通信をしないのであればそこまで気に病む必要は無い。 評価が高ければゆっくり浸れないんじゃないかと思う位に豪華な外観の温泉に改築する事も可能。逆に評価が低いとまさかのドラム缶風呂コースに。 基本は評価が高い状態で改築すれば、より効能の高い温泉となる。しかし、これはあくまで有志の検証に基づく非公式情報だが……何らかの設定ミスが原因で、本来高評価で改築する程より高くなるはずの効能の設定が逆になっており、より高い効能を狙うのであればむしろドラム缶風呂の方が良いのではないかとする報告が存在している。……信じるか信じないかは閲覧者次第。 総評 知名度は他のメジャーどころのRPGに劣るものの、荒削りながらも面白味のある戦闘と、GBA初期とは思えない美麗なグラフィック。 独特でありながらも魅力的なキャラクターとストーリー等、評価点は多い。 やり込み要素も、通信必須のものや取り返しがつかないものこそ多いが中々に骨太な内容となっている為「王道から外れたRPGを遊びたい」人にも、「徹底的にRPGを遊び倒したい!」という人にも安心してお勧めできる作品である。 目玉でもあったアミーゴシステムの欠点は擁護し辛いが、しかしこうした試行錯誤の積み重ねがNintendo Switch Online等の「プレイヤー同士の交流を促す仕組み」の発達に繋がっていると考えれば、中々に感慨深いものがある…と言えなくもないか。 その後の展開 現在でも中古ゲームを取り扱う店を探せば、格安で本作ソフトを入手可能。ゲーム機本体とソフトを2個ずつ買って一人で隠し要素を楽しむ事もできる。 勿論、相応の手間と時間はかかるが…。 本作で誕生したアミーゴシステムだが、あろうことか本作で見られた問題点がほぼ据え置きの状態でブラウニーブラウンの次作品にも採用されてしまった。 解禁されるのが本当に欲しい人だけ解禁すればいいようなオマケ要素程度でしかないのがせめてもの救いか。 公式サイトには本作の前日談が漫画として公開されている。リンクはこちら。 本編と同じタッチの絵でギャグ漫画調なのでなかなか新鮮である。 2006年6月22日にDSで続編『マジカルバケーション 5つの星がならぶとき』が発売された。 詳細については当該記事を参照されたし。 2015年8月19日にWii Uでバーチャルコンソールが配信開始。 ハードの制約から通信機能を使用できないが、セーブデータがある状態でタイトル画面内の「つうしん」を選択すると、オリジナル版で通信機能を使用しなければ得られない以下の効果を、VC版でも得る事ができる。 主人公の属性が「闇」になる。 すでに習得している魔法と光属性魔法を除いた、全ての属性のLv1魔法を習得する。 中々外部出演の機会に恵まれない本作であったが、『大乱闘スマッシュブラザーズX』にて漸く「男の子(本作の男主人公)」「女の子(本作の女主人公)」「キルシュ」が登場を果たした。…シールとして、ではあるが。 その後に出た『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』においても「マジカルバケーションの主人公(男女両方)」「こんにゃく様」と、続編から「カフェラテ」がスピリッツとして登場している。
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log/ショパン/夜想曲あなたのオススメ盤は何ですか?記入例)カラヤン上等記入例)カラス命
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ドラゴンクエストヒーローズI・II for Nintendo Switch 【どらごんくえすとひーろーず わん つー ふぉー にんてんどーすいっち】 ジャンル 3DアクションRPG 対応機種 Nintendo Switch メディア ゲームカード 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 コーエーテクモゲームス 発売日 2017年3月3日 定価 8,800円(税別) プレイ人数 1~4人 レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 良作 ポイント DQHシリーズ2作カップリング ドラゴンクエストシリーズ 概要 追加要素 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 DQシリーズキャラが集結して共闘するお祭りゲー『ドラゴンクエストヒーローズ』シリーズ2作を Nintendo Switch 向けにカップリングし、過去の全DLCと追加要素を収録して移植したソフト。 同ハードのローンチタイトルとして発売された。 各作品の特徴についてはオリジナル版の記事DQH1、DQH2を参照のこと。 追加要素 追加要素はDQH2が主であり、その要素について述べる。 DQ4よりライアン参戦 戦士タイプで、全ての特技がMP0という特徴を持つ。そのため特技を途切れさせることなく連発できる強みを持つが、パッシブスキルでMPを上げないとパーティコンボは使用不可という欠点を併せ持つ。 1人で自身の攻撃力・守備力アップ+怯みづらい、相手の攻撃力ダウン、HP回復技を持つ万能タイプ。 ホイミンは出てこないが代わりにホミロンに懐かれており、特技を出す時にそばによってきたりする。 後半でホミロンを護衛するときにもホミロンを呼べる。ホミロンが2匹同時にいるのはちょっとシュールかも。 DQH1で追加されたピサロと違ってストーリーにも絡んでくる。 アリーナ・クリフト加入のあとになるので、最後に仲間入りするキャラとなる。 ライアンに関するクエストも追加された。 迷宮ボスにDQ2よりシドー追加 竜王と同じく、パワーアップ版のシドー・強とシドー・極も登場する。戦闘内容も竜王と同じく強は純粋な強化版で、極はアトラス・バズズ・ベリアルなどの仲間を加勢させてくる。 その他、進化の迷宮のバトル地点も20ほど追加されている。 アクセサリーのしんぴのカードとしんぴのカード改の強化に必要なアイテムが変更された。 エスターク、竜王、シドーを倒すと「○○(魔王の名前)の涙」というアイテムが貰えるので、それを使って強化する。必要個数はいずれかの涙2種類から1個ずつとなっている。 封印システムが追加。入手ごとに変わるランダム効果の候補を減らすことができる。何らかの効果を強化したカードを解体すると、強化した効果の封印の素が入手でき、一定数溜まるとその効果が付与されたカードを入手せずにすむ。もちろん封印の解除も可能。 とうぞくのはな追加 自分に対して宝物がどの程度の距離にあるのかをHD振動で知らせてくれるシステム 初回特典のシリアルコードで、主人公2人用の『ドラゴンクエストII』の主人公のコスチュームがもらえる。 評価点 全体的なバランス調整 特にDQH1で不評だった点が大幅に修正されている。例を挙げると 必殺技の演出をオプションで短縮可能に 素材を自動取得するようになった ホイミストーンを一度で全て充填可能になった 錬金アニメーションを見たあとに、会話を終了せずに続けて錬金窯を使えばアニメーションをカットできるようになった。 小さなメダル1枚で交換できる「女神の救済」が追加(バトル敗北時に使用することで、リトライ時の難易度が下がるアイテム) と多岐にわたる。特に素材の自動取得は大きく、大幅に快適になっている。 DQH2においても武器熟練度の緩和など、全体的にオリジナルより遊びやすくチューニングされている。 難易度も防衛対象の被ダメージが減っており、難易度の緩和が図られている。こちらも特にDQH1で顕著。 HD振動対応 Switchの目玉機能であるHD振動にロンチでありながら対応。メタルスライムを斬った時の硬い感触などが表現されている。 振動するポイントも増加している ムービー中やルーラで頭をぶつけた時、必殺技使用時などにも振動するようになり、臨場感が高まっている。 据置機と携帯機のいいとこ取り 本作の、というよりSwitchの特性だが据置機としてでも、携帯機としてでもDQHを遊べるようになった。一作目を携帯できるのは今作のみである。 DQH2ならば、PS4とVITAのセーブデータをPSNにアップロードし、データ共有をすることで同じことができたが、本作ならSwitch1台で可能でより手軽にプレイできる。 後述の賛否点にもなるが、グラフィックの質自体は低くなく、それを携帯できるというのも大きい。 賛否両論点 グラフィック面 最上位のPS4版と比較した場合、背景グラフィックなどは大幅に簡素化されている。拠点であるゼビオンなどは明白なレベル。 携帯モードの際はプレイヤーキャラクターの影がカットされるなど、細かいところでもさらにグラフィックを削って処理を軽くしている。 一方でキャラクターモデル自体はPS4版並みにあり、総合的なグラフィックの質はPS4>Switch>PS3>VITAといったところ。 PS4と比較すれば質は劣るが、PS3版、Vita版以上の質の画質を維持しつつ携帯できるというメリットがある。どちらをクローズアップするかで評価が分かれるところである。 DQH1に追加要素がほぼない その分前述したような細かい点がDQH2準拠に改良されて遊びやすさが断然向上している。 従って「DQH2のおまけにDQH1が付いてくる」ような状態であり、DQH1をプレイする意味が薄れている。 片方のクリアセーブデータがあればもう片方の作品に何らかの形で追加要素として反映される要素でもあればプレイするモチベーションが上がったと思うのだが。 ライアン参戦について ただでさえ参加人数の多いDQ4からさらに追加され、ブライ以外は全員参戦という事態に(*1)。 他のシリーズから未参加で人気のあるキャラは多いだけに、さらにDQ4からの追加に関しては賛否の声もある。 上記の件を踏まえて、1をやる必要性が薄くなってしまっている 追加要素が2に集中している上に、当然ではあるがシステムも2の方がブラッシュアップされており、加えて2で不参加であるアクト、メーア、ビアンカ、フローラ、ヤンガス、ピサロに関しても限定的ではあるがオンラインオフライン問わずプレイアブルキャラクターとして操作出来る。 よほど1のストーリーやシステムの方が気に入ったので無ければわざわざ1をやる必要も無い。 価格の高さ カップリングとはいえ8,800円(税別)は、発売当時で既にPS4版のDQH1・2両方を合わせた中古価格を上回ってしまっていた。 PS版からの追加要素に加えてSwitch独自の追加要素、どこでもプレイできるという本体の特徴もあるので、そこに上乗せされた価格分の魅力を感じるかによって評価は変わるだろう。 問題点 フレームレート低下 PS4は上限60fpsだったが、SwitchはPS3版やVita版と同じく上限30fpsになっている。 ただ常時30fpsというわけにはいかず、敵が多く密集した中で大技を使うなどするとfpsが下がり、ガクガクになることもある。 特に携帯モード時は据置モード時以上に安定性が落ちる。 ハード性能の割にオブジェクトの数はPS4版並にあり、ハードの研究が不充分な状況においてロンチタイトルとして移植されたため、やや最適化不足の面が目立ってしまったといえる。(*2) 現在3度にわたるパッチが配信されており、発売当初よりはfpsが安定する場面は増えている。 総評 既存作品の再発売であるため、既にオリジナル版を遊びつくすほどやりこんだという人には魅力はあまりないかもしれない。 一方で、単なるベタ移植ではなく細かい部分で更に遊びやすく調整されている他、他機種での追加コンテンツも全て収録済みで、『2』のみではあるが新規要素も追加されている。DQHシリーズをプレイしたことがない、DQHが好きで更にやり込みたいという人には十分おすすめできる。 特に家でも外でも自分のプレイスタイルに合わせて遊べるSwitchの恩恵は大きいため、PS4版などの最上位のクオリティで遊びたいというこだわりが特にないのであれば、こちらを選ぶのもよいだろう。 余談 他のNintendo Switchでパッケージソフトとして売り出されたロンチタイトルが軒並み2016年の頃から存在が明かされていた中、本作はSwitch発売のわずか1ヶ月半前に行なわれた「Nintendo Switch プレゼンテーション」で突然発表された。 詳しい内容はこの日には明かされなかったものの、次の日行われた体験会では実際に試遊することができ、また同時に配信されていた生放送にて追加要素などの説明が行なわれるという、かなり電撃的な発表となった。 この日のプレゼンで新たに発表されたパッケージソフトでのロンチタイトルは、他には任天堂の自社ソフトである『1-2-Switch』だけである。 Nintendo switchのゲームカードは必要に応じて8GB、16GB、32GBという容量に応じた種別があるが、下記のFF X/X-2までは32GBカードを採用しているソフトは今作しかなかった。 他のゲームで16GBを越える容量の場合は「ダウンロード専売にする」「パッケージ版だが追加データをダウンロードさせる」という手法が多い。大容量ゲームカードはコストが高いのかもしれない。(*3) なお2019年には『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』のSwitch版が32GBカードで2本分ソフトを収録して発売された。 なお、Switchのストレージ容量は32GB(*4)であるため、ダウンロード版を購入しようとすると別途市販のmicroSDカードの購入が必須である。 本体OSなどにも使われるため、正確な容量は約26GBである。今作のダウンロード版容量は約26.8GBなのでギリギリ入らない。 そもそもSwitch本体内蔵ストレージは主にセーブデータを保存するためのものであり、ゲームデータをインストールするのには向いてない。
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サイバーナイト 【さいばーないと】 ジャンル ロールプレイング 対応機種 PCエンジン メディア 4MbitHuカード 発売元 トンキンハウス 開発元 コンパイル 発売日 1990年10月12日 定価 6, 800円(税別) プレイ人数 1人 判定 なし ポイント 全体的に独特なシステムゲームバランスはもう一歩 概要 ストーリー システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 移植・その他の展開 概要 『ソード・ワールド』や『ロードス島戦記』などのテーブルトークRPGで知られる「グループSNE」が企画・シナリオに参加した、未来の宇宙を舞台にしたロールプレイングゲーム。メカニックデザインには『機動戦士ガンダム』で有名な大河原邦夫氏が携わっている。プレイヤーは宇宙戦艦「ソードフィッシュ」のコマンダー(指揮官)となり、戦闘時のトラブルにより宇宙のはるか彼方へとワープしてしまった戦艦を、生き残ったクルーたちと共に地球へ帰還させるのが目的となる。 ストーリー A.D.2352年。傭兵部隊の宇宙戦艦ソードフィッシュは、任務中に宇宙海賊からの奇襲攻撃を受けた(*1)。激しい戦闘により機体は損傷し、キャプテンを始めとしたクルーにも多数の死者が出てしまった状況で、主人公であるコマンダーは、危険を承知の上で、空間を飛び越えるジャンプ・ドライブの使用を命じた。機体の損傷により座標が定まらないままジャンプした戦艦は、地球から約28,000光年離れた銀河系の中心へと移動してしまう。わずかに残された6名の戦闘員を含む23名のクルーは、果たして生存する事は出来るのか、地球へと帰還することは出来るのだろうか……。 システム SFを軸としたRPGだが、その多くが独特のシステムを擁しているため、具体的に説明していく。 ゲームの進行 基本的には戦艦で恒星・惑星を移動→惑星を調査し着陸→「モジュール(いわゆるパワードスーツ)」を装着しての惑星内の探索・情報収集、あるいは敵の殱滅、重要アイテムの獲得→シナリオの進展により恒星・惑星を移動の繰り返しとなる。 戦艦(ソードフィッシュ)での行動 戦艦ではコマンド選択式の行動となる。戦艦内は5つのブースに分かれており、各所で様々な行動を行える。 ブリッジ恒星・惑星間の移動や惑星の調査、着陸を行う。ストーリーが進むにつれて戦艦の性能が上がり、移動範囲は広がっていく。 恒星は7×7マスの地図上に散らばっており、計26の恒星内には、さらに複数の惑星が存在する。惑星は様々な要素で出来ており、生命体が確認できて着陸可能なものはごく僅かである。 ラウンジ戦闘員のデータ閲覧や、出撃するメンバーの入れ替えができる。5名の戦闘員キャラクターから1~3名を選んで出撃チームを編成するのだが、その際に必ず主人公1名が含まれていなくてはならない。 なお、シナリオの進行状況によっては、必ず連れて行かなければならないメンバーも存在する(後述)。 ラボ敵との戦闘により手に入る「トレジャー」を解析することで、新型武器の開発やモジュールの強化ができる。 作品中は金銭の概念が存在しないため、装備品やモジュールの強化は、このラボが中心となる。 メディカル戦闘員の負傷の治療、死亡した戦闘員をクローン技術で再生するほか、パスワードの表示やバックアップユニットによるセーブもできる。 「出撃前に保存しておいた記録データを基にクローンを作る」という設定のため、クローン再生した際は経験値が出撃前の状態に戻ってしまう。 なお、物語冒頭の宇宙海賊の奇襲を受けた際に記録データを破損してしまったため、この時に死亡したキャプテン達のクローン再生はできない。 また小説版によると同一人物を複数作ると発狂してしまうため有能なキャラを量産することも不可能(*2)。 ハンガーモジュールの修理、武器・オプション・フィールド(防御用アイテム)の装備、修理・治療用キットの補充、戦闘員が装着するモジュールの選択、モジュールおよび装備のデータ閲覧ができる。モジュールは用途別に5タイプがあり、3人がそれぞれ別のタイプのモジュールを装着することになる。武器は遠距離攻撃用と近距離攻撃用に大別され、さらに両手持ちと片手持ちがある。オプションは通常武器に比べ強力な攻撃が可能で、すべて遠距離攻撃用に分別される。各オプションごとに弾数制限がある。フィールドは戦闘終了時まで有効な防御用アイテムである。1個使うと消費する。 各装備品には3種類のサイズと5種類の属性があり、モジュールによって装備できる条件が異なる。敵に特定の防御属性がある場合、全くダメージが入らないこともある。同様にフィールドを利用することで特定の攻撃属性から全くダメージを受けなくすることもできる。 また惑星着陸時は、ここから出撃をする。戦艦への帰還時もハンガーが到着先となる。 惑星での行動 惑星内はいわゆるフィールド型RPGの要領で行動する。 街や集落では住民から情報を得ることができる。シナリオ進行において重要な情報を持つ住民は、その場を動かず微動だにしない場合がほとんどである。 「どんな有害物質や病原菌があるか判らない」と言う理由で、主人公達は街中でもモジュール姿である。まぁメタ的には容量節約が理由だろうが(ソードフィッシュ内はテキスト表示)。 屋外フィールドでは、ランダムエンカウントによる敵との戦闘が発生する。重要アイテムの探索、ダンジョンへの移動が主目的となる。 ダンジョンでは、屋外フィールド同様に敵との戦闘が発生する場合が多い。重要アイテムの探索のほか、敵ボスの殱滅などが主目的となる。目的を果たすと「ミッション完了」のメッセージが表示され、自動的にダンジョンの外に出ることもある。 メニュー画面では、キットを使用しての戦闘員の治療やモジュールの修理が出来る。キットは治療用・修理用それぞれ最大10個まで持つことができる。 敵との戦闘 戦闘時は6×6マスの戦闘フィールド画面へと移行する。戦闘はコマンド選択型のターン制となっており、味方の初期配置は戦艦内のラウンジでの選択順によって固定されている。 ターンの最初に「戦闘」と「逃亡」が選択可能。逃亡に失敗すると、そのターンは敵のみが行動可能となる。 3人の味方は、それぞれフィールド内の移動設定をした後、「攻撃」「オプション」「防御」「装備」の各コマンドを選択する。「攻撃」は弾数制限なしの通常攻撃。「オプション」は弾数制限のあるオプションによる攻撃。所持数内であれば、複数個を同時に使用することで、敵に個数分のダメージを与えることもできる。「装備」はさらに「武器」と「フィールド」が選択でき、「武器」では使用武器の変更が可能。「フィールド」では戦闘終了まで有効な防御アイテムを使用する。武器変更以外のコマンドは1ターンを消費する。 移動範囲はモジュールの性能により変化する。基本的に装甲値の低いモジュールほど移動範囲は広い。 攻撃には近距離攻撃と遠距離攻撃がある。縦・横もしくは斜めに敵が隣接すると強制的に近距離攻撃となる。この場合、コマンド選択時に攻撃目標を遠距離の敵にしていたり、遠距離型の武器やオプションを使おうとしていたりすると、そのターンは攻撃不可となる。逆に敵との間に距離があると強制的に遠距離攻撃となり、コマンド選択時に攻撃対象を隣接する敵にしていたり、近距離型の武器しか装備していない場合はそのターンが攻撃不可となる。また複数の味方が同じ敵を攻撃目標として、先に敵を倒してしまった場合、後から攻撃する味方はそのターンが攻撃不可となる。 敵にも同じことが言える。近距離攻撃しかできない敵は、距離を離すことで攻撃不可となり、逆に遠距離攻撃しかできない敵は、隣接することで攻撃ができなくなる。 移動順および攻撃順は、各キャラクターの素早さに応じて決まる。なおモジュールによる素早さの影響はない。 戦闘員には「LP(ライフポイント)」が、モジュールには「EP(エネルギーポイント)」がそれぞれ設定されており、敵からの攻撃によって各ポイントが減少する。LPが0になると戦闘員は死亡し、戦艦のメディカルで治療するまで行動不能となる。EPが0になるとモジュールが破壊され行動不能となるが、戦闘終了後にリペアキットを使用することで修復が可能となっている。 戦闘中に味方全員のLPもしくはEPが0になるとゲームオーバーとなり、タイトル画面へと戻される。 前述のとおり、各装備品には、5つの属性が存在しており、敵の防御属性によっては、まったくダメージを与えられない場合もある。戦闘中に戦艦の人工知能から、敵の防御属性情報が送られてくるため、これを参考にした上で武器の装備変更を行うこともある。 敵をすべて倒すと戦闘終了となる。各戦闘員は経験値を獲得し、一定量で各スキルがレベルアップする。また、敵の残骸から「トレジャー」を発見することがある。トレジャーは前述の戦艦のラボにて、新武器の開発やモジュールの性能強化に使用する。 成長要素 戦闘員には「コンバット」「メカニック」「サイエンス」「メディック」の各種スキルが設定されており、経験値を貯めることで、各種スキルランクがアップする。「コンバット」は通常戦闘能力、「メカニック」はモジュールの修理能力、「サイエンス」は敵残骸からのトレジャーの発見能力、「メディック」は戦闘員の治療能力にそれぞれ反映される。すべてのスキルを持つのは主人公のみで、他の戦闘員はそれぞれのクラス(職業)に応じて高く成長するスキルもあれば、まったく成長しないスキルもある。 経験値は敵との戦闘以外に、フィールド上での治療や修理、トレジャーの発見、ミッションを完了しての戦艦への帰還時にも獲得できる。特にミッション完了時の経験値は敵との戦闘よりも遥かに高い経験値を獲得できる。 このあたりは、テーブルトークRPGを得意とする製作陣ならではの手法といえる。 + 主要キャラ紹介 苗字は小説版で追加されたもの。小説版では他にも名前付きのクルーが登場している。 主人公(ネームエントリー可能(*3)):コマンダー 戦艦ソードフィッシュ戦闘指揮官。キャプテン(船長)の死亡・再生不可により、キャプテン代理となる。ゲーム開始時にパロメーターを振り分けることで、独自の性能となる。すべてのスキルを満遍なく覚えることができる。パーティーから外すことはできない。 クレイン・キューバート:ソルジャー 血気盛んな男性。戦闘能力の中でも、体力に長けていて重量級のモジュールも装着可能。コンバットスキルは高く伸びるが、サイエンススキルとメディックスキルは成長しない。 キリ・ザンジヌ:ソルジャー 短髪で褐色の女性。戦闘能力の中でも、素早さに長けている。スキルの成長値はクレインと同じである。 シャイン・リー:サイエンティスト 理系で爽やかな優男。戦闘能力は低い。サイエンススキルは高く伸びるが、メカニックスキルとメディックスキルは成長しない。シナリオ上、理系の知識を活かすためにパーティーに組み入れなければならない場面がある。 ヴィンド・ベルク:メカニック サングラスをかけた大柄の男性。戦闘能力はそこそこ。メカニックスキルは高く伸びるが、サイエンススキルとメディックスキルは成長しない。シナリオ上、メカの知識を活かすためにパーティーに組み入れなければならない場面がある。 二ジーナ・バリスコフ:ドクター 知的で温和な女性。戦闘能力は低い。メディックスキルは高く伸びるが、メカニックスキルとサイエンススキルは成長しない。 MICA ソードフッシュのメインコンピューターで女性人格のAI。敵である「バーサーカー(*4)」へのネーミング(*5)は彼女がおこなっている。『II』では本作以上に重要キャラ。 + モジュール紹介 レックス 各能力、装備品の最大所持数ともに平均的な万能型モジュール。インパクト、レーザー、ビーム系武器を装備できる。カタログ上の格闘能力は高くないが、移動力がそれなりにありレイブレードとの相性が良いため目立った欠点が無い。 ウィナー 基本能力はレックスとさほど変わらない汎用型だが、EPが低くオプションの最大所持数が少ない。インパクト、レーザー、ヒート系武器を装備できる。専売特許のヒート系武器は一部環境から悪影響を受けるが、防御手段が存在しないため敵は選ばないのが利点。 シェリフ 移動と回避に特化しており、EPと装甲は最も薄い。Lサイズのオプションを運用できるものの最大所持数はウィナー以上に少ない。インパクト武器のみ装備できる。被弾=即死に近い状況では回避能力が光る一方、汎用性は低い。 タイタン 装甲と防御に特化した射撃戦用の重量級。EPと装甲は高めだが移動と回避能力に劣る。武器とオプションの最大所持数が多く、装備可能な武器も豊富。インパクト、レーザー、ビーム武器を装備できる。 サウルス 最高の格闘能力と装甲、EPを誇る格闘戦用重量級モジュール。スペシャル系格闘武器はゲーム中最強の破壊力を誇るが移動能力が低いため接近に苦労する。武器とオプションの最大所持数は少ない。インパクト、スペシャル系武器を装備できる(スペシャル武器の属性はインパクト扱い)。 評価点 他に類を見ない独特なシステム それまでのRPGと比較して、移動方法から戦闘方法、強化や成長に至るまで、非常に独特のシステムを搭載しており、それらがゲームそのものを破綻させることなくパッケージングされている。オリジナリティの高さという点で大いに評価できる。 フィールド上の移動や、マス目を利用した戦闘システムは従来のRPGでも存在したが、近距離と遠距離の攻撃を使い分けたり、基本的な移動自体は戦艦でのコマンド選択で行なったりするなどのシステムを採り入れることで、独自性を高めている。 特に恒星間を移動することにより、金銭的価値を無い物とする世界観であることから、武器やモジュールの強化を敵の部品から分析して開発するというシステムは、ドラクエライクなRPGに慣れ親しんだ当時のゲームプレイヤーからすれば、非常に斬新かつ世界観を損ねないシステムとして評価できる。(「出撃して中身不明のトレジャーを拾い集めて帰還、拠点で中身を解析するとたまに強力武器や重要アイテムが出てくる」というシステムは『Wizardry』からの影響を感じさせるが、元ネタ同様のくじ引き感を醸し出しており、本作の熱中度をいっそう高めている) 「規定の種類・数の素材を集めて消費することで武器やモジュール(キャラ)を強化できる」というシステムは今はごくありふれているが、この時代においてはMMORPGに特有のものと考えられており、ソロプレイRPGでの採用は先例が少なく新鮮であった。素材集めの為に戦闘を繰り返す、今で言う「トレハンゲー」の先駆者であると言っても過言ではないだろう。 実績に裏付けされた世界観の構築 数々のテーブルトークRPGを手掛けてきたグループSNEの面々が携わっているだけあって、ゲーム内の世界観や「モジュール」などの高度な技術、各惑星の文明などの設定がしっかりと構築されており完成度が高い。 戦艦の人工知能である「MICA」から発信される各種の情報や、戦闘員をはじめとしたクルーたちの会話には、「モノポール・コイル」や「ジャンプ・ドライブ」といったオリジナルの設定が備わった用語や、「クローン」や「ジェネレーター」などのSFならではの高度な技術様式を踏まえた内容が散見され、ゲームの雰囲気作りに効果を発揮している。 「モジュール」の魅力 5名の戦闘員キャラクターは、それぞれタイプの異なる「モジュール」(いわゆるパワードスーツ)を装着して出撃する。これには複数箇所の武装取り付けポイントがあり、入手した武装を自分で装備してカスタマイズしていく楽しさがある。武装には格闘、射撃の大別の他、インパクト(マシンガンなどの実弾武器)、レーザー、ヒート(火炎放射等)といった属性があり、敵によって有効な武器は異なる。またモジュールごとに装備可能な武器にも差異があるので、武装カスタマイズとパーティ編成を工夫しなくてはならない。これが非常に楽しく、熱中している間にけっこうな時間が過ぎてしまう。 モジュールのデザインも、先述の通り全盛期の大河原邦男氏が手掛けており、とてもかっこいい(等身大らしさに乏しく巨大ロボットに見えてしまう機体が多いのはご愛嬌だが)。ゲーム内の戦闘シーンでも、簡易ではあるがアニメーションで交戦の様子が描かれ、モジュールの個性と魅力が表現されている。 レベルアップ作業が簡易的 戦闘員のレベルアップ要素は「ミッションの完了」が大半と言うグループSNE作品らしいTRPG的バランスなので、一般的なCRPGにありがちな敵を倒してレベルを上げる「作業」がシステム上ほぼ存在しない。モジュールや装備品の強化も、お金を貯めて購入するわけではなく、せいぜい目的の敵を倒してトレジャーを発見するという範疇に収まっている(発見率もそれなりに高い)ので、ダラダラとプレイ時間を浪費することなく、ストーリー進行に注力できる点は評価できる。(先述の通り「トレハンゲー」の先駆的な作品ではあるが、重要アイテムや強力武器のドロップ率は高めに設定されており、要求プレイ時間は現代のトレハンゲーよりもかなり控えめである) 賛否両論点 敵を倒した時のダメージ表示 一般的なRPGでは、敵を倒す際のダメージ量は、通常のダメージ量とほぼ同じ量だが、本作では、敵を倒した際のダメージ量は、その時点の敵の残り体力値が反映される。 敵の正確な体力値が判るのはいいのだが、一定量のダメージを与えた後に、武器を変更して敵を倒してしまうと、その武器が敵に対して有効なのかどうかが不明瞭になるという点においてはデメリットともいえる。 問題点 やや大味な戦闘バランス 序盤は味方のコンバットスキルが低いため、敵への命中率が低く攻撃が当たりにくい。ただし、敵側の命中率もさほど高くないため、お互いに攻撃が当たらないままターン消費されるという状況になりがちである。 ゲームが終盤に差しかかってくると、今度はコンバットスキルが上がっているために回避率が高くなり、敵からの攻撃はかなりの確率で回避もしくはダメージ無しという傾向にある。 ある意味これもTRPG的(*6)バランスといえる。 オプションの威力が非常に強く、複数弾を同時に使用すれば、敵ボスであっても一撃で倒すことが出来てしまう。弾数には制限があり、敵との近接状態では使用できないという条件はあるものの、戦闘バランスとしてはかなり偏ってしまっている。 オプションは敵にも使用するキャラがおり、命中率は低いもののほぼ一撃で味方がやられてしまうという状況もしばしばある。ダンジョンからの脱出手段がないため、ダンジョンの深い場所での一撃死はプレイする上でかなり厳しい。 途中のイベントで入手するスペシャル武器が非常に強力で、通常の敵であればインパクト耐性がない限りほぼ一撃で倒せてしまう(耐性があるとダメージ0)というバランスブレイカーである。 システムで説明したとおり、ターン中に予期せぬ形で攻撃不可となる条件がいくつかあるため、慣れないうちはなかなか攻撃自体ができないことがあり、やや敷居が高く感じられる。 上記のように全体的に戦闘バランスのチューニングが甘く、せっかくの独特な戦闘システムを活かしきれていないため、大味な展開になりがちである。 惑星の探索が不便 住民の情報で、目的地の名称を惑星の固有名詞で呼ぶ場合があるのだが、戦艦での惑星移動時の表記がすべて「恒星名・第○惑星」となっているため、いちいち恒星・惑星を移動して調査を繰り返した上で、目的の惑星を探し出さなくてはいけないのが不便である。 ストーリーの進行上、一度訪れた惑星に再度訪れる機会も多いが、その都度「恒星名・第○惑星」という表記となるため、惑星名と恒星名・数値をきちんと紐づけた上で記憶するかメモを取っておかないと、いくつもある恒星間を虱潰しに探索しなければならなくなる。 また、重要な情報をくれる住民のセリフが一度しか聞けない場合も多く(次に話しかけると別のセリフに切り替わってしまう)、情報をしっかり覚えておかないと次なる目的地が分からなくなり、やはり恒星間を虱潰しに探索しなくてはならなくなってしまう。 せっかくの独自性の高い移動システムが、シナリオとの不一致により、不便を来してしまっているのは大きな問題点といえる。 登場人物の個性が凡庸 戦闘員のほか、戦艦内の各クルーにはそれぞれ独自のキャラクター設定がされているが、ゲーム内においてはそれらの設定がさほど活かしきれておらず、凡庸なキャラクターに納まってしまっているのが惜しい。 戦闘員が固有のセリフを話す際に、戦艦のラウンジで表示される顔イラストが表示されるとか、戦艦内の各ブースのクルーに独特のセリフ回しをつけるとか、やりようは色々あったかと思うが……。 世界観やSFの設定自体は申し分ない上に、小説では各キャラクターの掘り下げも出来ている。それだけに、ゲーム内で主要な登場人物の個性が活かされておらず、作品そのものが地味な印象となってしまっているのは、たいへん残念な要素である。 各惑星の住民の中には、商売を生業として関西弁を話すエイリアンや、文明が拓かれていない原始人、歌を歌うクジラの民族、九州弁を話す血気盛んなレジスタンス、シリコン生命体など、それなりに個性豊かな面々も存在する。 総評 従来のドラクエライクなRPGとは全く異なる独自性の高い様々なシステムが、ゲーム内にうまくパッケージングされてはいるが、ゲーム全体のバランスや情報の収集要素がかなり荒削りなため、せっかくの独自のシステムを活かしきれていない。 せめて主要な登場人物に、より内面的な個性が演出されていれば際立つ面もあったのだが、キャラクター性も凡庸なものに終始しており、もう一歩で名作と呼べる誠に惜しい作品である。 SFの世界観に抵抗がなく、一風変わったRPGをプレイしてみたいという方にはおすすめである。 移植・その他の展開 1992年にSFCに移植されている。 1994年には同じくSFCにて『サイバーナイトII 地球帝国の逆襲』がリリースされている。前作同様にグループSNEが製作に携わっている。 一方で元祖のはずのPCエンジンで『II』が発売されることは最後までなかった。 ゲームのリリース前後には、シナリオ担当の山本弘氏による、本編の前日譚といえる内容の小説が『マル勝PCエンジン』誌上にて連載された。後に角川スニーカー文庫より『サイバーナイト 戦士たちの肖像』として書籍化されている。 その後、ゲーム本編の内容を綴った小説が、前作同様に山本氏の執筆にて角川スニーカー文庫より上下巻で刊行された(*7)。また『II』の小説版も山本氏によって書かれ出版されている。
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ドリームクラブGogo. 【どりーむくらぶ ごごーてん】 ジャンル 恋愛シミュレーション 対応機種 プレイステーション3 発売元 D3パブリッシャー 開発元 ドリームエックスクリエイト(メイン開発)タムソフト(音響・ボーカル曲)サウンドエイムス 発売日 2014年4月10日 定価 通常版:7,344円(税込)ダウンロード版:6,800円(税込) プレイ人数 1人 レーティング CERO D(17歳以上対象) コンテンツアイコン 恋愛、セクシャル、ギャンブル 判定 バカゲー ポイント ホストガールを全員一新した新作『ZERO』の追加要素を継承旧作の長所を受け継いでいる一方、追加要素は僅か タイトルが読みづらい ドリームクラブシリーズ 概要 ストーリー ゲームの特徴 新要素 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 「夜のお店」を舞台にする という特異な設定が注目を集めた、恋愛シミュレーション『ドリームクラブ』シリーズの系列作で事実上のシリーズ最終作。 『ドリームクラブ』(以下、「無印」)、『ドリームクラブ ZERO』(以下、「ZERO」)で登場した今までの作品でのホストガール13人ではなく、 全く新しいホストガールが登場する新規作品 となっている。 無印の発売から若干の年月が経過したこと、ゲーム本編がエンディングでカップルになり結婚まで迎える関係上ストーリー性のある続編展開が難しいこと、 そして数作を経て単純に他のホストガールを見たいという声も出て来たことから、ホストガールを一新しての新作という要望は少しずつ増えてきていた。 そういった声に応える意味もあって発売されたのが本作ということになる。 なお、「Gogo.」というタイトルは「ごごーてん」と読む。 これは、本作が(『マージャン★ドリームクラブ』等の外伝作も含めて)5作目に当たるため、「5号店」と掛けてのネーミングである。 新しくなった本作のホストガール(攻略対象ヒロイン)は10人。 キャラクターデザインは過去作と同様に森沢晴行氏が担当。 ストーリー プレイヤーの分身である主人公(名前入力可能)はある日、 カメラを買ったばかりのところを 街で「ドリームクラブ」の受付嬢(*1)に呼び止められて、半ば強引にクラブの会員へと指名されてしまう。 そこは大人の社交場であり「ピュアな心の持ち主だけが週末の夜に入店できる」という、存在自体が都市伝説となっている不思議なクラブであった。 主人公は突然のことに戸惑いながらも、ドリームクラブに通い始め、そこで働く「ホストガール」と呼ばれる女の子達とお酒を楽しく飲み交わす。 いつしか彼女たちも、仕事を超えた親愛の情を主人公に寄せ始める。 しかし、会員権が続くのは1年間でしかない。その期間中、あなたは本懐を遂げられるだろうか… ゲームの特徴 ゲームの基礎的な進行については無印に詳しいので、そちらを参照。 平日はバイトやギャンブルでお金を貯める。買い物や女の子とのデートに行くのもこの期間。 休日はドリームクラブに行ってホストガールを指名し、会話する。スケジュールが合わなかったりお金がなければ休むことも可能。 『ZERO』での追加要素も全て入れられている。ホストガールと旅館に1泊できる温泉イベントは、本作でもメインイベントとなっている。 本作は無印、『ZERO』のどちらとも異なり4月スタート。3月末までにエンディングに到達していないと会員期限切れでバッドエンドとなる。 攻略対象となるホストガールは全員入れ替わり、基本的には全員新キャラとなっている。 前作までのホストガールは、キャラクターとしてはもちろん、名前だけの小ネタも含めて登場はしない。メインヒロインである亜麻音や、D3の看板娘である理保(双葉理保)も同様。 ノコとの未来についての会話が前作のノノノがいた未来を露骨に意識したものになっているなど、前作のストーリーを意識した会話自体は出て来る。 タイトル等からすると、前作までの(店としての)「ドリームクラブ」とは店舗自体が別だという設定なのだと思われる。 『ZERO』にあった「1年間の途中まで未成年で、成年した時点でドリームクラブに入店して指名できるようになる」パターンはない。最初から全員指名できる。 ドリームクラブ内における唯一の非攻略対象ヒロインである「受付」だけは変わらずそのままであり、ボイスも平田真菜氏のまま継続。しかし、髪の色が黒色に変わっており、公式動画にも「別人」と書かれている。それ以外の容姿・性格は全くそのままであり、ただの別人とも思えないのだが…… 作中でも「前にも会ったことがあるような気がする」という会話があり、意図的にぼかされている。 + ホストガール10人の紹介 本作のホストガールは以下の10人。 鈴凛とアンジュはシリーズ恒例の隠しホストガール扱いで、実績(トロフィー)を規定数達成するかDLCで強制解放しない限り指名できない。 花里愛(かりあ)(CV 沖佳苗) 本作のメインヒロイン。前作までのメインヒロインであった亜麻音とは赤毛である点が共通する。 子供のころから乗馬に打ち込んでおり、大学でも馬術部に所属している。競馬を見ているだけでも乗りたくなってしまうほど乗馬には目がない。 朗らかで明るく振舞うが、内面的にはかなりストイックで自分に厳しい。初めは丁寧口調だが、関係が進むと口調が砕けてきて友達感覚になる。 実はSの気があり、中盤以降は 主人公がセクハラ発言をする度に乗馬用の鞭で打ち始める のが定番になる。というかこのルートは主人公のセクハラっぷりが大概ひどい 萌黄(もえぎ)(CV ささきのぞみ) 関西弁のお姉さんホストガール。職業はメイドで、大きなお屋敷に勤めているらしい。 ほんわかした雰囲気で、「~なんよお」が口癖。ゆるキャラ好きで、グッズ集めだけでなくイベントにも積極的に参加する。 一人称を意図的に「お姉ちゃん」として話すことが多く、関西弁の「近所のお姉さん」的キャラという点で前作の玲香に近いが、雰囲気は大幅に異なる。胸の大きさはみおの方に近い。 初デートで彼女のある秘密が明らかになり、以降はその問題の解決がテーマとなることに。 セイラ(CV 山本亜衣) 金髪碧眼のホストガール。ハーフで、母親が日本人で父親が外国人。最近来日し、日本ではフィットネスジムのインストラクターとして働いている。 日本人基準としても背も胸も小さく、本人も気にしている。発売前からミュージックPVで貧乳っぷりをネタにされる始末。 日本語は基本的に流暢に話せるが、酔うと乱れが激しくなり後半がカタカナになる。また、外来語は英語のイントネーションで話すため妙に巻き舌。 オタク文化に興味があり、ノコを「シショー」と呼んで敬愛している。一緒にアニメショップ等にも行く模様。 雅(みやび)(CV 山村響) その名の通り、雅な雰囲気で畏まったホストガール。思わず気押されてこちらも丁寧語になってしまうほど、口調は丁寧で固い。 ……のだが、実は元ヤンで、レディース「バタフライ」の総長だった。酔うとその頃の一人称「俺」の砕けた口調に戻ってしまう。普段の口調は保育士を目指すため、女らしくなろうと演じているもの。 こういうキャラにありがちな「普通に話していてもちょくちょく口調が戻ってしまう」ということはなく、酔いさえしなければ丁寧な口調を維持できる。ただし元が元だけに学業はだいぶダメで、本人曰く「自慢じゃないですがアホの子」。 「ヒナ」と「キョウ」というレディース時代の二人の妹分がおり、二人には「マサ姐」と呼ばれ慕われている。 途中からは、この二人が「監視」と称して、店内で雅の後ろに常につくようになる。要は前作までのスミス&ウェッスン枠。 酔っていないときも含め、たまにレディース時代の怖い剣幕が顔を出す。 ノコ(CV 白川愛実) いわゆる「オタク女子」で、アニメ・ゲーム・漫画・特撮など、幅広いサブカル文化に精通している。コミケは常連、年越しは積みゲーを消化、ニチアサは毎週録画と精を出す。 日常会話にも作品のパロディがよく飛び出す。それ以外にも、急に思いついてキャラを作ったりシチュエーショントークを始めたりと、常に会話は明るく自由奔放。メールでも顔文字や絵文字を使いまくる。 ただしオタクなので、初対面の相手には警戒心が強い。ノコルートを一周終わらせてから改めてノコの初指名を見るとまるで別人のよう。 オタクだがファッションには強い拘りを持ち、外見的なオタクっぽさは全く無い。ホストガールの制服にも目立つピンク縞々のソックスをワンポイントで添えている。 その他にもネットアイドル「ノコたん」として活動しており、結構な人気を得ているが、初デートを機に彼女の「私生活」の問題点が明らかに…… 桜華(おうか)(CV 中島沙樹) 眼鏡を掛けた長身でセクシーなホストガール。本職は見習いの占い師で、ホストガールになったのも占い修業の一環。占いと名の付くものは大体できる。 人の「魂」を形として感じ取る力を持ち、主人公の「魂」は特別で読み取るのが難しいと話す。 退店後のメールでは「来週の占い」を送ってくれる。ただし、内容はそこまで具体的でないことも多い。 酔うとお姉さん気が強くなり、とろんとした話し方になる。 美月(みつき)(CV 高橋未奈美(現:髙橋ミナミ)) 大人しい性格のホストガール。実家は農家で、酪農(乳牛)と稲作を両方やっている。 田舎育ちで都会への憧れが強く、東京に出て来たことで何を見てもワクワクしている。一方、自分の住んでいる山にも愛着があり、田舎のことを語るときも興奮している。 引っ込み思案で自分に自信が無く、二言目には謝ってしまう。初対面でも異様なほど緊張しており、『ZERO』での初接客時の亜麻音を彷彿とさせる。 酔うと他のホストガール以上に呂律が回らなくなり、口調がふにゃふにゃになってしまう。 ちり(CV 田中真奈美) 褐色肌と多方向にハネた後ろ髪が特徴の女の子のホストガール。語尾に「~にゃ」と付けるほか、酔うと後ろ髪がピンと立ってネコ耳っぽくなるなど、明らかにネコっぽい。 一人称は「ちぃ」で、主人公のことを「センパイ」と呼ぶ。主人公にも「ちぃ」と呼んでもらうよう求める。 ちょっとおかしいレベルで一般常識に欠けており、人間ですらなさそうな節を度々窺わせる。っていうかだいたい猫。 他にも主人公の「タマタマ」を狙っているなど、前作のノノノを想起させるような言動を見せるが、果たしてその正体は……? 鈴凛(りんりん)(CV 大山早稀) 中国人ホストガール。今時フィクションでも殆ど見ない「~ある」口調の女の子だが、酔うと何故か普通のお姉さん口調になる。 非常にドジで、何かと隠し事をしようとする割には自分の言動ですぐバレてしまう。運動神経も悪く、初対面以降事あるごとにすっ転ぶ。 「スパイ」を自称するが、色々と残念過ぎて全くスパイには見えず、やることも他人の私生活を覗き見するぐらい。主人公にも「こんなスパイいるか……?」と呆れられる始末。 やたらと雑学をひけらかしたがるものの、原典は基本的にネットの百科事典だとノコにバラされている。 意外にも草花が好きで、植物の世話には並々ならぬ興味を示す。 アンジュ(CV 小澤亜李) 異星から来た宇宙人のホストガール。頭の周りに付いている、というより浮いている蛍光灯青白い輪っかの髪飾りが特徴。 宇宙人かつ「宇宙警察」に所属する刑事であり、今も刑事として勤務中……らしい。どこぞの有名な宇宙刑事たちには「研修でお会いした」とのこと。 大人しく声を荒らげることはないが、刑事であるため正義感に厚く、言葉もやや堅い。酔うと更に堅苦しくなり、自身を「ホンカン」と呼び、「~であります」が口癖になる。違う宇宙人も同じ語尾を使っていた気がするが気にしてはいけない。 ドリームクラブ定番とも言える「非常識枠」であり、宇宙人なので地球人の常識が通用しない。地球の警察については、日本の刑事ドラマから情報を得ているのでだいぶ知識が偏っている。 酔うとしゃっくりをするホストガールは多いが、彼女の場合は「みゅん」と謎の声を上げる。 新要素 派生作を除いた事実上の前作となる『ZERO』から、変更・改善されている点のみ特記する。 平日のアルバイトは、アルバイト先や資格などの内容が一新。 本作も花屋やカラオケ店員から、プロのトレーダーや経営コンサルタントにまでなれる。だからなんでフリーターなんだお前は。 『ZERO』から全アルバイトで発生するようになった、バイト期間が勝手に増えてしまう「トラブル」については、「低め」「普通」「危険」の大まかな段階で発生確率が画面表示されるようになった。 本作では、多数の資格を集めると、最終的に 1週間で40万円稼ぐ 究極のバイト「サラサラマネー」も登場する。本当にバイトか? デートの際に着て来る各ホストガールの私服は、『ZERO』のXbox360版(原版)と同じく「春夏」と「秋冬」の2種類。 前作までの玲香のジャージやアイリの痛Tシャツのような露骨にネタに走ったものはないが、この辺りは好みか。 乗馬クラブや農場といった各ホストガールに縁のある場所をはじめ、デートスポットもいくつか追加されている。 クリスマスENDの条件が変更。クリスマスデートで行うタッチイベントを成功しないと発生しなくなった。 これにより、クリスマスデートで「手を触って」などと言われた際に、わざと他の部分を触ることでクリスマスENDは回避することが可能。 前作で起こっていた「ハッピーEND狙いの時にクリスマスENDが暴発する問題」は 上述の仕様を知っていれば 回避できるようになった。 新しい形のエンディングとして「バレンタインEND」が登場。 『ZERO』で登場した「クリスマスEND」に近いものであり、バレンタインでのデートの後にそのままエンディングに進む。 エンディングの構成はクリスマスENDと同じで、他のホストガール9人からのビデオメッセージが流れる。メッセージの内容はもちろんクリスマスENDとは別。 ただし、条件として「クリスマスEND」を見ている必要があるため、各ホストガールの初回攻略では見られない。 評価点 『ZERO』までの2作同様、膨大なボイス量にて世間話からユニークなふざけ話、ほぼ恋人としての会話まで色々な会話を楽しむことができる。 特にキャラクター間の関係性は過去作よりもさらに濃く描かれており、鈴凛のシナリオ等では他のホストガールと順番に会っていくイベントがある。 ノコのサブストーリーにアンジュの存在が絡んでいるなど、一部のイベントではホストガールを跨いだシナリオもある。 後述のデートの増量もあり、『ZERO』と比べてホストガール数は13人→10人に減少している(無印と同じ数に戻っている)ものの、1ホストガール当たりのテキスト量は濃くなっている。 キャラクターも多彩さを出そうと努力しており、前作までのホストガールにも思い入れの深いプレイヤーが多い中で頑張っている。 大人しいアンジュや姉御肌の雅、ひたすら明るくボケ倒すノコなどには、前作までのホストガールとの性格面での差別化がよく表れている。 主人公は年の離れた妹が居るという設定もあってかそれなりに女性に慣れているので今までの主人公とは印象も異なる。 ホストガールにセクハラじみた発言を行う場面が多いが、一方で良識や行動力を見せる面も多い。過去作で挙げられた「主人公が突拍子もない言動に及ぶ」という難点は今作では改善されている。(皆無という訳ではないが) デート関連のボリュームの多さは本作の明確な長所。 デートは無印にあった花見・海・縁日・スケートの各季節のデートと、『ZERO』にあったサブストーリー毎のデートを両方収録。 クリスマスや初詣のデート、今作で追加されたバレンタインEND用のデート、その他同伴デートやアフターも引き続きあるので、デート収録数はシリーズ随一(*2)である。 選択肢次第で展開が大きく変化するデートも各ヒロインにいくつか設けられている。 MOMO氏が主に手掛ける楽曲の質は相変わらず高く、そして多彩。 メインヒロインの花里愛の90年代ポップ風ソングを初め、「アジアンポップス」「和風ロック」など新しいジャンルにも挑戦している。相変わらずオッサンをくすぐる昭和感漂う曲もある。 振り付けのクオリティも旧作に劣らず、指を1本ずつ増やしていく動きなど指先まで使う。中国人である鈴凛の曲ではカンフーっぽい動きが入ったり、雅の和風ロックでは歌舞伎の見得を切ったりなどのバラエティ性も充分。 バッドエンディングではお馴染みの男性スタッフ陣による替え歌が流れる。本作の選曲はちりの持ち歌である「嵐を呼ぶネコ☆」。 賛否両論点 前作以前と比較して、ヒロインに経歴の浅い声優が多く、「格落ち感」を指摘されることはしばしばある。 半数以上の声優がベテラン、もしくはちょっとアニメを見ていれば知っているような有名役持ちの人気声優であった前作までに対し、本作で該当するのはメインヒロイン役の沖佳苗氏と中島沙樹氏ぐらいで、全体的に大半が(当時の)新人声優で固められている。 とは言え、演技の質には全く問題はなく、山村響氏、高橋未奈美(現:髙橋ミナミ)氏、小澤亜李氏といった後に若手女性声優として売れっ子になるメンバーも複数含まれている。起用の方向性が変わったことは否定できないものの、新シリーズとして生まれ変わった人選としての評価は充分されている。 敢えて挙げるならば、都内出身なのに妙にアクセントにイントネーションがあるノコくらいだが、彼女の場合は個性として機能しており、これを問題点として見るプレイヤーはほぼ見当たらない。 ハードの展開はプレイステーション3のみ。 既に無印、『ZERO』共にPS3への移植が行われており、そちらのプレイ人口が多いのは確かであろうが、もともと無印からXbox360で展開されてきたシリーズ(*3)だけにそちらのプレイヤーからの落胆の声も少なくなかった。 また、本作より先にプレイステーション4のローンチタイトルとして旧作のホストガールによるダンス観賞用作品『ホストガールオンステージ』が配信されており、この点から批判の声が上がることもあった。 とは言え、ホストガールオンステージが配信されたのは本作発売の2か月前であり、開発時期と環境的に本作のPS4専売やPS3・4のマルチでの展開は厳しかったのだろうとも思われる。 問題点 キャラ一新以外の新規要素の少なさ。 前作『ZERO』の記事と本作の記事を比べてみても分かる通り、本作はキャラクター(とそれに伴う会話・歌曲)の変更だけで、それ以外の追加・変更は数えるほどしかない。 クリスマスENDや温泉イベントなどといった大イベントは残しても良かったと思われるが、他はいくらでも新システムを出す余地があったはず。 ガワを変えただけで成立するゲーム性ならまだしも、『ZERO』の記事でも述べたように、恋愛シミュレーションというジャンル自体が「ヒロインの攻略を繰り返す」構造になっており、決して発展性のあるものとは言い難い。本作ならではの新システムは必須だっただろう。 唯一の目立った追加要素であるバレンタインENDも、同じホストガール攻略の2周目以降(ハッピーENDも見るなら3周目以降)前提という条件が厳しい。 本作の「周回が面倒」という欠点と露骨に重なってかなり負担であり、存在の分かりにくさも手伝って、折角の専用イベントなのにそこまで辿り着けていないプレイヤーも多い。 特に前作までの欠点が改善されている訳でもなく、平日アルバイトのUI等の細かいところを除き、システム上の問題点の多くは据え置き。 新規要素がほぼ無い時点でゲーム全体のシステムに通じるような部分の改良はなすべくもないが、ちょっとした工夫で修正できそうな部分でもそのままになっている。 会話の選択肢が、ETSの「笑い顔・悩む顔・否定の顔」(肯定、否定、曖昧)に合致しておらず、どれを選んだら何を答えたことになるのか非常に分かりづらいものも多い。 『ZERO』で挙がっていた「ハッピーEND狙いの時にクリスマスENDが暴発する」問題については改善されていないわけではないが、不親切さは否めない。 上述の仕様により「クリスマスデートのタッチイベントを失敗すればクリスマスENDは発生しない」ことを知っていれば避けられるようになったものの、初見のプレイヤーにそんなことがわかるはずもなく、根本的な改善はされていない。 特に本作ではゲームが4月から開始する関係上、12月は丁度エンディングを迎える時期である。いよいよエンディングだぞというこのタイミングでクリスマスENDに進んでしまった時の心労は図り知れない。 過去作に存在した要素のオミット カラオケモードで受付を指名できない。 嫉妬メールイベントが存在しない。 髪型変更が出来ない。 猫耳のちりや頭に環が浮かぶアンジュなどデザイン的に難しいホストガールが居るというもあるが、これに関しては残念という意見が多い DLCによる追加曲も配信されず。 誤字・脱字の多さ。 過去作でも若干気になる部分はあったものの、本作はとにかく明らかに目に付くレベルで多い。非常にテキスト量の多いゲームとは言え、それで言い訳が効かない域に達している。 過去作では移植に際して改善がされているのだが、本作の場合移植がないためその点でもフォローできない。 その他、会話でまだ指名していない(会っていない)はずのホストガールの話題が出るなどフラグミスと思われる箇所もある。 バグも複数存在する。 特に、誕生日イベントで落ちる不具合が影響度が高い。本作はオートセーブだが、誕生日イベントは当然ながら1周のプレイ(1年間)で1回のため、ゲームが落ちると翌週に飛んでしまう関係上祝えなくなり台無しになる。 新しい要素を入れた結果バグが出るというならともかく、キャラと曲を替えただけの新作でそれはないだろう、という点で余計に印象が悪い。 総評 どうしても新規要素の少なさと垣間見える粗さが目につき、評価を下げざるを得ない作品。 一新したホストガール自体は魅力的で設定にも凝っており、不満も聞かれないだけに勿体無い。 ただし、「ひたすら会話するための膨大なテキスト量」「クオリティの高い楽曲とダンス」といった旧作での長所はそのまま引き継いでおり、決して努力を一切怠った作品ではない。 誤字脱字やバグを考えると断言もしがたいのが残念なところだが、基本的には旧作と同様のクオリティーを保っており、同じレベルで勧められる。 特に各ホストガールのパーソナリティ、容姿、担当声優などで何か惹かれるものがあるならば、無印、『ZERO』より本作を選んでも何ら問題ないだろう。 とは言え、『ドリームクラブ』というコンテンツが持っていたチャレンジブルな部分に乏しい印象は否めないところ。 DLCによる追加曲の配信がなく、各キャラ1曲のみで終わってしまった点も惜しまれている。 余談 本作の主人公は公式のスクリーンショットに倣って「(ドリーム)ゴロウ」と呼ばれることが多い。 作品自体の問題点とは異なるのでここで述べるが、冒頭でも述べたタイトルの読みにくさ、意味のわかりにくさを指摘されることが多い。 元々、制作中の仮タイトルが「5号店」となっていたようで、これを引き継いでこのタイトルにしたようだが、率直に言って シリーズを追っていないと訳が分からない。 初見では「ゴーゴー」と読んでしまうプレイヤーも多いことだろう。 特に、本シリーズ内で「1」「2」というナンバリングを振っていたわけではないため「本作が何作目」という捉え方をしていないプレイヤーが多く、おまけに派生作は数えたり、スマホアプリは除いたりと基準が曖昧(*4)で、シリーズファンですら「本作が5作目」という認識をしていたプレイヤーは少数であった。 一応、『ドリームクラブ ホストガールオンステージ』の公式サイトで「4号店」という表現を使ったりと、本作を「5号店」とするための意識はしていたようだが、如何せんそれでは不足であった。 キャラクターを一新して新規プレイヤーにも触れやすくした作品だけに続編のようなタイトルにしたくなかった、かつ「今までのドリームクラブとは別の店舗」というニュアンスを出せるようにしたかったという意図は理解できなくはないのだが…… 本作のホストガールは『地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR』の購入特典「ピュアデコイランチャー」(敵からの囮になってくれる風船)のモデルとして全員が採用されている。 また鈴凛の「心配ご無用」の独特のイントネーションが、以降のEDFシリーズのPVに登場する本田広報官の口癖として使われている。『ドリームクラブ』を知らないファンからはEDF発祥のネタだと誤解されていることも。
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仮面ライダーカブト 【かめんらいだーかぶと】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 プレイステーション2 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 デジフロイド 発売日 2006年11月30日 定価 6,279円 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 仮面ライダー対戦格闘シリーズ 概要 デジフロの軌跡 デジフロの奇跡(評価点) キャラクター 戦闘システム ゲームモード ネタ面 問題点 ゲームシステムの問題 原作再現の問題 賛否両論点 総評 余談 天の道を往き、総てを司る! 概要 同名の特撮ヒーロー番組を原作としたソフト。 有限会社デジフロイドが開発を担当した仮面ライダー対戦格闘ゲームの第5作にして、現状最後の作品となっている。 デジフロの軌跡 02年の『龍騎』以降、毎年仮面ライダーの格闘ゲームを開発していたデジフロイドであったが、どれも格闘ゲームとしては非常にレベルが低く、「よくあるクソキャラゲー」という評価が定着していた。必殺技を使おうとすると急に連打勝負になったり、デジタルカード収集のために原作無関係の作業系ミニゲームをやらされたり、挙句の果てには弱攻撃しかできないキャラまで出てくる始末。 一応戦闘前後に各キャラにマニアックな台詞を言わせたり、『剣』でたい焼き名人アルティメットフォームを登場させたりと、「原作を知る者にはニヤリとできるネタ」を多く取り込んではいたのだが、それを考慮に入れても「子供でも騙せそうにないゲーム」という声が一般的であった。 そして06年5月、同社は『宇宙刑事魂』の開発も担当した。これは80年代の特撮番組を原作としたものであり、当然高年齢層がターゲットであるため、ライダーゲーの様な露骨な子供騙しは無いだろうと予想されたのだが…実際はそれらより遥かに劣る駄作であった。内容は薄い上にゲームバランスもいい加減、しかもネタ度もサッパリ。更にラスボス役で出演した特撮界の名女優・曽我町子氏が発売直前に急死したことで遺作となってしまったため、「曽我さんの遺作を汚した」と壮絶に叩かれ、遂にはクソゲーオブザイヤーで話題にされ次点になってしまったほどであった。 この事で特撮ファンからの総スカンを買ってしまったデジフロ。『カブト』のゲームも開発する事は決まっていたが、ダメ特撮ゲーを5作も出し続けた実績故に「どーせまたクソゲーだろう」と、世間からはまったく期待されていなかった。 デジフロの奇跡(評価点) しかしそんな諦めムードの中で発売された本ソフトは、まさかの良作であった。 キャラクター + クリックで展開 仮面ライダー マスクドフォームからキャストオフする面々 カブト ザビー(矢車・影山・加賀美) 風間ドレイク 神代サソード ガタック ダークカブト 最初からライダーフォームである面々 キックホッパー パンチホッパー ケタロス へラクス コーカサス カブトハイパーフォーム ガタックハイパーフォーム ワーム怪人 サナギ体(緑)から脱皮する面々 アラクネア(ルボア・フラバス・ニグリティア) ベルバー ベルバーロタ フォルミュカアルビュス セパルチュラ アキャリナアンバー 最初から成体 タランテスパープラ スコルピオ ウカ ゼクトルーパー 通常 シャドウ 敵専用キャラ サナギ体(白) 原作に登場していたライダーが、後述する「三島ザビー」以外は全員登場しており、質・量共に充実した構成となっている。 ザビーは矢車・影山・加賀美の3バージョンが登場している。加賀美はガタックからモーションを流用しているが、影山ザビーとパンチホッパー、矢車ザビーとキックホッパーはモーション、性能共に完全に別キャラ。特に影山ザビーとパンチホッパーは共にパンチ主体でありながらきちんと差別化が図られている。 劇場版に登場した3ライダーも出演。この事はパッケージでもウリの1つとして書かれている。 ライダーゲーでは、劇場版限定キャラは基本的に冷遇されていた。『アギト』ではG4は出ていたがボイス一切無し。『555』~『響鬼』ではライダーも怪人も一切出ていなかった(*1)。 ただし、ケタロスとコーカサスの声は代役である。ケタロスは演じた虎牙光輝氏に海外での仕事が入っていたため、平成仮面ライダーシリーズでおなじみのうなり声しかあげない雑魚怪人役の声優・塩野勝美氏が代役を務めている。コーカサスは原作では格闘家・武蔵氏が演じており、流石に当時現役真っ盛りであった彼をゲームにまで呼ぶことはできず、最初から代役を予定していたと思われる。しかし、映画での武蔵氏の演技がたどたどしかったため、代役の中田譲治氏(*2)の方がキャラに合っているとまで言われた。本作に触れてから映画を見てガッカリした者も少なくない。元々コーカサス(黒崎一誠)自体、「筋骨隆々の大男が青薔薇片手にキザな台詞を吐きまくる」というギャップを特徴としたキャラクターのため、武蔵氏の起用もミスキャストだったというわけではないのだが…。 果ては、幼年誌『てれびくん』の通販品であるDVDにのみ登場した「ガタックハイパーフォーム」まで登場している。 但し台詞は只のガタックと完全に同一。また、説明書で出ている事がバラされてしまっている。 同キャラ対戦はできない(『アギト』以降恒例)が、ゲーム上で別キャラ扱いになっている組み合わせなら原作の設定に関係無く対戦可能。 「変身者が異なるザビー同士の対戦」「カブトハイパーフォーム 対 ザビー・ドレイク・サソード」など。 『剣』では、キングフォームとスペードのアンデッドは対戦できなかった。 戦闘システム 見下ろし型視点、平坦なフィールドを敵味方が動き回る3Dアクション。 戦闘は2対2のタッグマッチが可能となった。またゼクトルーパーやサナギワームは1キャラ枠で複数体のセットになっているため、最大3対3のチームバトルも可能。 キャストオフとクロックアップ 『宇宙刑事魂』の超人連携システム(*3)を受け継いだと思しきゲージシステム。 ゲージを溜めることでキャストオフ(*4)やクロックアップ(*5)が可能。 キャストオフ可能なライダーは、各戦闘の初めはキャストオフゲージを溜めるためにマスクドフォームで戦うことになる。 各状態には長所と短所がある。短所の目立つマスクドフォームも、本作ではキャストオフ時に一瞬無敵になる利点があり、クロックアップ対策として機能する。勿論敵もキャストオフやクロックアップを発動して攻めてくるので、使いどころがカギとなる。 これにより単なる連打では勝てなくなり、駆け引きが必要となった。 なお、クロックアップは設定通り全ライダーで発動可能。原作では結局未使用に終わったキックホッパーなど(*6)も例外なく発動できるのも嬉しいところ。 ワームの場合はキャストオフではなく「だっぴ」になる。体力が回復する。 クロックアップはライダー同様に全員が発動可能。 多彩な技とコンボ ボタンと左スティック(または方向キー)の組み合わせや、その場の状況によって、様々な技が繰り出せる。 各技から別の技へと連続攻撃が可能。敵を上空に浮かせる技などもあり、コンボの組み合わせの幅は広い。 一部ライダーの必殺技は原作で見せた準備動作を再現したようなボタン入力を要求される。 例えばカブトの「ライダーキック」は必殺技ボタンを三回押さなければ発動しない。(ボタンを一回押すごとにカウントダウンの電子音声も入る)この際、通常攻撃を間に挟んで敵のガードを破壊するなど原作で見せたコンボを再現することもできる。 キックホッパーの「ライダーキック」は発動中に追加入力することで攻撃回数が増え、方向キーを使うことで複数の敵に攻撃を振り分けることができる。これも原作で多くのファンを魅了したアクションの再現である。 ゲームモード ストーリーモード 「カブト」「その他のライダー」「ワーム」の3本のルートが用意されている。「カブト」以外のルートでは、へラクスでコーカサスを倒すなど、原作での勝敗を無視した展開となる。 サバイバルモードが登場した(正確には『クウガ』にもあったが)。 1人プレイでは100人抜きを目指し、2人プレイでは無制限に出てくる敵を何体まで倒せるかに挑戦する。 使用できるキャラはライダーだけであり、敵キャラは全て怪人達だが、ダークカブト使用時のみ怪人ではなくライダーやゼクトルーパーが敵として登場する。 恒例のデジタルカード収集は無くなり、替わりに一度見たデモを再生できる「デモビューワ」機能が登場した。 特定の条件下でないと見られないデモもあるため、簡単には収集できない。ただし、コンプリートしても特典等は一切ない。 必殺技デモの場合は、技を浴びせる相手と背景を任意で選択できる。 ネタ面 原作を知る者をニヤリとさせる…を通り越して大爆笑させるネタのオンパレードであった。 ゲーム起動時の「プレイする時は部屋を明るくし~」という注意書きを、天道が「おばあちゃんが言っていた」という例の口調で読み上げてくれる。更に隠しの神代版も。 サバイバルモードでは、豆腐・ザル蕎麦・ラーメン・鯖味噌煮といった原作に出た料理が回復アイテムとして登場している。 しかも入手すると、「ラ・メーン(*7)パワー」「サバミソパワー」などと変身アイテムのボイスと同じ声が読み上げてくれる。 『555』以降恒例である戦闘前後の台詞パターンも増強されている。 原作に登場する怪人ワームが「人の姿から記憶まで忠実にコピーする能力」を持っている設定を活かしており、同一人物であるキャラを対決させるとなんとも意味深な台詞が聞けたりする。 これまでは、同一人物であるキャラ、例を挙げるとファイズとそのブラスターフォームなどを対戦させても「行くぞ!」などといった無難な台詞しか言わなかった。 その他、サソードをコーカサスと対決させると薔薇繋がり(*8)の台詞を発したりと、細かい設定や描写を取り入れた掛け合いもある。 OPデモに、主役以外のライダーを登場させる事ができる。 これは前作『響鬼』にもあった機能だが、本作は更にもう1段階進化していて、各ライダーがマシンに乗って走るシーンから、必殺技で敵を倒すところまで用意されている。 但しザビーは矢車版しか出すことはできない。 同デモでは、玩具だけで原作に登場しなかったホッパーやサソード用のマシンゼクトロンも登場。ダークカブトに至っては、「ダークエクステンダー」というオリジナルマシンに乗っている。 残念ながらゼクター登場と変身シーン等の前半の映像はカブトで固定されており、他のキャラのシーンは拝む事が出来ない。 条件を満たすと、原作での「天道語録」の台詞を聞くことができる。 但し7種類ある台詞の中からランダムで再生されるだけで、任意の台詞を聞く事はできない。 …と、この様にネタ・ゲーム性共に非常に完成度の高い作品となっており、「デジフロの奇跡」「スタッフはワームに擬態されてるんじゃないか」とまで騒がれた。 問題点 しかし、同時に無視できない点も残っていた。 ゲームシステムの問題 難易度が高い 「強い・普通・弱い・とても弱い」の4段階から選択できるのだが、「普通」でも敵がかなり手強い。逆に「弱い」では簡単すぎる。 隠しキャラの殆どは「普通」以上で条件を満たさないと出現しないため、「子供には揃えるのは無理ではないか」という声が多かった。 一応隠しコマンドやその他の条件で出現させる事もできるので、救済措置はあるのだが。 プラクティスやトレーニングモードに当たるものが無い 操作方法が特殊でやれることが多いので、自由に練習できるモードは欲しいところ。 低難易度などでコンボを練習しようとしても、割とすぐに相手の体力が尽きてしまう。 つかみ技・投げ技が優遇されすぎている 全ての技の中で自分のゲージ上昇量が最も大きく、敵のゲージ上昇量が最も小さい。つかみ技を決め続ければ、敵にクロックアップを使わせずにプレイヤーはクロックアップを連発できて非常に有利になる。 出が遅いので高難易度では決まりにくいが、それでも十分積極的に狙っていける。 クロックアップ中以外はひたすらつかみ技を連発した方が良い場合もある。特にマスクドフォームの場合。 タッグバトルの場合、CPU操作の味方キャラの動きが悪く、棒立ちになっていることが多い。 今作のワーム勢は誰1人として必殺技を使えない。 故にライダー勢と違って明らかに決め手に欠ける。 『555』~『響鬼』では怪人キャラにも必殺技が用意されていたのだが。 ヘラクスやキックホッパーなど無限コンボを持っているキャラがいる。 しかも結構手軽にできるので禁止するプレイヤーもいる。 全キャラでモーションが使い回しのアクションも多い。 バトルステージが少なく、選択もできない(毎度の事だが)。 パッケージ裏を見ると、開発段階ではスーパーマーケットのステージもあったらしいのだが。 キャストオフ・クロックアップ・必殺技のデモはストーリーモードでしか表示されない。 それ故、オプションによるデモの切り替え機能を欲する声が多かった。 ライダーキックなどの必殺技の演出は、ストーリーモード専用のデモ以外では地味でやや物足りない。カメラワークが変わったりすることもない。 原作再現の問題 ストーリーモードのストーリーが簡素すぎる。 「原作のストーリーを追体験できる」という触れ込みだが、実際はナレーションによるストーリー説明なども無く、簡単な台詞のやり取りだけで済まされている。 しかも途中からパラレルワールドであるはずの劇場版のエピソードが挿入され、その後はただ色々な敵と戦うだけになったりと、「原作の追体験」はどこかに行ってしまう。 ただしTV本編の後半にかけてのストーリー評価が低めなこともあり(*9)、難点ばかりというわけではなく、自分の正体を思い出して絶望するスコルピオをカブトが優しく諭す展開があるなど、いい意味で原作から改変されている部分もある。 また、原作は出演キャストの都合で中盤以降のストーリーが明らかに変更になったと思われる部分が多数あり、(結局パラレルという扱いになったが)元々劇場版を本編の前日談として設定していたのでは?と考えられる点も多い。そのため開発が渡されていたシナリオが実際のものと異なっていた可能性は十分にある。 プットオン(キャストオフとは逆に、ライダーフォームからマスクドフォームに戻る機能)が発動できない。 原作でもプットオンを利用する場面はほとんど無かったが、それでも使えないよりは使えた方が、より遊びの幅は広がっただろう。 とはいえ、もし使用できたとしてもバランス調整が物凄く難しくなると思われるほか、操作や仕様がより複雑になっていた可能性はある。 劇場版限定ライダーが必殺技としてのショルダータックルを発動できない。 劇場版限定ライダーはいずれも右肩のショルダーブレードを使った「ショルダータックル(*10)」を発動できるのだが、劇中未使用なためか本作には採用されていない。 しかし本作では、ケタロスが劇中未使用のライダービートを繰り出せるという例があるので、せめて通常攻撃として採用して欲しかったところ。一応、通常攻撃には肩から体当たりするものも存在するが、専用エフェクトなどはなくモーションも他ライダーの使い回しである。 カブトハイパーフォームの必殺技の中に、ハイパーライダーキックが存在しない。 本作では常にパーフェクトゼクターを所持して戦うスタイルとなっており、マキシマムハイパーサイクロンとマキシマムハイパータイフーンは必殺技として使える。 原作のカブトはキック技が印象的であったため、この点を「このゲーム1番の問題点」と呼ぶ声もある。 ただし、上記2種の必殺技に加えてさらに3つ目の必殺技を与える形になるので、これもゲームバランスなどを考慮したと考えられる。 上述のカブトと同様に、コーカサスもライダービートを発動できない。 映画本編でもこの技を発動するシーンがあったのみで、実際に技を決めたシーンが無かった。だがケタロスとヘラクスは今作では必殺技として発動できる上、彼の立ち位置は映画のラスボスという重要なポジションであるので、同じ最強形態の立ち位置であるカブトハイパーフォームの様な形で「任意で切り替えて発動できる必殺技のうちの一つ」として使用できるようにして欲しかったところ。 なお、内部データにこの技に関するものだと思われる音声が収録されており、開発時には採用する予定があったのかもしれない。 台詞・音声のミスなど。 ガタックはケタロスを倒すと、嬉しそうに「やったぜ!」と叫ぶが、これは台詞のミスだろうか? キックホッパーを矢車ザビーと対決させると「仮面ライダーザビー…」と呟くが、これはNG。『カブト』の劇中世界では基本的に「マスクドライダー」の総称で呼ばれており、「仮面ライダー」という単語は存在しない。 …筈なのだが、番組でも脚本ミスで「仮面ライダードレイク」という単語が出ていたりする…。 原作ではガタックのみベルトの音声が他のライダーと異なっているのだが、本作ではキャストオフの音声が他のライダーと同じ音声になってしまっている。 ダークカブトのキャストオフのデモ時にゼクター音声でキャストオフの音声がない。 敵がライダーのペア・ワームのペア・ライダーとワームのペアだった場合、汎用セリフが再生されるのだが、これは自分のパートナーや敵の細かい組み合わせに関係無く同じセリフが再生される為、間抜けな状況も生まれてしまう。 ガタックはライダーとワームのペアと戦うと「一体どういうつもりだ、ワームと手を組むなんて!?」と激昂する。自分もワームとペアを組んでいても。 影山ザビーはライダーペアを倒すと「今日からお前はZECTの一員、まずはカブトを倒して貰おうか」と発言する。相手がカブト本人であっても。 スタッフロールで、ドレイクとコーカサスの変身者の本名が「風間大介」「黒崎一誠」ではなく「風間大輔」「黒崎一成」と誤表記されている。 賛否両論点 マスクドフォームの使い辛さ 「必殺技・クロックアップ使用不可」「各攻撃のステップキャンセルが利かない」という仕様のため立ち回りが非常に不利であり、それに代わる長所も防御力が高い程度しかないので、原作のようにカッコ良く戦うことも困難になっている。 攻撃を仕掛けても潰されたり、隙を狙われやすいので、近距離技を振る意義も薄く、特定の飛び道具やつかみ技を連発するだけの戦法になりやすい。 もっとも「キャストオフを発動するまでの前座程度の扱い」といった位置付け自体は原作通りである。前述したように、本作ではクロックアップ対策としての役割もあるため、一概に調整不足と言い切れない部分もある。 発売時期の関係で、原作との相違点があったり、原作終盤に活躍したキャラが登場しなかったりする。 上述したカブトハイパーフォームの必殺技2種は、なぜか天道も技名を宣言して発動する。原作では無言で発動していた。 原作では必殺技名をクールに宣言するのが特徴であるため、番組当初は宣言する予定だったのかもしれない。 また、マキシマムハイパータイフーンの演出も原作と異なり、本作ではYを描くように2回斬り付けるという独自の演出となっている。 これはゲーム開発中では原作ではまだこの技が披露されたエピソードが未放送だった為、パーフェクトゼクターの玩具CMのエフェクトを参考にしたからである。 原作終盤に登場した強敵カッシスワームや、三島正人が変身したザビーこと「三島ザビー」、ラスボスのグリラスワームも登場しない。三島ザビーはともかく、カッシスとグリラスは開発時期を考えれば出せる筈がないが。 それだけに、事実上のラスボスが変身者となっている「三島ザビー」がオミットされたのは惜しいところか。 キックホッパーはTV登場前からゲームキャラとして開発されていたのだが、いざTVで登場したキックホッパーの必殺技がゲームとまったく違うものだったので、ゲームスタッフが徹夜でモーションを作り直したという逸話がある。おかげで劇中同様の連続キックが可能となっているなど、その努力と拘りは評価すべきところである。 しかし急遽作り直したためか、必殺技のデモはおかしな点がある。大筋は再現されているのだが、何も無い空中に張り付いてからキックを出したり、敵にキックを命中させた後の着地時の向きが明らかに逆になっていたりと違和感が目立つ。 また、パンチホッパーのモーションまでは流石に作り直せなかったようで、本作では百烈拳のような演出となっている。 ダークカブトの性格がTV本編とはまったく違い、他の作品に登場するダークライダーである『アギト』のアナザーアギトや『龍騎』のリュウガのようなキャラになっている。 とはいえ、他の作品のダークライダーもこのような性格のものばかりなのでTVでもこうなる予定だったのかもしれない。例えば当時の児童誌では「時空を飛び回りながらカブトと戦う」と書かれるなど、実際の展開と異なる文章はしばしば見られていた。 ダークカブトのライダーキックは、原作ではカブト同様の回し蹴りだが、今作ではかかと落としからそのまま踏み抜くという独特の攻撃方法であり、この点は原作よりも良いという評価もある。 本編ではお世辞にも扱いが良いとは言えない声もあり、上述の雑誌のエピソードの事も含めて戦闘スタイルや台詞を聞いただけでもこのゲームでの方がキャラが立っていてまさしくダークなカブトであった為、こちらのダークカブトの活躍を本編でも見てみたかったと言うファンも少なくない。 実写要素について 恒例のデジタルカードモードがないため、原作の劇中写真は一切収録されていない。故に変身前の役者のファンにとっては少々魅力に欠ける点がある。 上記に関連して、OPデモには変身前の天道は登場するものの、顔が可能な限り映らないようにアングルが調整されている。 総評 主にゲームバランス関連の問題点は残るものの、「『仮面ライダーカブト』という番組のゲーム」としては非常に完成度が高く、「神ゲーならぬ天ゲー」と評価された。 『龍騎』から少しずつ発展してきたネタ度の高さに、『宇宙刑事魂』の数少ない良点だったサバイバルモードとゲージシステムの導入など、デジフロの特撮ゲームの集大成とでも呼ぶべき作品に仕上がっており、作品のファンには是非とも遊んでもらいたい一作である。 余談 前述のように、本作はデジフロのライダーゲーとしては最終作であり、翌年以降の『電王』『キバ』と2年続けてゲームは発売されなかった。 本作のデベロッパーあるデジフロイド自身も「本作で開発を担当するのが最後と決められていたためガチな格ゲーを作り上げた」とか。事実、電王の時は公式ブログで電王のゲームは出ないことがアナウンスされた。 こうして飢餓感を煽られていたファン達は、その後に発表された『仮面ライダー クライマックスヒーローズ』に期待を寄せたのだが…。詳しくは該当項目を参照。 本作は、内容的には前3作より遥かに充実しているのだが、なぜか前3作と違って攻略本が発売されなかった。 その代わりということなのか、開発元が自社サイトの商品紹介欄に自ら攻略サイト(にしか見えない細かい攻略コーナー)を設けていた。 上述したように単独の平成ライダーをテーマとしたゲーム作品の中では随一の完成度を誇るものの惜しい点もある為、本作のプレイヤーから完全版の発売及びリメイクやリマスター化を望む声は決して少なくない。 しかし、版権や俳優事情が相まってか発売から10年以上経った現在でも未だに制作の目処は立っていない。 本作の矢車ザビーとキックホッパーのボイスは、後に『仮面ライダー 超クライマックスヒーローズ』に流用された。 本作で採用されなかったコーカサスのライダービートは、『仮面ライダー バトライド・ウォーII』で正式に攻撃技として採用されている。 三島ザビーはおよそ15年程の時を経て『仮面ライダーバトル ガンバライジング』にて、演者本人によるアフレコ収録もされた上で正式に実装された。(参考)
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牧場物語 コロボックルステーション 概要 評価点 凄まじい量のやりこみ要素 その他 賛否両論点 問題点 総評 牧場物語 コロボックルステーション for ガール 概要(ガール) 評価点(ガール) 追加・変更点 問題点(ガール) 総評(ガール) 余談(ガール) 牧場物語 コロボックルステーション 【ぼくじょうものがたり ころぼっくるすてーしょん】 ジャンル ほのぼの生活ゲーム(シミュレーション) 対応機種 ニンテンドーDS メディア ニンテンドーDS専用カード 発売元 マーベラスインタラクティブ 開発元 トーセ 発売日 2005年3月17日 定価 4,800円 プレイ人数 1人 レーティング CERO 全年齢 判定 良作 ポイント インフレした壮絶なやりこみ要素の数々それでいて間口の広さは維持されている初回出荷版はバグが多いが、普通に遊べるレベル 牧場物語シリーズリンク 概要 のんびりとした牧場生活を楽しみながらキャラクターとの恋愛もできる『牧場物語』シリーズ第11作目。ニンテンドーDS向け初作品である。 本作の舞台は『ワンダフルライフ』にも登場した「わすれ谷」。ミネラルタウンの隣町に位置する。時間軸的には『ワンダフルライフ』からかなり未来の時代のようだ。 ダブルスロットを活用した『ミネラルタウンのなかまたち』との連動要素もある。 更に『ミネなか』を『ワンダフルライフ』と連携していると、作中に登場するとある墓に『ワンダフルライフ』で設定した主人公の名前が表示される。細かい部分だが手が込んでいる。 本作のストーリー上の目的は、魔女さまと女神さまの喧嘩によってコロボックルともども異界に飛ばされてしまった女神さまを救出すること。全101匹のコロボックルのうち60匹を救出すると女神さまを救出できる。もちろんその後もエンドレスにゲームを続けることができるが、本作は一定条件でゲームが終了する要素がいくつかある。 タイトルの「コロボックルステーション」とはゲーム中でコロボックルたちが運営している放送局のこと。これ以外にもカジノを運営していたり、顔グラの種類も多かったり、そもそもとんでもなく数が多かったりとシリーズでも最もコロボックルがフィーチャーされている作品になっている。 評価点 凄まじい量のやりこみ要素 一見すると見た目も内容も『ミネなか』の焼き直し…に見えるのだが、やりこんでいくほどにとそのやりこみ要素の異常さが透けて見えてくるようになる。 メイン要素であるコロボックルの救出のなかには「10万個以上特定のアイテムを出荷する」「魚を5万匹以上釣る」「セーブデータごとにランダムに決まるシークレットマスに水を撒く」などのえげつない条件のものが含まれており、コンプリートだけで相当なやりこみが必要になる。 コロボックルたちのお手伝いも数を揃えて訓練度を上げていけば相当な優秀さであり、訓練度を上げきった状態なら牧場外も含めた街中の畑の管理でさえも無理なく行えるほど。 農業面でのやりこみ要素も凄まじい。それを象徴するのが「作物レベル」。 作物の場合、同一種・レベルの種を重ねて撒くことで一定確率で農作物のレベルがアップする。繰り返し上げていくには種メーカーが必須。 256分の1の確率で発生する巨大作物も前作に引き続き健在。出荷物はレベル・巨大化・缶詰化(缶詰メーカーで作成)が全て記録されるため、それを埋めていくだけでも相当な労力となる。 畜産に関しては年1回の行事で優勝することによりレベルがアップする。孵化や出産でレベルを引き継ぐことができるため、相当な時間がかかるもののLv100を目指すことも可能。 そして出荷額についてだが、「基本出荷額×レベルの2乗」。繰り返すが2乗。レベルが上がるほど二次関数的に出荷額がインフレしていき、Lv100ではLv1の1万倍の出荷額となる。基本出荷額60Gのカブでさえ最終的には1個60万Gに…。 新施設として「地下室」が登場。上級鉱石場で入手できる「太陽」をセットすることで常に季節を固定した畑で農作業を行うことができる。他作品での「ビニールハウス」に相当。ただ初期版ではフリーズを起こしがちであったため敬遠されていた。 また、前項でも少し触れられているが、今作は牧場の外にも広く空き地が広がっており、その全てが耕作地として利用可能。ただ自然発生する野草もこの空き地に出現するため全て耕してしまうのも考えものではあるが。 場所によって土質が異なっており、標準である牧場の畑と比較して土質が悪い土地では収穫が1日延び、逆に良い土地では1日短くなる。収穫までの日数がもともと非常に長い果樹などでは土質が悪くても誤差レベル。 所定条件を満たして(*1)中級鉱石場を制覇すると手に入る「伝説の剣」を持っていると土質が最高に良い「滝裏の畑」に入れるようになる。収穫までの期間が2日短くなるため、特にすぐに実る作物を大量生産するのに向いている。 鉱石場も凄まじい。 初級・中級・上級・最上級の4つの鉱石場が存在している。初級は10Fまでだが、中級は255F、上級は999F、最上級は圧巻の65535Fである。 上級以上は落とし穴を駆使しないと最下層に到達することすら困難。 あろうことか敵も出現し、攻撃されると体力・疲労にダメージが入る。 ただ農具を強化する鉱石を集めるぶんには初級だけでも十分。最上位である「祝福」「賢者」クラスの道具や地下室の活用に必須の「太陽」を狙わない限りは中級以上に潜る必要はない。ただしヒロインのひとりは上級鉱石場の中に眠っているため、彼女の攻略を狙う場合は進んでいく必要がある。 最上級鉱石場に関しては本作が初出となる7色の「すてき」が埋まっており、7色全て揃えると女神さまが願いを1つ叶えてくれる(7種類存在するが、うち1つ固定で残り6つからランダム)。 ちなみに入手できるアイテムについてだが、宝石類は凄まじく不遇。というのも、序盤の稼ぎであれば鉱石場入り口でクワで地面を掘っていると出現することがある「イヤリング」「ネックレス」などのアイテム(*2)のほうが遥かに売値が高く、稼ぎ用途でリスクを負って中級鉱石場に潜る必要性が絶無に近い。一方、中盤以降になると鉱石はアイテムレベルを上げられないため、加速度的に出荷額がインフレしていく高レベル作物には全く追いつけなくなる。プレゼント目的ならどうかというと、レアなダイヤモンド・ピンクダイヤモンドやアレキサンドライトは別格として、他の宝石が好きなキャラのほとんどは同様にイヤリングやネックレスなどの入り口で掘れるアイテムも何かしら好きなものに指定されている(一部のコロボックルには例外も存在するが、一般住人はケリー(子供時代)を除き全て該当)。 なお、別格と書いたピンクダイヤモンドやアレキサンドライトは序盤に入手できるアイテムとしては破格の出荷額のため金策になり、ダイヤモンドはプレゼント用、特に温泉解放のためになるべく早く恋愛イベントを起こしたいフレンへのプレゼントとして有用(他のフレンの好物は序盤に手に入らないものばかりのため)。これらは特定の階層でしか手に入らないが、条件さえ理解していれば中級鉱石場に挑む十分な動機となり得る。……序盤だけだが。 これだけのインフレを受け容れるだけの要素も本作にはきっちり仕込まれている。 おなじみの別荘(9億G)はもちろん、1億枚のカジノメダル(1枚10G)が必要になる「ゴッドハンド」や「ミラクルグローブ」などといったものが存在する。 称号の方も凄まじく、最高位の「牧場最高神」は10億もの牧場度を溜めなければならない。各種要素のアンロックなどで牧場度を稼げる序盤はともかく、後半は女神さまへのお願いごと抜きでは年に1万稼ぐのも困難であるため、現実的なプレイ時間でたどり着くことは不可能とまで言われている。 他にも歴代作のBGMを聴ける「レコード」や、何の効果もないものの625種類も存在する「牧場物語カード」のような収集要素もある。 ここまでさんざんやりこみ要素のインフレぶりについて書いてきたが、普通にプレイする分には『ミネなか』と遜色ない感覚で遊べる。よほど効率プレイにこだわらなければ、女神さま救出くらいまでなら普通にスローライフしていても十分可能なライン。間口の広さと奥の深さはシリーズ全体で見ても相当なもの。 その他 DSに移行したため2画面を活かしたUIに変更されたが、本作のUIはDS初作品ながら無理がなく使いやすい。 メイン画面は上画面。下画面はセーブ&ロード、リュック、マップ、コロボックルステーション(テレビ放送)、資産表の5種で任意に切り替えできる。マップ画面でタッチした位置に直接道具を使える「首飾り」系の装飾品やタッチ操作で家畜やペットと触れ合える「タッチパネルグローブ」が登場している。首飾り系は実質的に室内で農作業ができるようになるためゲーム内時間短縮に有用。タッチパネルグローブに関しては使用は必須ではないが、こちらの使用回数に応じて救出されるコロボックルもいるのである程度は行ったほうが吉。 新要素として「装飾品」が登場 上述の「首飾り」や体力が自然回復する「女神の耳飾り」、体力・疲労のステータスが表示される「真実の腕輪」、時間の経過速度を操作できる「時の指輪」などが登場。 特に強力な装飾品(と農具)は呪われた状態で上級鉱石場に埋まっている。呪われた状態で装備すると外せなくなるため「教会」に電話して外してもらう必要がある(要1000Gだが、上級鉱石場に出入りできるレベルならはした金であろう)。更に10万Gと高価だが、呪いを解呪して真の効果を発揮できるようにすることもできる。 ヒロインについて デフォルトでわすれ谷から通常のヒロインが5名、攻略条件の厳しい実質的な隠しヒロインが4名、更に『ミネなか』と1回以上連携したセーブデータならミネラルタウンの住人5名が追加され全14名と結婚できる。シリーズでも屈指の多さ。 わすれ谷の隠しヒロイン4名は普通の人間ではない。さり気なく女神さまと魔女さまも対象になっている。 ミネラルタウンの住人に関しては前作から時間が経過しており、過去作のキャラクターの子孫が登場している。見た目もよく似ている…というかぶっちゃけ名前が違うだけのほぼ同一人物にしか見えない。 ただしミネラルタウン組に関しては重大な問題を抱えている。詳細は後述。 BGMのクオリティが高い 『ミネなか』から純粋な音源のパワーアップを感じられる完成度。特に「夏」「秋」のテーマは評価が高い。 上述の通り過去作のBGMも一部「レコード」として聴くことができる。特に『ミネなか』は季節も含めた大半のBGMが収録されているが、元となった『ハーベストムーン』のものとも異なる新規のアレンジで収録されている。オリジナルに忠実でないとも取れるが、雰囲気を壊すようなアレンジではなくクオリティも相当に高い。 賛否両論点 ストーリーがいささか荒唐無稽 ゲーム開始直後の魔女さまの主人公に対する説明が「ゲームが進まないのよ!」などとメタ発言を連発し、そもそもイマイチ説明にもなってなかったりする。 また、今作では特に主人公が牧場主をやることになった経緯についても説明がない。そもそも女神さまとコロボックルが異界送りになったところに偶然主人公が居合わせるという微妙にご都合主義な展開から始まる。 シリーズお約束の開幕即EDの選択肢だが、今作では主人公の攻撃を回避することには成功するものの、直後に犬に襲われたミネラルタウン町長のトーマスを見殺しにして画面が 赤く染まる というかなり残虐なもの。これでよくCEROが全年齢で通ったものである。ちなみにこの際もメタ発言を連発する。 ちなみにミネラルタウン組の面々は見た目がよく似た子孫、という設定になっており別人なのだが、トーマスだけは名前も見た目もそのままである。ただ性格がかなり変わっており、気のいい人物であった前作とは異なりかなり嫌味な人物となっている。こちらも同名の別人と捉えたほうが良いかもしれない。 カジノで一発狙いの稼ぎが可能 カジノのダブルアップに回数制限がない上、直前でのセーブ&ロードが効くため、相当な運ゲーにこそなるが、序盤から高価な装飾品を手に入れてバーンの店で売却、という形で手軽に資金稼ぎができてしまっていた。 問題点 初回版はバグが非常に多い 非常に痛いのは料理大会で前年出品した料理が翌年に出品された状態になってしまうバグ。またせっかくの新要素である地下室も頻繁にフリーズするという報告がされている。 他にもペットの愛情度が異常に上がりにくい、突如住人が居なくなる、町長から同じ内容の手紙が届く…などなど。 プレイヤーに有利なバグもまた多く、代表的なのは馬から牛乳や羊毛がいくらでも取れてしまうというもはや笑えてくる代物。他にも出荷したアイテムを手元に戻して無限に出荷できるバグなどが存在。いずれも狙わなければ起こらない。 普通にプレイしていると意外なほど出遭わないが、変なことをしようとするとバグに遭遇する傾向にある。つまり普通にプレイするぶんには問題ない程度のラインは保たれている。初期版でプレイするなら攻略サイト等を確認しながらプレイすることを推奨。 後期出荷版、及び後述のforガール版では概ね修正されている。初期出荷版か後期出荷版かはパッケージの型番で判別可能(*3)。 結婚まわりの仕様 ミネラルタウン組の5名に関しては、結婚すると主人公がミネラルタウンに行ってしまうためその場でゲーム終了となってしまう。結婚後も継続プレイでやりこみ続けたいなら実質選択肢にできなくなってしまう。やりこみ要素の多い本作との相性が悪い。一応別人とはいえキャラデザは引き継がれているため、ミネラルタウンのキャラに思い入れがあったプレイヤーには惜しまれる仕様である。 また、わすれ谷に訪れるのは週1回であるため、そもそも攻略に時間がかかるのも難点ではある。 本作の隠しヒロインはいずれも攻略条件は厳しいのだが、その中でも魔女さまとの結婚条件は常軌を逸している。今でもシリーズファンの間では伝説となっているほど。 一定回数アイテムを道端に捨てる、わすれ谷から一定回数出ようとする、収穫祭に5回毒キノコを入れるなどといった住民に嫌われる行動をあえて取らなければならない。難易度も高い(*4)が、行動自体がヤバいという意味で常軌を逸している。 何故魔女さまの結婚条件がこんなにも非道なのかというと、恐らく「彼女自身が女神さまの対となるキャラクターである関係で、只でさえも攻略が困難だった女神さまに合わせた条件にする必要があった」とされている。本作が過去作のアッパーバージョンである関係上、過去に縛られていると言わざるを得ない。 相方である女神さまもコロボックル全救出が必須なので攻略難易度はとても高い。また唯一結婚しても同居してくれない。 温泉の出現条件 ヒロインのひとりフレンの好感度を上げないと出現しない。恋愛イベントにして2段階目まで進めなければならないのでかなり面倒。 総評 『ハーベストムーン』以来のシステムを煮詰め、更に深さを追求したことで間口の広さと奥深さを両立した1作。 普通に遊ぶ分なら『ミネなか』と同様の感覚で遊べるスタンダードな作品なのに、ちょっと踏み込んだやりこみをしてみようと思うとその奥深さに驚くことになるだろう。 とにかく多発するバグが評価を下げてしまっているが、発生条件が特殊で回避が容易ものがほとんどなのでまともにプレイできない、ということはない。 初回版でも普通に遊ぶ分には十分に高い完成度であり、修正版に関しては文句なしに良作と言って差し支えない作品だろう。 牧場物語 コロボックルステーション for ガール 【ぼくじょうものがたり ころぼっくるすてーしょん ふぉあがーる】 ジャンル ほのぼの生活ゲーム(シミュレーション) 対応機種 ニンテンドーDS メディア ニンテンドーDS専用カード 発売元 マーベラスインタラクティブ 開発元 トーセ 発売日 2005年12月8日 定価 4,800円 プレイ人数 1人 レーティング CERO 全年齢 判定 良作 ポイント やりこみ要素はそのままに、さらに完成度が高くなった「大親友の儀」によって女性ヒロインも攻略することができる 概要(ガール) シリーズお約束の「forガール」版。主人公を女性に、結婚相手を男性キャラに差し替えた作品。 今作の女性主人公は『ミネラルタウンのなかまたち』と『ワンダフルライフ』の2つのデザインが用意されている。 オープニングは変更され、「女神さまが主人公の母親にお願いされて牧場生活をサボる主人公を更生させようとするが、あまりのサボりっぷりにサジを投げたら上位の神様に怒られてしまい、異界送りにされてしまう」というもの。荒唐無稽さでいえばオリジナル版と大差ない…。ちなみに魔女さまが物語の原因ではなくなっているが、開始直後のナビゲーター役はちゃんとやってくれる。 評価点(ガール) 追加・変更点 ガール版なだけあり、主人公は女性に変更。上述の通り2種類のデザインがあるほか、店売りの服で見た目を変更することができる。 結婚相手も男性キャラに変更。新規登場キャラのシュタイナーを併せ合計6名、更に『ミネなか』連動で5名が追加される。 オリジナル版とは異なり、ミネラルタウン組のキャラと結婚してもゲームは続行可能。大きな改善点である。 子供も男の子だけでなく女の子も産まれるようになった。どちらが産まれるかはランダム。 余談だが、通常の恋愛イベントとは違うが電話でのみ話ができる教会のカーディと服屋のメイスンも一定回数「話をする」(一定条件で「ひやかし」から選択肢が切り替わる)と最終的に「ミネラルタウンに来て結婚して欲しい」と言われる。こちらは「はい」と答えるとゲーム終了になる。 カーディからは『ミネなか』のキャラクターたちのその後についていろいろ聞ける。 そして、女性キャラに対しても「大親友の儀」というものが登場した。 男性キャラだけではなく女性キャラも「大親友」という形でパートナーにすることが出来るようになった。 親友とはいうもののシステム的には結婚とほぼ同一(最終的に渡すのも結婚用アイテムである「青い羽根」)であり、同性にもかかわらず子供を作ることができるというシリーズきってのトンデモシステム。 オリジナル版の結婚およびガール版の男性との結婚の場合は「女性キャラが妊娠を経て出産する」という流れになっているが、「大親友の儀」の場合は「神様が子供を授ける」という展開になっている。 攻略可能なのはオリジナル版の隠しヒロインである「普通の人間ではない」4名。流石に全員ではない。 もっとも対象がこの4人なのは人間ではないからというよりは、ガール版における隠し攻略対象として登場しているからという側面が強い。詳細は後述。 ちなみに魔女さまや女神さまの攻略条件はオリジナル版同様非常に厳しい。残り2名も同様に一筋縄ではいかない。 オリジナル版に存在したバグは概ね修正されている。 一部の高額アクセサリーは主人公が結婚するまで売却できなくなり、序盤からカジノで一発狙い、はできなくなっている。 ガール版で追加されてしまった大きなバグ(*5)もあるが、プレイヤーにとって有益なものだったため特に問題になってはいない。 問題点(ガール) 結婚相手の人選 わすれ谷の結婚相手の半分がおっさんであり、若干キャラデザに難がある。正統派の男性キャラはミネラルタウンの面々ばかりだったのが裏目に出てしまった形である。 ミネラルタウンのキャラも連動で選択肢になるとはいえ、若干偏り過ぎな感は否めない。 この点は元になった作品の一つである『ワンダフルライフforガール』の頃からそうだった(*6)のだが、本作では『Oh!ワンダフルライフ』に準拠して更に1人結婚相手が増えた(*7)事で顕著になってしまった。せめて原作における成長後のヒュー(*8)にあたる人物も登場して欲しかったところだ。 なお、通常の結婚相手を用意する時点でこの惨状だったからなのか、オリジナル版における隠しヒロインのような男性の隠し攻略対象は存在していない。先述の「大親友の儀」はその代わりの隠し要素として用意されたものと思われる。 総評(ガール) オリジナル版の間口の広さと奥深さは変わらず、完成度もより高くなったガール版。 前代未聞の同性キャラ攻略は多くのプレイヤーを驚かせることになった。 ただ4度目の『forガール』であり、相変わらずの完全版商法に呆れたプレイヤーも少なくなかったのは事実ではある。 余談(ガール) 相変わらずの完全版 オリジナル版の問題点をほぼ改善してのforガール版。今作は数こそ限られるとはいえ女性すら攻略可能なのでいつも以上に完全版色が強い。 forガール版は今作が最後となり、以後の作品は基本的に全て男女選択制となっている。 次回作『キミと育つ島』の売上は本作の両バージョンの合計を軽く上回っており、やはりforガール版廃止による売上への影響は大きかったことを物語っている(もちろん『キミ島』はDSブーム円熟期だったというのもあるが)。 『キミ島』でも引き続き魔女さまがヒロインになっているが、今作のような異常な攻略条件はない。ファンからは喜ばれると同時に少し残念がられたとか…。 今作以降の「大親友の儀」について 今作で登場した「大親友の儀」は元々隠し攻略要素の代用という側面が強かったからなのか、次回作では実装されず、長らくの間今作のみの要素であったが、2019年に発売された『再会のミネラルタウン』で14年ぶりに実装された。 隠し攻略対象だけでなく、通常の攻略対象ともパートナーになることが出来るようになったほか、女性主人公だけでなく男性主人公も利用可能となった。 一方で、発売前の時点では「大親友の儀」に関しては公表されておらず、今作と同様に隠し要素としての登場ではあった。 実績のなかに「結婚もしくは大親友の儀を行う」という条件のものがゲーム開始時から確認出来たので、発売日当日にプレイヤーの間で大きな話題となった。 その後、2021年に発売された『オリーブタウンと希望の大地』にも実装。今度は発売前の時点で公表され、初めて正式機能として登場することになった。